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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第35話:国際交流

◆ ザルディア王国からの使節


数週間後――


グリーンヘイブン。


広場に、立派な馬車が到着した。


ザルディア王国の紋章。


金色の鷹。


住民たちが、ざわつく。


「外国の馬車だ……」


「何の用だろう……」


おっさんが、出迎える。


馬車から、一人の男性が降りてきた。


50代くらい。


立派な服。


優しそうな顔。


「初めまして」


「私は、ザルディア王国の外務大臣、マルクス・フォン・シュトラウスと申します」


おっさん、驚く。


「外務大臣……!?」


「はい」


マルクスは、深く頭を下げた。


「康太郎殿、お会いできて光栄です」


おっさん、少し戸惑う。


「……何の用だ?」


マルクスは、真剣な顔で言った。


「先日、我が国のスパイがご迷惑をおかけしました」


「深くお詫び申し上げます」


マルクスは、さらに深く頭を下げた。


おっさんは、首を振った。


「いや、もういい」


「もう、解決した」


マルクスは、顔を上げた。


「……ありがとうございます」


「そして、王からの伝言があります」


マルクスは、手紙を取り出した。


「これを、お読みください」


おっさんは、手紙を受け取った。


開く。


読む。



手紙には、こう書かれていた。


『康太郎殿


先日、我が国のスパイがご迷惑をおかけしました。

深くお詫び申し上げます。


我が国は、魔道具を必要としています。

多くの国民が、貧困に苦しんでいます。

病気で苦しんでいます。


どうか、魔道具を売っていただけないでしょうか。

正式に、取引をさせていただきたいのです。


ザルディア王国 国王 ルートヴィヒ三世』



おっさんは、手紙を読み終えた。


そして――


「……分かった」


「魔道具を、売る」


「ただし、条件がある」


マルクス「条件……?」


おっさんは、真剣な顔で言った。


「生活用の魔道具だけだ」


「戦闘用は、売らない」


「それに、価格は適正にする」


「ぼったくりは、しない」


マルクスは、頷いた。


「承知いたしました」


「その条件で、問題ありません」


おっさんは、微笑んだ。


「よし」


「では、取引を始めよう」



◆ 魔道具の取引


数日後――


グリーンヘイブンとザルディア王国の取引が始まった。


魔道具の輸出。


水の魔道具。


火の魔道具。


治療の魔道具。


照明の魔道具。


全て、生活用。


ザルディア王国は、金貨で支払った。


大量の金貨。


おっさんは、その金貨でさらに街を発展させる計画を立てた。


マルクスが、おっさんに言った。


「康太郎殿、本当にありがとうございます」


「これで、我が国の国民も救われます」


おっさんは、微笑んだ。


「困ってる人を、助ける」


「それが、俺たちの目的だ」


「国境なんて、関係ない」


マルクスは、感動していた。


「……あなたは、真の聖人です……」


おっさんは、首を振った。


「いや、俺はただのおっさんだ」



◆ セキュリティへの不安


夜。


おっさんの部屋。


主要メンバーが集まっていた。


ゴードン、真理、リーナ、リリア、エリアス。


おっさんが、真剣な顔で言った。


「取引は、うまくいった」


「でも、問題がある」


リーナ「何?」


おっさんは、少し考えた。


「……セキュリティだ」


「魔道具が広まれば、また盗まれるかもしれない」


「それに……」


おっさんは、セシリアを見た。


セシリアは、赤ちゃん・希望を抱いている。


「セシリアや希望も、危険にさらされるかもしれない」


「誘拐とか……」


セシリア、不安そうな顔。


「……そんな……」


おっさんは、セシリアの手を握った。


「大丈夫だ」


「必ず、守る」


「でも、そのためには……」


おっさんは、みんなを見た。


「もっと強力な防衛手段が必要だ」



ゴードンが言った。


「警備を増やすか?」


おっさんは、首を振った。


「それだけじゃ、足りない」


「人間の警備には、限界がある」


「夜は眠るし、疲れる」


「完璧な警備は、できない」


真理が言った。


「では、どうすれば……?」


おっさんは、少し考えた。


そして――


「……魔道具で、何かできないか?」


ゴードン、目を輝かせる。


「魔道具……?」


おっさんは、続けた。


「例えば……」


「自動で動いて、侵入者を防ぐような……」


「そんな魔道具は、作れないか?」


ゴードンは、しばらく考えた。


そして――


「……ゴーレムだ」


おっさん「ゴーレム?」


「ああ」


