第34話:新たな脅威
◆ 平和な日常
グリーンヘイブン。
朝。
街は、いつも通り活気に溢れていた。
市場では、商人たちが商品を売っている。
「新鮮な野菜だよ!」
「魔道具もあるよ!」
住民たちが、買い物をしている。
笑顔。
幸せそう。
学校では、子供たちが勉強している。
「魔道具の仕組みは?」
「魔石を回路に組み込んで……」
子供たちが、真剣に学んでいる。
公園では、子供たちが遊んでいる。
「鬼ごっこしよう!」
「いいよ!」
笑い声が響く。
全てが、平和だった。
おっさんは、街を見回っていた。
セシリアと一緒。
赤ちゃん・希望を抱いている。
「コウタロウさん、いい街ですね」
「ああ」
おっさんは、街を見渡した。
「……みんな、幸せそうだ」
セシリアは、微笑んだ。
「コウタロウさんのおかげです」
おっさんは、首を振った。
「いや、みんなのおかげだ」
◆ 異変
その夜――
ゴードンの工房。
ゴードンが、工房の扉を開けた。
「ただいま」
でも――
何か、おかしい。
工房の中が、散らかっている。
道具が、床に落ちている。
設計図が、破られている。
ゴードン、驚く。
「……!」
「何があった……?」
ゴードンは、工房の中を調べた。
そして――
気づいた。
魔石が、なくなっている。
高品質な魔石。
紫の魔石。
白い魔石。
全て、盗まれていた。
ゴードン、顔色を変える。
「……盗まれた……!」
ゴードンは、すぐにおっさんのところへ駆けつけた。
おっさんの家。
扉を叩く。
「康太郎! 大変だ!」
おっさんが、扉を開ける。
「ゴードン? どうした?」
「工房が、荒らされた!」
「魔石が、盗まれた!」
おっさん、目を見開く。
「……!」
「盗まれた……?」
「ああ」
「高品質な魔石が、全部だ」
おっさんは、すぐに行動した。
「分かった」
「すぐに、調査する」
◆ 現場検証
ゴードンの工房。
おっさん、リーナ、真理が集まっていた。
おっさんが、工房の中を調べる。
床に、足跡。
窓が、壊れている。
「……窓から侵入したな」
リーナが言った。
「でも、誰が……?」
おっさんは、足跡を見た。
「……この足跡……」
「普通の靴じゃない」
「軍靴だ」
真理、驚く。
「軍靴……?」
「兵士ってことですか?」
おっさんは、頷いた。
「……可能性は高い」
リーナが言った。
「でも、この国の兵士が盗むわけないわ」
「なら……」
おっさんは、真剣な顔で言った。
「他国の可能性がある」
「スパイだ」
◆ 緊急会議
広場。
主要メンバーが集まった。
おっさん、ゴードン、真理、リーナ、リリア、エリアス。
おっさんが、説明する。
「工房から、高品質な魔石が盗まれた」
「おそらく、他国のスパイだ」
みんな、驚く。
「他国……!?」
おっさんは、頷いた。
「魔道具の噂は、国境を越えて広まっている」
「他国も、魔道具を欲しがっている」
「だから、スパイを送り込んだんだろう」
リーナが言った。
「でも、どうやって侵入したのよ」
「グリーンヘイブンは、警備してるはずよ」
おっさんは、少し考えた。
「……おそらく、商人に紛れて入った」
「市場には、外部の商人も来る」
「その中に、スパイが混ざっていたんだろう」
ゴードンが言った。
「魔石を取り戻さないと……」
「あれがあれば、強力な魔道具が作れる」
「他国に渡ったら、危険だ」
おっさんは、頷いた。
「……ああ」
「すぐに、追跡する」
◆ 追跡
おっさん、真理、そして数名の調査隊メンバーが出発した。
馬に乗る。
足跡を追う。
街の外へ。
森の中。
足跡は、続いている。
おっさんが、前を走る。
真理も、横に並ぶ。
「康太郎さん、見つかりますかね?」
「……分からない」
「でも、諦めない」
真理は、頷いた。
「私も、頑張ります」
数時間後――
森の中で、野営の跡を見つけた。
焚き火の跡。
食べ残し。
おっさんが、調べる。
「……まだ新しい」
「数時間前だ」
「近くにいるはずだ」
調査隊メンバーが言った。
「リーダー、あっちに足跡が!」
おっさんは、足跡を追った。
森の奥へ。
そして――
開けた場所に出た。
そこには、5人の男たちがいた。
立派な服。
でも、武器を持っている。
剣。
弓。
明らかに、兵士。
おっさんたちを見て、構える。
「……誰だ!」
おっさんが、前に出る。
「魔石を返せ」
男たちの一人が、笑った。
「魔石? 何のことだ?」
おっさんは、冷静に言った。
「とぼけるな」
「お前たちが、工房から盗んだんだろう」
男たちは、顔を見合わせた。
そして――
リーダーらしき男が言った。
「……そうだ、俺たちが盗んだ」
「何か、問題でも?」
おっさん、目を細める。
「……返せ」
「それは、俺たちのものだ」
男は、笑った。
「お前たちのもの?」
「下水道にあったものだろう?」
「なら、誰のものでもない」
「俺たちが持って帰って、何が悪い」
おっさんは、怒りを抑えた。
「……その魔石は、多くの人を救うために使う」
