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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第36話:ガーディアン起動

◆ 製作の最終段階


数週間後――


ゴードンの工房。


ゴーレムが、ほぼ完成していた。


四足歩行の鉄製ゴーレム。


大型犬ほどの大きさ。


体は、頑丈な鉄。


関節部分には、歯車。


胴体の中心に、黄色い魔石。


回路が、全身に張り巡らされている。


背中には、拘束用の網が収納されている。


口には、電撃発生装置。


目には、探知用の魔道具。


ゴードンが、最後の調整をしていた。


真理も、手伝っている。


おっさんも、見守っている。


ゴードン「……あと少しだ」


「回路の接続を確認する」


真理が、回路をチェックする。


「ここは、問題ありません」


「ここも、大丈夫です」


ゴードンは、魔石を確認する。


黄色い魔石が、輝いている。


「……魔石も、正常だ」


「エネルギーが、満ちている」


おっさんが言った。


「起動できるか?」


ゴードンは、少し考えた。


「……理論上は、できるはずだ」


「でも、実際に動くかは……」


「試してみないと、分からない」


おっさんは、頷いた。


「……じゃあ、やってみよう」



◆ 初起動


ゴードンが、ゴーレムの起動スイッチを入れた。


小さなレバーを、上げる。


魔石が、輝き始めた。


黄色い光。


回路に、魔力が流れる。


ゴーレムが、微かに震えた。


「……!」


おっさんたち、息を呑む。


そして――


ゴーレムの目が、光った。


黄色い光。


まるで、生きているかのように。


ゴーレムが、ゆっくりと頭を動かした。


首が、動く。


キィィ……という音。


歯車が、回っている。


ゴードン、驚く。


「……動いた……!」


真理も、目を輝かせる。


「すごい……!」


「本当に、動きました……!」


おっさんも、感動している。


「……やったな、ゴードン」


ゴードンは、涙を流した。


「……ああ……」


「ついに、完成した……」



ゴーレムが、さらに動いた。


前脚を、一歩前に出す。


キィィ……


ゆっくりと。


でも、確実に。


次に、後ろ脚。


キィィ……


一歩、また一歩。


ゴーレムが、歩いている。


ゴードン「……成功だ……!」


おっさんも、微笑んだ。


「……ああ」



◆ 基本動作のテスト


ゴードンは、ゴーレムの基本動作をテストした。


まず、歩行。


ゴーレムが、工房の中を歩く。


ゆっくりと。


でも、安定している。


四足歩行は、バランスが良い。


次に、走行。


ゴードンが、指示を出す。


「速度を上げろ」


ゴーレムが、速く動き始めた。


キキキキ……


速い。


犬が走るように。


おっさん、驚く。


「……速いな」


ゴードン「ああ」


「予想以上だ」


次に、方向転換。


右、左、後ろ。


ゴーレムが、スムーズに方向を変える。


ゴードン「……素晴らしい……」


「動作は、完璧だ」



◆ 探知機能のテスト


次に、探知機能をテストした。


ゴーレムの目には、探知用の魔道具が組み込まれている。


侵入者を、自動で発見する機能。


ゴードンが、工房の外に出た。


そして、こっそりと窓から侵入しようとする。


ゴーレムの目が、光った。


黄色い光が、強くなる。


そして――


ゴーレムが、窓の方を向いた。


ゴードンを見つけた。


ゴードン、驚く。


「……見つけた……!」


真理も、驚いている。


「すごい……」


「本当に、自動で侵入者を発見できるんですね……」


おっさんも、感心している。


「……完璧だな」



ゴードンが、工房に戻る。


ゴーレムの目の光が、弱まった。


警戒を解いた。


ゴードン「認識システムも、機能している」


「侵入者を発見したら、警戒モードになる」


「侵入者がいなくなったら、通常モードに戻る」


おっさんは、頷いた。


「……完璧だ」



◆ 拘束機能のテスト


次に、拘束機能をテストした。


ゴードンが、再び窓から侵入しようとする。


ゴーレムが、反応する。


目が光る。


そして――


ゴーレムが、ゴードンに向かって走った。


速い。


ゴードンの前で止まる。


背中から、網が飛び出した。


バサッ!


