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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第40話:空っぽの下水道

◆ 貴族からの使者


数日後――


グリーンヘイブン。


おっさんの家。


一人の男が、訪ねてきた。


立派な服。


貴族の紋章。


使者。


おっさんが、出迎える。


「何か、用か?」


使者は、傲慢な態度で言った。


「私は、バーソロミュー子爵の使者です」


「子爵様から、命令があります」


使者は、手紙を取り出した。


おっさんに、渡す。


おっさんは、手紙を開いた。


読む。



手紙には、こう書かれていた。


『康太郎殿


下水道の魔石は、王国の資源である。

よって、今後の採掘は王国が管理する。


グリーンヘイブンは、直ちに採掘を中止せよ。

すでに採掘した魔石の半分を、王国に納めよ。


これは、命令である。


バーソロミュー子爵』



おっさんは、手紙を読み終えた。


そして――


笑った。


「……ははは……」


使者、驚く。


「笑うな!」


「これは、子爵様の命令だ!」


おっさんは、手紙を使者に返した。


「悪いが、断る」


使者、顔を真っ赤にする。


「何だと!?」


「命令を、拒否するのか!?」


おっさんは、冷静に言った。


「魔石は、もうない」


「全部、採掘した」


「下水道は、空っぽだ」


使者、目を見開く。


「……空っぽ……?」


「ああ」


「根こそぎ、回収した」


「もう、何も残ってない」


使者は、しばらく呆然としていた。


そして――


「……嘘だ!」


「そんなはずがない!」


「下水道には、まだ魔石があるはずだ!」


おっさんは、首を振った。


「信じないなら、自分で確認しろ」


「下水道に、行ってみろ」


使者は、怒りながら去っていった。



◆ バーソロミュー子爵の激怒


数日後――


王都。


バーソロミュー子爵の屋敷。


使者が、報告していた。


「子爵様、康太郎は命令を拒否しました」


「それに、魔石はもうないと……」


子爵、激怒する。


「何だと!?」


「空っぽだと!?」


「馬鹿な!」


「下水道には、まだ魔石があるはずだ!」


使者「でも、康太郎は……」


「あいつが、嘘をついているんだ!」


「魔石を、隠しているに違いない!」


子爵は、決意した。


「……冒険者ギルドに、依頼する」


「下水道を調査させる」


「魔石があれば、全て回収だ!」



◆ 冒険者ギルドへの依頼


翌日――


バーソロミュー子爵は、冒険者ギルドを訪れた。


ギルドマスターに、依頼する。


「各地の下水道を調査してほしい」


「魔石があれば、全て回収してほしい」


「報酬は、金貨100枚だ」


ギルドマスターは、頷いた。


「承知しました」


「優秀な冒険者を、派遣します」



数日後――


冒険者たちが、各地の下水道へ向かった。


ベテランの冒険者。


5人組。


リーダーは、ガルド。


40代の戦士。


経験豊富。


「よし、下水道に入るぞ」


「気をつけろ、臭いし汚いぞ」


メンバーたちが、覚悟を決める。


「了解!」



でも――


下水道に入った瞬間。


驚いた。


臭くない。


汚くない。


水が、透明。


空気が、綺麗。


ガルド、目を見開く。


「……何だ、これ……?」


「下水道なのに……」


「臭くない……」


メンバーの一人が言った。


「リーダー、水が綺麗です……」


