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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第41話:荒れる王国

◆ 国王の悩み


王都。


王城。


国王エドワード三世が、執務室で一人悩んでいた。


書類が、山積み。


報告書。


陳情書。


全てに、目を通す。


国王は、ため息をついた。


「……頭が、痛い……」


宰相アルバートが、入ってきた。


「陛下、お疲れのようですね」


国王は、頷いた。


「ああ」


「バーソロミュー子爵の件で、頭を抱えている」


アルバート「子爵は、また何か……?」


「いや」


国王は、書類を見た。


「子爵だけじゃない」


「他の貴族たちも、似たようなものだ」


「康太郎殿に嫉妬し、足を引っ張ろうとしている」


アルバート「……困ったものですね」


国王は、立ち上がった。


窓の外を見る。


王都の街並み。


美しい街。


でも――


「康太郎殿の功績を考えると……」


「このままではいけない」


アルバート「と、言いますと?」


国王は、振り返った。


「康太郎殿に、爵位を授けたい」


アルバート、驚く。


「……爵位を……?」


「ああ」


国王は、真剣な顔で言った。


「彼の功績は、破格だ」


「魔道具を開発し、多くの人を救った」


「ゴーレムを開発し、労働力不足を解消した」


「各国との交易を促進し、王国を豊かにした」


「それに、魔物の巣窟だったスラムを一掃し、開拓した」


「スラムを、立派な都市に変えた」


「すでに男爵の位は授けたが」


「これだけの功績があれば、伯爵に値する」


「男爵から、伯爵へ」


アルバートは、少し考えた。


「……確かに、その通りです」


「でも、貴族たちは反対するでしょう」


国王は、頷いた。


「……分かっている」


「平民に爵位を与えることに、反対するだろう」


「でも、やらねばならない」


「これは、正義だ」



◆ 貴族会議


数日後――


王城の大広間。


貴族会議が開かれた。


多くの貴族が、集まっている。


バーソロミュー子爵も、いる。


他にも、侯爵、伯爵、子爵、男爵。


様々な爵位の貴族。


国王エドワード三世が、前に立つ。


「本日は、重要な議題がある」


貴族たち、静かに聞く。


国王は、続けた。


「康太郎殿に、爵位を上げたい」


「男爵から、伯爵の位へ」


瞬間――


広間が、ざわついた。


「何だと!?」


「伯爵に!?」


「平民が、一気に伯爵だと!?」


「あり得ない!」


バーソロミュー子爵が、立ち上がった。


「陛下、それは認められません!」


「康太郎は、まだ男爵になったばかりです!」


「それを、いきなり伯爵に!?」


「前例がありません!」


「それに、我々子爵よりも上位になります!」


他の貴族たちも、次々と反対する。


「その通りです!」


「男爵から、いきなり伯爵など!」


「子爵を飛び越えるなど、あり得ません!」


「我々、古くからの貴族の地位が下がります!」


国王は、冷静に言った。


「康太郎殿の功績を、知っているはずだ」


「魔道具、ゴーレム、グリーンヘイブンの発展」


「全て、彼の成果だ」


「それに値する、評価をすべきだ」


でも――


貴族たちは、聞かない。


「功績があっても、段階を踏むべきです!」


「子爵を飛び越えて伯爵など!」


「それに、元は平民ではないですか!」


「我々、代々続く貴族とは違います!」


国王は、怒りを抑えた。


「血統より、功績だ」


「康太郎殿は、王国に貢献している」


「それを、認めるべきだ」


バーソロミュー子爵が、叫んだ。


「陛下、これは認められません!」


「我々、貴族一同、反対します!」


他の貴族たちも、声を上げる。


「反対!」


「反対!」


「反対!」


広間が、騒然となった。


国王は、ため息をついた。


(……やはり、反対か……)


(どうすれば……)



