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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第43話:暗殺者の影

 ◆ 襲撃の夜


 数日後――


 グリーンヘイブン。


 夜。


 おっさんは、街を見回っていた。


 一人で。


 警備の確認。


 ガーディアンが、ちゃんと動いているか。


 街は、静か。


 平和。


 おっさんは、満足した。


(……問題ないな)


(嫌な予感は、気のせいか……)



 その時――


 背後から、気配。


 おっさん、振り返る。


 でも――


 遅かった。


 黒い影。


 刃が、閃く。


 心臓を、狙う。


 おっさん、避けようとする。


 でも――


 間に合わない。


 刃が、胸に突き刺さる。


 ガキン!


 硬い音。


 刃が、何かに当たった。


 完全には、刺さらない。


 でも――


 深い傷。


 血が、流れる。


 おっさん、倒れる。


「……ぐっ……!」


 暗殺者は、舌打ちした。


「……何かに、当たった……?」


「まあ、いい」


「致命傷だ」


 暗殺者は、逃げようとした。


 でも――


 ガーディアンが、反応した。


 警報が、鳴る。


 甲高い音。


 街中に、響く。


 暗殺者、驚く。


「……まずい……!」


 逃げる。


 暗闇に、消える。



 ◆ 発見


 数分後――


 セシリアが、駆けつけた。


 悲鳴を上げる。


「コウタロウさん!!」


 おっさんが、倒れている。


 血まみれ。


 胸に、深い傷。


 セシリアは、おっさんに駆け寄った。


「コウタロウさん!!」


「しっかりして!!」


 おっさんは、意識が朦朧としている。


「……セシリア……」


「……希望は……」


 セシリア、涙を流す。


「希望は、無事です!!」


「だから、しっかりしてください!!」


 おっさんは、微笑んだ。


「……良かった……」


 そして、意識を失った。



 真理とゴードンも、駆けつけた。


 真理、おっさんを見て顔色を変える。


「康太郎さん!!」


 ゴードンも、驚愕する。


「……康太郎……!」


「誰がやった……!」


 セシリアが、泣きながら言った。


「分かりません……!」


「でも、早く……!」


「治療を……!」


 真理は、頷いた。


「すぐに、リリアを呼びます!」



 ◆ 治療


 数分後――


 リリアとエリアスが、駆けつけた。


 リリアは、すぐに治療を始めた。


 最高品質の治療魔道具。


 白い魔石を使った魔道具。


 おっさんの傷に、当てる。


 光が、輝く。


 治癒の力。


 でも――


 傷が、深い。


 完全には、治らない。


 リリア、焦る。


「……傷が、深すぎます……」


「このままでは……」


 エリアスも、祈りを捧げる。


 神への祈り。


 光が、降り注ぐ。


 おっさんの体を、包む。


 でも――


 まだ、足りない。


 真理が、前に出た。


「私も、やります」


 真理の手が、光る。


 勇者の力。


 聖なる力。


 治癒の魔法。


 おっさんの体に、注がれる。


 リリア、エリアス、真理。


 三人の力が、合わさる。


 おっさんの傷が、少しずつ塞がっていく。


 でも――


 まだ、危険な状態。


 瀕死。


 セシリアは、おっさんの手を握った。


「コウタロウさん……」


「お願いです……」


「死なないでください……」


 涙が、止まらない。



 数時間――


 治療が、続いた。


 リリア、エリアス、真理。


 三人とも、疲れ果てている。


 でも――


 諦めない。


 必死に、治療を続ける。


 そして――


 おっさんの呼吸が、安定してきた。


 傷が、塞がった。


 完全ではない。


 でも、命は助かった。


 リリアは、安堵した。


「……持ち直しました……」


「でも、まだ危険です……」


「しばらく、安静が必要です……」


 セシリアは、涙を流しながら頷いた。


「……ありがとうございます……」