網が、ゴードンを包む。


ゴードン「うわっ!」


網に絡まって、倒れる。


真理とおっさん、駆け寄る。


「ゴードンさん!」


「大丈夫か?」


ゴードンは、笑っていた。


「……大丈夫だ……」


「成功だ……」


「拘束機能も、完璧に動いた……」


おっさんは、網をほどいた。


ゴードンを助け起こす。


ゴードン「これなら、侵入者を捕まえられる」


「殺さずに、拘束できる」


おっさんは、微笑んだ。


「……よくやった」



◆ 電撃機能のテスト


最後に、電撃機能をテストした。


これは、慎重に行う必要があった。


ゴードンが、的を用意した。


木製の人形。


「これに、電撃を放て」


ゴーレムに、指示を出す。


ゴーレムが、人形の方を向いた。


口が、開く。


黄色い魔石が、輝く。


そして――


バチバチバチ!


電撃が、放たれた。


青白い稲妻。


人形に、命中する。


人形が、焦げた。


でも、燃えない。


おっさん、目を見開く。


「……すごい威力だな」


ゴードン「ああ」


「黄色い魔石の特性が、発揮されている」


「電撃を作りやすい」


真理「これなら、火事の心配もないですね」


おっさんは、頷いた。


「……ああ」


「完璧だ」



◆ 自動制御の問題


しかし――


問題も、見つかった。


ゴーレムは、指示を出せば動く。


でも、完全に自動では動かない。


ゴードンが説明する。


「まだ、自律的な判断ができない」


「侵入者を発見することは、できる」


「でも、その後の行動は……」


「指示が必要だ」


おっさん「つまり、人が見張っていないといけない?」


ゴードン「……その通りだ」


「完全な自動警備には、まだ至っていない」


おっさんは、少し考えた。


「……改善の余地があるな」


ゴードン「ああ」


「回路を、もっと複雑にする必要がある」


「それか……」


ゴードンは、魔石を見た。


「魔石に、もっと力を引き出す必要がある」


「もしかしたら、魔石自体に何か……」


「意思のようなものがあるかもしれない」


おっさんは、興味深そうに聞いた。


「……魔石の意思……?」


ゴードン「仮説だ」


「でも、試してみる価値はある」


おっさんは、頷いた。


「……じゃあ、研究を続けよう」



◆ とりあえずの配備


完全な自動制御はできないが、ゴーレムは十分に機能していた。


おっさんは、ゴーレムを配備することにした。


おっさんの家の前。


セシリアと希望を守るために。


ゴーレムが、家の前に立っている。


四足で、じっと立っている。


まるで、番犬のように。


セシリアが、窓から見ている。


赤ちゃん・希望を抱いている。


「……すごいですね……」


おっさんは、頷いた。


「ああ」


「これで、お前たちを守れる」


「俺が、いない時でも」


セシリアは、涙を流した。


「……ありがとうございます……」


おっさんは、セシリアの頭を撫でた。


「……当然だ」


「家族を、守るのは」



ゴードンが説明する。


「完全な自動制御はできないが」


「侵入者を発見したら、警報を鳴らすように設定した」


「音で、知らせる」


「そうすれば、住民が駆けつけられる」


おっさん「それで、十分だ」


ゴードン「それと、簡単な指示なら理解できる」


「『守れ』『攻撃しろ』『止まれ』」


「これくらいなら、反応する」


おっさんは、ゴーレムに言った。


「守れ」


ゴーレムの目が、光った。


警戒モードになった。


おっさんは、微笑んだ。


「……いいな」



◆ 住民たちの反応


翌日――


ゴーレムの存在が、街中に知れ渡った。


住民たちが、見に来る。


「すごい……」


「鉄の犬……?」


「動いてる……」


子供たちも、興味津々。


「触っていい?」


おっさん「ゆっくりなら、大丈夫だ」


子供が、ゴーレムに触る。


冷たい鉄。


でも、温かい魔力を感じる。


子供は、笑顔。


「すごい!」


「生きてるみたい!」


ゴーレムが、子供の方を向いた。


でも、攻撃しない。


子供だと、判断した。


おっさん、感心する。


(……ちゃんと、区別できるのか)


(子供と大人を)


(すごいな、ゴードン)



住民の一人が言った。


「これ、私たちの家にも欲しいです」


おっさん「今は、まだ試作品だ」


「改良が必要だ」


「でも、うまくいったら……」


「量産する」


住民たち、歓声を上げる。


「本当ですか!?」


「やった!」


「これで、安心して眠れる!」



◆ ゴードンの新たな挑戦


夜。


ゴードンの工房。


ゴードンが、一人で考えていた。


魔石を、手に持っている。


黄色い魔石。


輝いている。


ゴードンは、魔石に語りかけた。


「……お前に、意思はあるのか?」


魔石は、答えない。


ただ、輝いているだけ。


でも――


ゴードンは、感じた。


何か、温かいものを。


まるで、生き物のように。


ゴードンは、確信した。


(……魔石には、何かある)