◆ 王女の登場


その時――


扉が開いた。


一人の少女が、入ってきた。


17歳くらい。


美しい。


金色の髪。


青い瞳。


立派なドレス。


王女、エリザベス。


国王の娘。


貴族たち、驚く。


「王女殿下……!」


エリザベスは、前に進んだ。


国王の隣に立つ。


「父上、お話を聞いていました」


国王「エリザベス……」


エリザベスは、貴族たちを見た。


「皆様、恥ずかしくないのですか?」


貴族たち、ざわつく。


「何だと……?」


エリザベスは、凛とした声で言った。


「康太郎様は、多くの人を救いました」


「魔物の巣窟だったスラムを一掃し、開拓しました」


「病気の人を治し、王国を豊かにしました」


「それなのに、段階だけで判断するのですか?」


「功績に見合った評価をするべきではないですか?」


バーソロミュー子爵が、反論する。


「王女殿下、しかし……」


エリザベスは、子爵を睨んだ。


「子爵様、あなたは康太郎様に何をしましたか?」


「下水道の魔石を、横取りしようとしましたね」


「でも、遅すぎた」


「康太郎様が、先に動いていたから」


子爵、顔を赤くする。


「それは……」


エリザベスは、続けた。


「あなた方、貴族は何をしましたか?」


「康太郎様が苦労している時、何をしていましたか?」


「下水道が汚いと、嫌がっていたのではないですか?」


貴族たち、黙った。


エリザベスは、国王を見た。


「父上」


「康太郎様に、爵位を授けてください」


「それが、正しいことです」


「血統ではなく、功績で判断するべきです」


「それが、真の貴族です」


国王は、娘を見た。


誇らしげに。


「……エリザベス……」


「お前は、立派に育ったな……」


エリザベスは、微笑んだ。


「父上、決断してください」


国王は、頷いた。


「……分かった」



◆ 国王の決断


国王は、貴族たちを見た。


厳しい目。


「康太郎殿に、伯爵の位を授ける」


「これは、余の決定だ」


「反対は、認めない」


貴族たち、ざわつく。


「陛下!」


「お待ちください!」


国王は、手を上げた。


「黙れ」


声が、響く。


王の威厳。


貴族たち、黙った。


国王は、続けた。


「康太郎殿の功績は、明白だ」


「それを認めないのは、愚かだ」


「余は、王として」


「功績ある者を、評価する」


「これは、命令だ」


貴族たちは、黙って頭を下げた。


でも――


不満の色が、顔に出ている。


国王は、分かっていた。


(……これで、荒れるだろう……)


(でも、やらねばならない)