「まるで、湧き水みたいです……」


ガルドは、水に触れた。


冷たい。


綺麗。


本当に、湧き水のよう。


「……何があった……?」


「誰かが、浄化したのか……?」



冒険者たちは、奥へ進んだ。


最深部まで。


快適に。


臭いも、汚れも、気にならない。


でも――


魔石が、ない。


壁に、魔石があった跡。


削り取られた跡。


何もない。


ガルド、ため息をついた。


「……本当に、空っぽだ……」


「康太郎が言った通りだ……」


メンバーたちも、がっかりしている。


「何もないですね……」


「完全に、採掘されてます……」



冒険者たちは、他の場所も調べた。


北方の下水道。


東方の下水道。


南方の下水道。


西方の下水道。


全て、同じ。


浄化されている。


魔石は、ない。


根こそぎ、採掘されている。


ガルドは、報告書を書いた。


『下水道調査報告


各地の下水道を調査した。

結果、魔石は一切見つからなかった。


壁には、採掘された跡がある。

すでに、全て回収されている。


また、下水道は浄化されていた。

臭いも汚れもなく、水は透明。

誰が浄化したのかは、不明。


結論:魔石の回収は、不可能。


冒険者ギルド Aランク冒険者 ガルド』



◆ 子爵の絶望


数日後――


バーソロミュー子爵の屋敷。


ガルドが、報告に来た。


報告書を渡す。


子爵は、報告書を読んだ。


顔色が、変わる。


「……何もない……?」


「本当に、空っぽだと……?」


ガルド「はい」


「完全に、採掘されています」


「それに、浄化もされています」


「誰がやったのかは、分かりませんが……」


子爵は、震えた。


「……グリーンヘイブン……」


「康太郎……」


「あいつが……」


「全部、持っていったのか……」


ガルドは、続けた。


「おそらく、そうでしょう」


「グリーンヘイブンは、魔石採掘の技術があります」


「それに、下水道の浄化もできる」


「彼らが、やったと考えるのが自然です」


子爵は、頭を抱えた。


「……畜生……」


「遅かった……」


「もっと早く、動くべきだった……」


ガルドは、淡々と言った。


「報酬は、金貨100枚です」


「お支払いください」


子爵は、渋々金貨を払った。


ガルドは、金貨を受け取って去っていった。



子爵は、一人残された。


怒りと、後悔。


「……康太郎……」


「あいつは、全部持っていった……」


「魔石を、独占している……」


「許せない……」


でも――


どうすることもできない。


魔石は、もうない。


下水道は、空っぽ。


子爵は、机を叩いた。


「畜生!!」



◆ グリーンヘイブンでの笑い


グリーンヘイブン。


おっさんの家。


リーナが、報告に来た。


「コータロー、面白い話があるわよ」


おっさん「何だ?」


「バーソロミュー子爵が、冒険者ギルドに依頼したらしいわ」


「下水道の調査」


おっさんは、笑った。


「……ははは……」


「で、結果は?」


リーナ「当然、何もなかったって」


「空っぽだって」


「子爵、すごく悔しがってるらしいわ」


おっさんは、微笑んだ。


「……ざまあみろ、だな」


リーナも、笑った。


「そうね」


「あんたが、先に全部回収しちゃったから」


「貴族たちは、手も足も出ない」


おっさんは、頷いた。


「……遅すぎたんだ」


「俺たちは、何年も前から動いてる」


「今更、横取りしようとしても無理だ」


リーナ「でも、子爵は諦めないかもよ」


「何か、仕掛けてくるかも」