「本当に、ありがとうございます……」



 ◆ 骨の容器


 おっさんを、ベッドに運んだ。


 服を脱がせる。


 その時――


 胸元から、何かが落ちた。


 小さな容器。


 金属製の容器。


 凹んでいる。


 刃の跡。


 ゴードンが、拾い上げた。


「……これは……?」


 セシリアが、見る。


「……!」


「それは……」


「コウタロウさんが、いつも持っている……」


 ゴードンは、容器を開けた。


 中に、小さな骨。


 三つ。


 布に包まれている。


 ゴードンは、理解した。


「……これは……」


「前の家族の……」


 セシリアは、頷いた。


「……はい……」


「妻と、息子と、娘の……」


「骨の一部を、いつも持っていました……」


 ゴードンは、容器を見た。


 深い凹み。


 刃が、ここに当たった。


 だから――


 心臓を、直撃しなかった。


 ゴードンは、涙を流した。


「……家族が、守ったんだな……」


「康太郎を……」


 セシリアも、涙を流す。


「……はい……」



 真理も、容器を見た。


「……これが、なければ……」


「康太郎さんは……」


 みんな、黙った。


 家族の、絆。


 死んでも、おっさんを守った。


 奇跡。



 ◆ 暗殺者の追跡


 翌日――


 おっさんは、まだ眠っている。


 でも、命は助かった。


 真理は、決意した。


「暗殺者を、捕まえます」


 ゴードン「どうやって?」


 真理「勇者の力で、追跡します」


「痕跡が、残っているはずです」


 ゴードンは、頷いた。


「……分かった」


「俺も、協力する」



 真理は、襲撃現場に向かった。


 血が、残っている。


 おっさんの血。


 真理は、目を閉じた。


 勇者の力。


 感知能力。


 痕跡を、追う。


 そして――


「……見つけました……」


「暗殺者の気配……」


「こっちです……」


 真理は、走り出した。


 ゴードンも、付いていく。


 スカウトも、一緒。


 暗殺者の痕跡を、追う。


 街の外へ。


 森の中へ。


 そして――


 小屋を見つけた。


 古い小屋。


 隠れ家。


 真理「……ここです……」


 ゴードン「中にいるのか?」


 真理は、頷いた。


「……はい……」


「一人です……」



 真理は、小屋に突入した。


 剣を抜く。


 勇者の剣。


 光り輝く。


 暗殺者が、中にいた。


 驚く。


「……何だ……!」


 真理は、剣を向けた。


「動くな」


「康太郎さんを襲ったな」


 暗殺者は、逃げようとした。


 でも――


 真理の方が、速い。


 一瞬で、距離を詰める。


 剣を、暗殺者の首に当てる。


「動くな」


 暗殺者は、諦めた。


「……くそ……」



 ゴードンが、縄で縛った。


「よし、捕まえたぞ」


 真理は、暗殺者を睨んだ。


「誰に雇われた?」


 暗殺者は、黙っている。


 真理「答えろ」


 暗殺者「……知るか……」


「俺は、何も言わない……」


 ゴードンは、ため息をついた。


「……頑固だな……」



 ◆ 自白の魔道具


 グリーンヘイブン。


 おっさんの家。


 暗殺者を、牢屋に入れた。


 でも――


 何も話さない。


 真理は、困っていた。


「どうすれば……」


 ゴードンは、少し考えた。


 そして――


「……一つ、あるにはある……」


「でも、使いたくなかった……」


 真理「何ですか?」


 ゴードン「……自白の魔道具だ」



 ゴードンは、工房に向かった。


 奥の、倉庫。


 お蔵入りした魔道具が、置いてある。


 ゴードンは、一つを取り出した。


 首輪のような形。


 魔石が、組み込まれている。


 ゴードンは、説明した。


「これは、試作品だ」


「拘束用の魔道具を作っていた時に」


「偶然、できてしまった」


「装着すると、嘘がつけなくなる」


「質問に、正直に答えてしまう」


 真理、驚く。


「……そんな魔道具が……」


 ゴードン「ああ」


「でも、危険すぎる」


「人の意思を、操るようなものだ」


「だから、お蔵入りにした」