◆ おっさんへの通知


数日後――


グリーンヘイブン。


おっさんの家。


宰相アルバートが、訪ねてきた。


おっさんが、出迎える。


「アルバート殿、どうしました?」


アルバートは、手紙を渡した。


「陛下からの、勅命です」


おっさんは、手紙を開いた。


読む。


目を見開く。


「……伯爵……?」


アルバート「はい」


「陛下は、あなたの功績を評価されました」


「男爵から、伯爵の位へ昇格されます」


おっさんは、しばらく呆然としていた。


そして――


「……子爵を飛び越えて……?」


アルバート「はい」


「それだけの功績があると、陛下は判断されました」


「魔物の巣窟を一掃し、開拓したこと」


「これは、並大抵のことではありません」


おっさんは、しばらく呆然としていた。


そして――


「……辞退したい」


アルバート、驚く。


「辞退……?」


「ああ」


おっさんは、真剣な顔で言った。


「俺は、これ以上の爵位は必要ない」


「男爵で十分だ」


「ただ、多くの人を救いたいだけだ」


アルバートは、首を振った。


「康太郎殿、これは陛下の決定です」


「辞退は、できません」


「それに……」


アルバートは、少し考えた。


「貴族たちが、激しく反対しました」


「でも、王女殿下が説得されました」


「陛下も、強い決意で決めました」


「ここで辞退すれば、陛下の面目が立ちません」


おっさんは、ため息をついた。


「……分かった」


「受ける」


「でも、俺は変わらない」


「今まで通り、やる」


アルバートは、微笑んだ。


「それで、結構です」



◆ 授爵式


数週間後――


王城。


大広間。


授爵式が行われた。


多くの貴族が、集まっている。


でも――


雰囲気が、重い。


不満の色。


おっさんは、前に進んだ。


セシリアも、一緒。


赤ちゃん・希望を抱いている。


真理、ゴードン、リーナ、リリア、エリアスも来ている。


国王エドワード三世が、玉座に座っている。


横には、王女エリザベス。


国王が、立ち上がった。


「康太郎殿」


おっさんは、膝をついた。


「はい、陛下」


国王は、剣を取り出した。


おっさんの肩に、剣を置く。


「康太郎殿、余は汝の功績を認める」


「魔道具の開発」


「ゴーレムの開発」


「魔物の巣窟を一掃し、開拓したこと」


「グリーンヘイブンの発展」


「全てを、評価する」


「よって、汝を伯爵に昇格させる」


「グリーンヘイブン伯爵、康太郎」


おっさんは、頭を下げた。


「……ありがとうございます」


国王は、剣を戻した。


「立て、伯爵」


おっさんは、立ち上がった。


貴族たちは、拍手をする。


でも――


義務的な拍手。


心からではない。


バーソロミュー子爵は、拍手もしない。


睨んでいる。


怒りに震えている。


(……伯爵だと……!)


(俺より、上位に……!)


(許せない……!)


おっさんは、気づいた。


(……嫌われたな……)


(まあ、仕方ない)