おっさんは、真剣な顔になった。


「……その時は、対応する」


「でも、魔石は渡さない」


「これは、俺たちのものだ」



◆ 国王への報告


数日後――


バーソロミュー子爵は、国王に報告した。


「陛下、下水道の魔石は……」


「全て、グリーンヘイブンに採掘されました」


「もう、何も残っていません」


国王エドワード三世は、少し考えた。


そして――


「……そうか」


「康太郎殿が、先に動いたのだな」


子爵「陛下、これは王国の損失です!」


「康太郎を、処罰すべきです!」


国王は、首を振った。


「いや」


「康太郎殿は、何も悪いことをしていない」


「下水道の魔石は、誰のものでもなかった」


「彼が、先に採掘しただけだ」


子爵「でも……!」


国王は、厳しい顔で言った。


「それに、康太郎殿は王国に貢献している」


「魔道具を提供し、ゴーレムを提供している」


「彼を、処罰する理由はない」


子爵は、黙った。


国王は、続けた。


「バーソロミュー」


「お前は、遅すぎた」


「康太郎殿が動いている時、お前は何をしていた?」


「下水道が汚いと、嫌がっていたのではないか?」


子爵は、顔を赤くした。


「……申し訳ございません……」


国王「今後は、もっと迅速に動くように」


「機会を逃すな」


子爵は、深く頭を下げた。


「……はい……」



◆ 探索用ゴーレムのアイデア


グリーンヘイブン。


ゴードンの工房。


おっさん、ゴードン、真理が集まっていた。


次のゴーレムについて、話し合う。


おっさんが言った。


「防衛用ゴーレムと、労働用ゴーレムは成功した」


「次は、探索用ゴーレムを作りたい」


ゴードン「探索用……?」


「ああ」


おっさんは、説明した。


「危険な場所を、探索するゴーレム」


「人間が行けない場所」


「下水道の最深部、洞窟、遺跡……」


「そういう場所を、調査する」


真理「それは、いいアイデアですね」


「人間の代わりに、危険を冒してくれる」


ゴードンは、少し考えた。


「……形は、どうする?」


おっさん「小型がいい」


「狭い場所も、通れるように」


「四足歩行で、機敏に動ける」


ゴードン「なるほど」


「犬や猫のような、小型の四足歩行か」


「それに、探知機能を強化する」


「暗い場所でも、見えるように」


「魔物も、発見できるように」


おっさんは、頷いた。


「……それがいい」



◆ 探索用ゴーレムの設計


ゴードンは、すぐに設計を始めた。


設計図を描く。


小型の四足歩行ゴーレム。


大きさは、中型犬くらい。


機敏に動ける。


探知機能を強化。


暗視能力。


魔物探知能力。


地図作成機能。


ゴードンは、何日もかけて設計した。


真理も、手伝っている。


おっさんも、アイデアを出す。


「カメラみたいな機能は?」


「見たものを、記録できたら便利だ」


ゴードン「……それは、難しいな」


「でも、試してみる価値はある」


設計図が、どんどん完成していく。



数日後――


設計図が、完成した。


ゴードンが、みんなに見せる。


「完成だ」


「小型四足歩行型 探索用ゴーレム」


「名前は……『スカウト』だ」


おっさんは、設計図を見た。


「……いいな」


「これで、危険な場所も探索できる」


真理「魔物がいても、大丈夫ですね」


ゴードン「ああ」


「スカウトが、先に調査する」


「安全を確認してから、人間が入る」



◆ 材料の調達


探索用ゴーレムを作るには、材料が必要だった。


鉄:軽量な鉄


魔石:青い魔石(探知機能強化)