ゴードンは、興奮した顔で説明した。


「魔石を動力源にして」


「回路で制御する」


「自動で動く、防衛用の……」


「ゴーレムを作れるかもしれない」


おっさん、目を見開く。


「……それだ!」


「それを作ろう!」



◆ ゴーレム開発会議


翌日――


ゴードンの工房。


主要メンバーが集まった。


ゴーレム開発会議。


ゴードンが、設計図を広げる。


「ゴーレムの設計だ」


みんな、設計図を見る。


真理が言った。


「これ、人型ですか?」


ゴードン「いや、まだ案だ」


「人型にこだわる必要はない」


リーナが言った。


「じゃあ、どんな形がいいの?」


おっさんが言った。


「まず、目的を整理しよう」


「何ができればいい?」


ゴードンが答える。


「移動できること」


「侵入者を発見できること」


「侵入者を攻撃、または拘束できること」


おっさんは、頷いた。


「……それができれば、形は何でもいい」


リリアが言った。


「四足歩行は、どうですか?」


「犬とか猫みたいな」


「安定してるし、速く走れます」


ゴードン「それは、いい案だな」


エリアスが言った。


「でも、攻撃手段は?」


真理「電撃の魔道具を組み込めば?」


「侵入者に、電撃を放つ」


おっさん「待て」


「火の魔道具だと、火事になるかもしれない」


「電撃の方が、安全だな」


ゴードン「それは、いい指摘だ」


「電撃なら、火事のリスクがない」


「それに……」


ゴードンは、少し考えた。


「黄色い魔石を使えば、電撃が作りやすいかもしれない」


おっさん「黄色い魔石?」


「ああ」


「前に調べた時、黄色い魔石は少し特殊だった」


「放電しやすい性質がある気がする」


「電撃の魔道具に、適しているかもしれない」


真理「なるほど」


「じゃあ、黄色い魔石で電撃の魔道具を作りましょう」


ゴードン「ああ」


リーナが言った。


「拘束用の網とかは?」


「殺すんじゃなくて、捕まえる」


おっさんは、頷いた。


「……それがいい」


「なるべく、殺さない方がいい」


「まずは、拘束」


「それでも抵抗するなら、攻撃」


ゴードンは、メモを取った。


「分かった」


「四足歩行」


「拘束用の網」


「電撃の魔道具(黄色い魔石使用)」


「これを組み込む」



真理が言った。


「でも、どうやって制御するんですか?」


「自動で動くって……」


ゴードンは、少し考えた。


「……それが、難しい」


「回路で、ある程度の動きは制御できる」


「でも、判断は……」


おっさんが言った。


「魔石に、何か意思はないのか?」


ゴードン「意思……?」


「ああ」


「魔石自体に、何か力があるかもしれない」


ゴードンは、しばらく考えた。


「……それは、分からない」


「でも、実験してみる価値はある」


おっさんは、頷いた。


「……じゃあ、まずは作ってみよう」


「試行錯誤だ」



◆ 様々なアイデア


会議は、続いた。


リーナが言った。


「ゴーレムに、色々な機能をつけられない?」


「例えば、荷物を運ぶとか」


ゴードン「それも、できるな」


「労働用ゴーレムだ」


真理「探索用ゴーレムも、作れそうですね」


「下水道の最深部とか、人間が行けない場所に」


おっさんは、頷いた。


「……全部、いいアイデアだ」


「でも、まずは一つだけ作ろう」


「防衛用ゴーレムだ」


「それができたら、次は労働用、探索用……」


「段階的に、開発していく」


みんな、頷いた。


「はい!」



◆ 設計開始


ゴードンは、すぐに設計を始めた。


設計図を描く。


四足歩行のゴーレム。


大きさは、大型犬くらい。


体は、鉄製。


魔石を、中心に配置。


回路を、全身に張り巡らせる。


拘束用の網を、背中に収納。


電撃の魔道具を、口に配置。


黄色い魔石を使用。


目には、探知用の魔道具。


ゴードンは、何日もかけて設計した。


真理も、手伝っている。


おっさんも、アイデアを出す。


「ここに、もう一つ魔石を入れたら?」


「出力が上がるかもしれない」


ゴードン「それは、いい案だな」


設計図が、どんどん完成していく。



数日後――


設計図が、完成した。


ゴードンが、みんなに見せる。


「完成だ」


「四足歩行型 防衛用ゴーレム」


「名前は……『ガーディアン』だ」


おっさんは、設計図を見た。


「……いいな」


「これで、セシリアや希望を守れる」


セシリアは、涙を流した。


「……ありがとうございます……」


「みなさん、ありがとうございます……」


おっさんは、セシリアの頭を撫でた。


「……大丈夫だ」


「必ず、守る」



◆ 材料の調達


ゴーレムを作るには、材料が必要だった。


鉄:大量の鉄


魔石:高品質な魔石(青か紫)