(ただのエネルギー源じゃない)


(もっと、深いものが)


ゴードンは、決意した。


「……研究を、続ける」


「魔石の秘密を、解き明かす」


「そうすれば、もっと高度なゴーレムが作れる」



真理が、工房に入ってきた。


「ゴードンさん、まだ起きてるんですか?」


ゴードンは、振り返った。


「ああ」


「少し、考え事をしていた」


真理は、ゴードンの隣に座った。


「魔石のことですか?」


「……ああ」


「魔石には、何か秘密がある気がする」


「もっと、調べたい」


真理は、微笑んだ。


「私も、手伝います」


ゴードンは、真理の手を握った。


「……ありがとう」


真理は、顔を赤くした。


「……えへへ……」



◆ 国王からの書簡


数日後――


王都から、使者が来た。


宰相アルバート。


おっさんが、出迎える。


「アルバート殿」


「康太郎殿」


「お久しぶりです」


アルバートは、手紙を渡した。


「国王陛下からの、書簡です」


おっさんは、手紙を開いた。


読む。



手紙には、こう書かれていた。


『康太郎殿


魔道具が、各国に広まっていると聞きました。

素晴らしいことです。


それに、ゴーレムを開発したとも。

驚きました。


できれば、ゴーレムを王都でも導入したいと考えております。

王城の警備に、使えないでしょうか。


ご検討いただければ、幸いです。


国王 エドワード三世』



おっさんは、手紙を読み終えた。


そして――


「……まだ、試作品だ」


「完全には、機能していない」


「でも、改良が進めば……」


「提供できるかもしれない」


アルバートは、頷いた。


「承知いたしました」


「陛下に、伝えます」


おっさんは、続けた。


「ただし、条件がある」


「条件……?」


「ゴーレムは、防衛用だけだ」


「攻撃用には、使わせない」


「それに、他国への輸出も禁止だ」


アルバートは、少し考えた。


そして――


「……分かりました」


「その条件で、問題ありません」


おっさんは、微笑んだ。


「よし」


「では、改良が終わったら、連絡する」



◆ セシリアとの夜


夜。


おっさんとセシリアが、部屋にいる。


赤ちゃん・希望が、眠っている。


窓の外には、ゴーレムが立っている。


じっと、警備している。


セシリアが言った。


「コウタロウさん、あれ……」


「ずっと、動かないんですね……」


おっさんは、頷いた。


「ああ」


「疲れない」


「眠らない」


「完璧な警備だ」


セシリアは、少し不安そうに言った。


「……でも、ちょっと怖いです……」


おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「大丈夫だ」


「あれは、俺たちを守ってくれる」


「敵じゃない」


セシリアは、おっさんに抱きつく。


「……分かってます……」


「でも……」


「鉄の生き物って、不思議です……」


おっさんは、微笑んだ。


「……確かに、不思議だな」


「でも、これが魔道具の力だ」


「これで、お前たちを守れる」


セシリアは、涙を流した。


「……ありがとうございます……」



おっさんは、赤ちゃんを見た。


希望が、静かに眠っている。


おっさんは、赤ちゃんの頭を撫でた。


「……父ちゃん、頑張るからな」


「お前たちを、守り続ける」



窓の外で、ゴーレムが立っている。


黄色い目が、輝いている。


まるで、誓いを立てるように。


グリーンヘイブンを、守る。


希望を、守る。



◆ 次の課題


翌日――


おっさん、ゴードン、真理が集まった。


ゴーレムの改良について話し合う。


おっさんが言った。


「今のゴーレムは、いい」


「でも、まだ改善できる」


ゴードン「ああ」


「完全な自動制御が、課題だ」


「魔石の研究を、進める必要がある」


真理「それと、量産も考えないといけませんね」


「一体だけじゃ、足りません」


おっさんは、頷いた。


「……その通りだ」


「街全体を守るには、複数必要だ」


「それに、他の用途のゴーレムも作りたい」


「労働用、探索用……」


ゴードン「段階的に、開発していこう」


「まずは、防衛用ゴーレムの改良」


「次に、量産」


「そして、他の用途のゴーレム」


おっさんは、微笑んだ。


「……よし」


「やろう」



グリーンヘイブン。


静かな街。


でも、ゴーレムが守っている。


新しい技術。


新しい希望。


おっさんの挑戦は、続く。



(次回:第37話「魔石の意思」に続く)

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