回路用の銅線:大量の銅線


その他:ネジ、ボルト、歯車


おっさんは、材料を調達した。


鉄は、鉱山から。


軽量で、頑丈な鉄。


銅線は、商人から購入。


魔石は、すでにある。


ネジやボルトは、鍛冶屋に依頼。


全てが、揃った。


ゴードンが言った。


「材料が揃った」


「製作を、始める」


おっさんは、頷いた。


「……頼む」



◆ 探索用ゴーレムの製作


工場。


ゴードンが、探索用ゴーレムの製作を始めた。


職人たちが、協力する。


鉄を切る。


火で熱する。


叩く。


曲げる。


小型の四足歩行の体。


軽量。


機敏に動けるように。


探知用の魔道具を、目に組み込む。


暗視能力。


魔物探知能力。


全てを、丁寧に作る。


職人たちは、真剣に取り組む。


ゴードンが、指揮する。


「もっと軽く」


「ここは、動きやすいように」


職人たちは、頷く。


「はい!」



数週間後――


最初の探索用ゴーレムが、完成した。


中型犬くらいの大きさ。


四足歩行。


軽量。


機敏。


胴体の中心に、青い魔石。


回路が、全身に張り巡らされている。


目には、探知用の魔道具。


青く光る目。


ゴードンが、起動スイッチを入れた。


魔石が、輝き始める。


青い光。


回路に、魔力が流れる。


ゴーレムが、動き始めた。


目が光る。


ゆっくりと、立ち上がる。


四足歩行。


機敏に動く。


職人たち、歓声を上げる。


「動いた!!」


「小さいのに、速い!!」


「すごい!!」


ゴードンは、満足そうに頷いた。


「……よくやった」



◆ 探索用ゴーレムのテスト


ゴードンは、探索用ゴーレムをテストした。


まず、歩行。


ゴーレムが、速く走る。


機敏。


障害物を、軽々と飛び越える。


ゴードン「……速い……」


「予想以上だ……」


次に、暗視能力。


暗い部屋で、テスト。


ゴーレムが、周囲を見渡す。


青い目が、光る。


暗闇でも、見える。


ゴードン「……暗視能力、完璧だ……」


次に、魔物探知能力。


魔物ダミーを、隠す。


ゴーレムが、探知する。


目の光が、強くなる。


魔物の方を向く。


ゴードン「……探知能力も、完璧だ……」



おっさんも、見ていた。


「……すごいな、ゴードン」


「これなら、危険な場所も探索できる」


ゴードンは、頷いた。


「ああ」


「人間の代わりに、危険を冒してくれる」


おっさんは、微笑んだ。


「……素晴らしい」



◆ 実地テスト


翌日――


おっさんとゴードンは、実地テストを行った。


下水道。


でも、今回は別の下水道。


まだ、誰も探索していない下水道。


おっさんが、探索用ゴーレムを放つ。


「行け、スカウト」


「先に、調査しろ」


スカウトが、走り出した。


速い。


機敏。


下水道の中へ。


暗い。


でも、スカウトは見える。


青い目が、光っている。


スカウトが、奥へ進む。


おっさんとゴードンは、後ろから付いていく。


ゆっくりと。


スカウトが、何かを発見した。


目の光が、強くなる。


立ち止まる。


ゴードン「……何かいるな……」


おっさんも、警戒する。


「……魔物か……」


スカウトが、唸るような音を出す。


警告音。


おっさんとゴードンは、武器を構えた。


そして――


魔物が現れた。


大きなネズミ。


凶暴。


でも――


スカウトが警告してくれたおかげで、準備できた。


おっさんが、火の魔道具を使う。


炎が、魔物を襲う。


魔物が、倒れた。


おっさんは、スカウトを撫でた。


「よくやった」


スカウトが、嬉しそうに尻尾を振る。


まるで、本物の犬のように。


ゴードンは、微笑んだ。


「……感情表現まで、できるのか……」


「魔石の『記憶』が、働いているんだな……」



◆ 学習と改良


ゴードンは、探索用ゴーレムにも学習をさせた。


何度も、何度も。


危険を発見したら、警告する。


魔物がいたら、唸る。


安全を確認したら、尻尾を振る。


様々な行動。


スカウトが、学習していく。


魔石の『記憶』が、働く。


数週間後――


スカウトは、ほぼ自律的に探索できるようになった。


指示を出せば、理解する。


「あの通路を、調査しろ」


スカウトが、動く。


通路を調査する。


安全を確認する。


戻ってくる。


尻尾を振る。


安全だと、報告する。


ゴードン「……完璧だ……」


おっさんも、満足した。


「……これで、量産しよう」



◆ セシリアとの夜


夜。


おっさんとセシリアが、部屋にいる。


赤ちゃん・希望が、眠っている。


セシリアが言った。


「コウタロウさん、また新しいゴーレムですね」


おっさんは、頷いた。


「……ああ」


「探索用ゴーレムだ」


「危険な場所を、調査してくれる」


セシリアは、心配そうに言った。


「……でも、危険な場所に行くんですよね……」


「コウタロウさんも、一緒に……」


おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「大丈夫だ」


「スカウトが、先に調査してくれる」


「俺は、安全を確認してから入る」


セシリアは、涙を流した。


「……約束してください……」


「必ず、帰ってくると……」


おっさんは、セシリアにキスをした。


「……約束する」



おっさんは、赤ちゃんを見た。


希望が、静かに眠っている。


おっさんは、赤ちゃんの頭を撫でた。


「……父ちゃん、頑張るからな」


「お前たちを、守るために」



グリーンヘイブン。


静かな夜。


でも、温かい。


探索用ゴーレムが、完成した。


貴族たちの野望は、砕かれた。


おっさんたちの勝利。


新しい技術が、生まれ続けている。


おっさんの物語は、続く。



(次回:第41話「新たな発見」に続く)

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