王女エリザベスが、おっさんに近づいた。


「康太郎様、おめでとうございます」


おっさんは、頭を下げた。


「ありがとうございます、王女殿下」


エリザベスは、微笑んだ。


「私は、あなたの功績を知っています」


「真理様から、聞きました」


おっさん、驚く。


「真理から……?」


エリザベスは、真理を見た。


真理が、照れくさそうに笑っている。


エリザベス「真理様とは、友人なのです」


「彼女から、あなたの話をたくさん聞きました」


「素晴らしい方だと」


おっさんは、微笑んだ。


「……ありがとうございます」



◆ 貴族たちの反発


授爵式の後――


貴族たちが、集まっていた。


バーソロミュー子爵の屋敷。


何人もの貴族。


みんな、怒っている。


「元平民が、伯爵だと!」


「しかも、子爵を飛び越えて!」


「あり得ない!」


「陛下は、何を考えているんだ!」


バーソロミュー子爵が、言った。


「これは、我々貴族への侮辱だ」


「俺は子爵なのに、あいつは伯爵だと!」


「元平民が、俺より上位だと!」


他の貴族も、同調する。


「その通りだ!」


「許せない!」


「何か、対抗しなければ!」


ある伯爵が、提案した。


「康太郎を、孤立させよう」


「貴族社交界から、締め出す」


「誰も、相手にしない」


バーソロミュー子爵「それは、いい案だ」


「賛成だ」


「あいつが、俺より上位など、認められない」


他の貴族たちも、賛成する。


「賛成!」


「康太郎を、無視しよう」


「元平民の成り上がり伯爵に、相応しい扱いだ」



◆ 国内の混乱


数週間後――


王国内が、荒れ始めた。


貴族派と、平民派。


二つに、分かれた。


貴族派は、おっさんに反対。


「元平民が、伯爵など、あり得ない」


「子爵を飛び越えるなど、前例がない」


「血統が、全てだ」


平民派は、おっさんを支持。


「康太郎様は、英雄だ」


「功績で、評価されるべきだ」


「血統なんて、関係ない」


王都の街中で、議論が起こる。


酒場で、喧嘩が起こる。


「康太郎様は、偉大だ!」


「伯爵に相応しい!」


「いや、元平民が伯爵など!」


「子爵を飛び越えるなど、あり得ない!」


「何だと!」


殴り合い。


警備兵が、止めに入る。


でも――


止まらない。


混乱が、広がる。



商人たちも、分かれた。


おっさんを支持する商人。


魔道具を扱っている商人。


「康太郎様のおかげで、商売が繁盛している」


「応援する」


おっさんに反対する商人。


貴族と取引している商人。


「貴族様の機嫌を損ねたくない」


「康太郎には、関わらない」


王国内が、二つに割れた。



◆ グリーンヘイブンでの対応


グリーンヘイブン。


おっさんの家。


主要メンバーが、集まっていた。


リーナが、報告する。


「コータロー、王都が荒れてるわよ」


「あんたのせいで」


おっさんは、ため息をついた。


「……分かってる」


ゴードン「どうする?」


「爵位を、返上するか?」


おっさんは、首を振った。


「いや」


「国王陛下の面目がある」


「それに、王女殿下も尽力してくれた」


「今更、返上はできない」


真理「でも、このままだと……」


「王国が、分裂してしまいます……」


おっさんは、少し考えた。


そして――


「……俺たちは、今まで通りやる」


「多くの人を、救い続ける」


「結果で、示す」


「それしかない」


リーナ「結果で、示す……?」


「ああ」


おっさんは、真剣な顔で言った。


「俺たちが、さらに功績を上げれば」


「平民派が、増える」


「貴族派も、無視できなくなる」


「それで、王国を統一する」


ゴードン「……なるほど」


「さすが、康太郎だな」


おっさんは、微笑んだ。


「……やるしかない」



◆ セシリアとの夜


夜。


おっさんとセシリアが、部屋にいる。


赤ちゃん・希望が、眠っている。


セシリアが、心配そうに言った。


「コウタロウさん、大丈夫ですか……?」


「王国が、荒れているそうですが……」


おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「大丈夫だ」


「俺たちは、今まで通りやる」


「それで、必ず結果を出す」


セシリアは、涙を流した。


「……でも、心配です……」


「貴族たちが、攻撃してくるかもしれません……」


おっさんは、セシリアの頭を撫でた。


「……心配するな」


「ゴーレムが、守ってくれる」


「それに、仲間もいる」


「一人じゃない」


セシリアは、おっさんに抱きつく。


「……約束してください……」


「無事でいると……」


おっさんは、セシリアにキスをした。


「……約束する」



おっさんは、赤ちゃんを見た。


希望が、静かに眠っている。


おっさんは、赤ちゃんの頭を撫でた。


「……父ちゃん、頑張るからな」


「お前のためにも」


「みんなのためにも」



窓の外。


夜空。


星が、輝いている。


グリーンヘイブンは、静か。


でも――


王国内は、荒れている。


貴族派と、平民派。


対立が、深まっている。


おっさんは、決意した。


(……結果で、示す)


(それしかない)



◆ 新たな決意


翌日――


おっさんは、広場で演説した。


住民たちが、集まっている。


「みんな、聞いてくれ」


住民たちが、静かになる。


おっさんは、続けた。


「王国内が、荒れている」


「俺が、伯爵に昇格したからだ」


「貴族たちが、反対している」


「子爵を飛び越えたことに、怒っている」


住民たち、ざわつく。


「貴族たちめ……」


「康太郎様は、英雄なのに……」


おっさんは、手を上げた。


「でも、俺たちは負けない」


「今まで通り、やり続ける」


「多くの人を、救い続ける」


「結果で、示す」


「それが、俺たちの答えだ」


住民たちが、歓声を上げる。


「その通りだ!!」


「康太郎様!!」


「俺たちも、協力します!!」


おっさんは、微笑んだ。


「……ありがとう」


「みんなと一緒なら、何でもできる」



グリーンヘイブン。


静かな街。


でも、力強い。


団結している。


王国が荒れても、揺るがない。


おっさんたちは、進み続ける。


新たな挑戦へ。



(次回:第42話「反撃の狼煙」に続く)

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