「使いたくなかった」


 真理は、少し考えた。


 そして――


「……でも、今は使うべきです」


「康太郎さんを襲った犯人を、知る必要があります」


 ゴードンは、頷いた。


「……分かった」


「でも、これ一回限りだ」


「終わったら、破棄する」



 ◆ 自白


 牢屋。


 暗殺者に、首輪を装着した。


 魔石が、光る。


 暗殺者、苦しむ。


「……ぐっ……」


「何だ、これ……」


 真理が、質問する。


「誰に雇われた?」


 暗殺者は、抵抗しようとする。


 でも――


 口が、勝手に動く。


「……バーソロミュー子爵だ……」


 真理、目を見開く。


「……!」


「子爵が……!」


 ゴードン「続けろ」


 真理は、さらに質問する。


「報酬は?」


 暗殺者「……金貨1000枚……」


「依頼内容は?」


「……康太郎を、殺せ……」


「他に、誰が関わっている?」


「……子爵の仲間の貴族たち……」


「何人だ?」


「……10人以上……」


「名前を言え」


 暗殺者は、次々と名前を言った。


 貴族たちの名前。


 全て。


 真理とゴードンは、メモを取った。


 証拠。


 これで、十分。



 真理は、首輪を外した。


 暗殺者は、荒く息をしている。


「……くそ……」


「何てものを……」


 ゴードンは、首輪を見た。


 そして――


 破壊した。


 叩き壊す。


 魔石も、砕いた。


「……これで、もう使えない」


「二度と、作らない」


 真理は、頷いた。


「……ありがとうございます」


「でも、おかげで真実が分かりました」



 ◆ 証拠の確保


 真理は、国王に報告することにした。


 手紙を書く。


『陛下


 康太郎が、襲撃されました。

 暗殺者を捕らえ、自白を得ました。


 依頼主は、バーソロミュー子爵です。

 他にも、多くの貴族が関わっています。


 証拠を、お送りします。

 正義の裁きを、お願いします。


 勇者 真理』



 手紙と共に、証拠を送った。


 暗殺者の自白。


 関わった貴族のリスト。


 全て。


 宰相アルバートに、届けた。



 ◆ おっさんの目覚め


 数日後――


 おっさんは、目を覚ました。


 ゆっくりと。


 セシリアが、隣にいた。


「……セシリア……?」


 セシリア、涙を流す。


「コウタロウさん!!」


「目が覚めたんですね!!」


 おっさんは、微笑んだ。


「……ああ……」


「心配かけたな……」


 セシリアは、おっさんに抱きつく。


「……本当に、心配しました……」


「死ぬかと思いました……」


 おっさんは、セシリアの頭を撫でた。


「……ごめん……」


「でも、大丈夫だ」


「生きてる」



 真理とゴードンも、入ってきた。


「康太郎さん!」


「康太郎!」


 おっさんは、二人を見た。


「……真理、ゴードン……」


「暗殺者は……?」


 真理「捕まえました」


「自白も、得ました」


 おっさん「誰が……?」


 ゴードン「……バーソロミュー子爵だ」


 おっさんは、少し考えた。


 そして――


「……やはりな……」


「予想通りだ……」


 真理「国王陛下に、報告しました」


「きっと、裁きが下ります」


 おっさんは、頷いた。


「……ありがとう……」



 ◆ 骨の容器


 ゴードンは、容器を見せた。


 凹んだ容器。


「康太郎、これが命を救った」


 おっさんは、容器を見た。


 目を見開く。


「……これは……」


「妻と、息子と、娘の……」


 ゴードンは、頷いた。


「ああ」


「刃が、これに当たった」


「だから、心臓を直撃しなかった」


「家族が、お前を守ったんだ」


 おっさんは、容器を受け取った。


 手で、握りしめる。


 涙が、流れる。


「……ありがとう……」


「お前たちが、守ってくれたのか……」


「ありがとう……」


 おっさんは、泣いた。


 声を上げて、泣いた。


 セシリアも、一緒に泣く。


 真理も、ゴードンも、涙を流す。


 家族の、絆。


 死んでも、おっさんを守った。


 奇跡。



 ◆ 決意