回路用の銅線:大量の銅線


その他:ネジ、ボルト、歯車


おっさんは、材料を調達し始めた。


鉄は、近くの鉱山から。


銅線は、商人から購入。


魔石は、すでにある。


ネジやボルトは、鍛冶屋に依頼。


全てが、揃い始めた。


ゴードンが言った。


「材料が揃ったら、すぐに作り始める」


「完成まで、数週間かかるだろう」


おっさんは、頷いた。


「……分かった」


「焦らず、確実に作ってくれ」


ゴードン「了解した」



◆ 国際交流の広がり


一方――


ザルディア王国との取引が、他国にも知れ渡った。


北の国、南の国、西の国。


様々な国から、使節が来た。


「魔道具を、売ってほしい」


「我が国の国民も、困っている」


「助けてほしい」


おっさんは、全ての国と取引を始めた。


ただし、条件は同じ。


生活用の魔道具のみ。


戦闘用は、売らない。


価格は、適正に。


各国は、喜んだ。


「ありがとうございます!」


「康太郎殿は、聖人です!」


おっさんは、首を振った。


「いや、俺はただのおっさんだ」



グリーンヘイブンは、国際交流の拠点になっていた。


様々な国の商人が、訪れる。


様々な国の文化が、混ざり合う。


街は、さらに活気づいた。


住民たちも、喜んでいる。


「すごい!」


「外国の人が、たくさん来てる!」


「街が、発展してる!」



◆ リーナの商会


リーナが、おっさんに提案した。


「コータロー、私に商会をやらせて」


「商会?」


「ええ」


「魔道具の取引を、管理する」


「価格交渉、輸出手続き、全部」


「あんた、忙しすぎるでしょ」


おっさんは、少し考えた。


「……確かに、忙しい」


「頼む」


リーナは、微笑んだ。


「任せて」


リーナは、商会を設立した。


「グリーンヘイブン商会」


元スラムの住民たちを雇った。


会計、事務、営業。


全てを、組織化した。


商会は、順調に運営された。


おっさんは、助かった。


「ありがとう、リーナ」


「当然よ」


「私たち、仲間でしょ」


おっさんは、微笑んだ。


「……ああ」



◆ セシリアの不安


夜。


おっさんとセシリアが、部屋にいる。


赤ちゃん・希望が、眠っている。


セシリアが、おっさんに言った。


「コウタロウさん、最近忙しそうですね……」


おっさんは、頷いた。


「……ああ」


「国際交流、ゴーレム開発……」


「色々、やることが多い」


セシリアは、心配そうに言った。


「……無理しないでくださいね……」


おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「大丈夫だ」


「みんなが、助けてくれてる」


「リーナも、ゴードンも、真理も」


「一人じゃない」


セシリアは、涙を流した。


「……でも、心配です……」


おっさんは、セシリアの頭を撫でた。


「……ありがとう」


「お前が心配してくれて、嬉しい」


セシリアは、おっさんに抱きつく。


「……ずっと、一緒にいてください……」


おっさんは、セシリアにキスをした。


「……ああ」


「ずっと、一緒だ」



おっさんは、赤ちゃんを見た。


希望が、静かに眠っている。


おっさんは、赤ちゃんの頭を撫でた。


「……父ちゃん、頑張るからな」


「お前たちを、守るために」



◆ ゴーレム製作開始


翌日――


ゴードンの工房。


材料が、全て揃った。


鉄、魔石、銅線、ネジ、ボルト、歯車。


ゴードンが、真理に言った。


「さあ、始めよう」


「ガーディアンの製作を」


真理は、頷いた。


「はい!」


ゴードンは、鉄を切り始めた。


火で熱する。


叩く。


曲げる。


少しずつ、形が見えてくる。


四本の脚。


胴体。


頭。


全てを、丁寧に作る。


真理は、回路を組み立てる。


銅線を、編む。


魔石を、配置する。


全身に、回路を張り巡らせる。


二人は、何日もかけて作業した。


おっさんも、時々手伝う。


「ここ、もっと補強した方がいいんじゃないか?」


ゴードン「その通りだ」


おっさんも、鉄を叩く。


補強する。


少しずつ、ゴーレムが完成に近づいていく。



◆ 希望の未来


グリーンヘイブン。


街は、今日も平和だった。


市場は、賑わっている。


外国の商人も、たくさん来ている。


様々な言語が、飛び交う。


子供たちは、外国の文化を学んでいる。


「ザルディアの言葉は……」


「こうやって発音するんだ」


学校は、国際色豊かになっていた。


公園では、外国の子供たちも遊んでいる。


グリーンヘイブンの子供たちと、一緒に。


笑顔。


国境を越えた、友情。


おっさんは、それを見て微笑んだ。


(……これが、俺の目指した世界だ)


(国境を越えて、みんなが幸せに暮らす)


(希望が、広がっていく)



夜。


星空。


美しい星空。


おっさんとセシリアが、窓から見ている。


赤ちゃん・希望が、眠っている。


セシリアが、おっさんに言った。


「コウタロウさん、希望の未来は明るいですね」


おっさんは、頷いた。


「……ああ」


「この子は、国際色豊かな環境で育つ」


「様々な文化を学ぶ」


「きっと、素晴らしい大人になる」


セシリアは、幸せそうに微笑んだ。


「……楽しみです……」


おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「……ああ」


「一緒に、見守ろう」



グリーンヘイブン。


静かな夜。


でも、温かい。


ゴーレムの開発が、進んでいる。


国際交流が、広がっている。


希望が、輝いている。


おっさんの物語は、新しい段階へ。



(次回:第36話「ガーディアン起動」に続く)

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