 数日後――


 おっさんは、回復してきた。


 まだ、完全ではない。


 でも、動けるようになった。


 おっさんは、広場に立った。


 住民たちが、集まっている。


「みんな、心配かけた」


 住民たちが、歓声を上げる。


「康太郎様!!」


「無事で良かった!!」


 おっさんは、続けた。


「俺は、襲われた」


「暗殺者に」


「でも、生き延びた」


「家族が、守ってくれた」


「そして、みんなが支えてくれた」


「ありがとう」


 住民たちが、拍手する。


 大きな拍手。


 おっさんは、真剣な顔で言った。


「でも、まだ終わっていない」


「俺を襲った者たちは、貴族だ」


「彼らは、罪を犯した」


「必ず、裁きが下る」


「俺たちは、負けない」


「正義は、必ず勝つ」


 住民たちが、歓声を上げる。


「その通りだ!!」


「康太郎様!!」


「俺たちも、協力します!!」


 おっさんは、微笑んだ。


「……ありがとう」


「みんなと一緒なら、何でもできる」



 ◆ 王都での動き


 王都。


 王城。


 国王エドワード三世が、報告を受けていた。


 宰相アルバートから。


「陛下、康太郎殿が襲撃されました」


 国王、驚愕する。


「何だと!?」


「康太郎殿が!?」


 アルバート「はい」


「暗殺者に襲われましたが、命は助かりました」


 国王、安堵する。


「……良かった……」


 アルバート「しかし、問題があります」


「依頼主が、判明しました」


「バーソロミュー子爵です」


 国王、激怒する。


「……何だと……!」


「子爵が……!」


「許せない……!」


 アルバート「他にも、多くの貴族が関わっています」


「リストを、お持ちしました」


 国王は、リストを見た。


 10人以上の貴族の名前。


 国王は、震えた。


「……こんなに……」


「貴族たちが、陰謀を……」


「許せない……」


 国王は、決意した。


「全員、逮捕しろ」


「裁判にかける」


「厳罰に処す」


 アルバート「承知しました」



 ◆ 逮捕


 翌日――


 バーソロミュー子爵の屋敷。


 王国騎士団が、踏み込んだ。


 騎士団長が、令状を読み上げる。


「バーソロミュー子爵」


「あなたを、殺人未遂および陰謀の罪で逮捕する」


 子爵、顔面蒼白。


「……何だと……!」


「俺が、何をしたというんだ……!」


 騎士団長「証拠がある」


「暗殺者の自白だ」


「それに、共謀者のリストもある」


 子爵は、絶望した。


「……くそ……」


「なぜ、バレた……」


 騎士団が、子爵を連行する。


 他の貴族たちも、次々と逮捕された。


 10人以上。


 全員。


 王都は、騒然となった。


「貴族たちが、逮捕された……!」


「康太郎様を、襲ったらしい……!」


「あり得ない……!」



 ◆ セシリアとの夜


 夜。


 おっさんとセシリアが、部屋にいる。


 赤ちゃん・希望が、眠っている。


 セシリアが言った。


「コウタロウさん、本当に無事で良かったです……」


 おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「……心配かけたな」


「でも、大丈夫だ」


「もう、危険は去った」


 セシリアは、涙を流した。


「……でも、怖かったです……」


「コウタロウさんが、死ぬかと思いました……」


 おっさんは、セシリアの頭を撫でた。


「……ごめん」


「でも、俺は生きてる」


「家族が、守ってくれた」


 おっさんは、容器を見た。


 凹んだ容器。


 妻、息子、娘の骨。


 おっさんは、微笑んだ。


「……お前たち、ありがとう……」


「これからも、見守っててくれ……」



 窓の外。


 夜空。


 星が、輝いている。


 グリーンヘイブンは、静か。


 でも、力強い。


 嵐を、乗り越えた。


 おっさんは、生き延びた。


 そして――


 正義が、勝った。


 新たな戦いが、始まる。



(次回:第44話「裁きの時」に続く)

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