「お前たちに、渡すわけにはいかない」
男は、剣を抜いた。
「なら、力ずくで奪うまでだ」
他の男たちも、武器を構える。
真理が、前に出た。
剣を抜く。
「私が、戦います」
おっさんは、真理を止めた。
「待て」
「まずは、話し合いだ」
おっさんは、男たちに言った。
「魔石を返せ」
「そうすれば、見逃す」
男は、笑った。
「見逃す? 笑わせるな」
「こっちは5人、お前たちは……」
男は、おっさんたちの人数を数えた。
「8人か」
「いい勝負だな」
おっさんは、ため息をついた。
「……仕方ない」
真理に合図する。
「やれ」
真理が、飛び出した。
◆ 戦闘
真理の剣が、閃く。
男の一人が、吹き飛ばされる。
「ぐあっ!」
他の男たちが、驚く。
「……速い……!」
真理は、次々と攻撃する。
剣を振るう。
男たちが、防戦する。
でも――
真理の方が、圧倒的に強い。
さすが、勇者。
おっさんも、参戦する。
火の魔道具を使う。
炎が、男たちを襲う。
「うわあああ!」
男たちが、後退する。
調査隊メンバーも、戦う。
魔道具を使って。
風の魔道具。
土の魔道具。
男たちは、完全に圧倒されていた。
数分後――
男たちは、全員倒れた。
気絶している。
真理が、息を整える。
「……終わりました……」
おっさんが、男たちを調べる。
袋を見つけた。
中に、魔石。
紫の魔石。
白い魔石。
全部、あった。
おっさんは、安堵した。
「……取り戻した……」
◆ 尋問
男たちを縛った。
おっさんが、リーダーに尋問する。
「お前たち、どこの国の者だ?」
男は、黙っている。
おっさんは、冷静に言った。
「答えろ」
「でないと、王都に引き渡す」
男は、少し考えた。
そして――
「……東の国だ」
「ザルディア王国」
おっさん、頷く。
「何が目的だ?」
「魔道具だ」
「俺たちの国も、魔道具が欲しい」
「だから、魔石を盗んだ」
おっさんは、ため息をついた。
「……魔道具が欲しいなら、正式に交渉すればいい」
「盗む必要はない」
男は、笑った。
「交渉? そんなことをしたら、時間がかかる」
「それに、お前たちが断るかもしれない」
「だから、盗んだ」
おっさんは、首を振った。
「……間違ってる」
「魔道具は、多くの人を救うためのものだ」
「盗むものじゃない」
おっさんは、男たちを縛ったまま、グリーンヘイブンに連れ帰った。
◆ 対策会議
グリーンヘイブン。
広場。
主要メンバーが集まった。
おっさんが、報告する。
「魔石を取り戻した」
「犯人は、ザルディア王国のスパイだった」
みんな、驚く。
「他国のスパイ……!」
おっさんは、続けた。
「これから、こういうことが増えるかもしれない」
「魔道具の噂が広まれば、他国も欲しがる」
「盗もうとする者も、出てくる」
リーナが言った。
「じゃあ、どうするの?」
おっさんは、真剣な顔で言った。
「セキュリティを、強化する」
「工房に、鍵をかける」
「警備を、増やす」
「それに……」
おっさんは、少し考えた。
「魔石の保管場所を、分散させる」
「全部、一箇所に置かない」
「盗まれても、被害を最小限にする」
ゴードンが頷く。
「それは、いい案だ」
おっさんは、続けた。
「それと、魔道具の輸出も考える」
「他国に、正式に売る」
「そうすれば、盗む必要がなくなる」
リーナが言った。
「でも、武器にされたら危険じゃない?」
おっさんは、頷いた。
「……その通りだ」
「だから、慎重に選ぶ」
「信頼できる国にだけ、売る」
「それに、生活用の魔道具だけにする」
「戦闘用は、売らない」
みんな、頷いた。
「それなら、安全ね」
◆ スパイの処遇
おっさんは、スパイたちを牢屋に入れた。
グリーンヘイブンには、小さな牢屋がある。
犯罪者用。
でも、ほとんど使われていなかった。
平和な街だったから。
スパイたちは、牢屋の中で座っている。
おっさんが、牢屋の前に立つ。
「お前たちを、どうするか考えた」
スパイのリーダーが、おっさんを見る。
おっさんは、冷静に言った。
「本来なら、王都に引き渡すべきだ」
「盗みは、犯罪だ」
「でも……」
おっさんは、少し考えた。
「お前たちの国も、困っているんだろう」
「魔道具が欲しいんだろう」
スパイのリーダーが、驚く。
「……何が言いたい?」
おっさんは、真剣な顔で言った。
「お前たちを、解放する」
「ただし、条件がある」
「条件……?」
「ああ」
「お前たちの国の王に、伝えろ」
「魔道具が欲しいなら、正式に交渉しろと」
「盗むんじゃなく、買えと」
「そうすれば、売ってやる」
スパイのリーダーは、しばらく考えた。
そして――
「……分かった」
「伝える」
おっさんは、頷いた。
「よし」
「明日、解放する」
「二度と、盗みはするな」
スパイのリーダーは、深く頭を下げた。
「……ありがとうございます」
◆ セシリアとの会話
夜。
おっさんとセシリアが、部屋にいる。
赤ちゃん・希望が、眠っている。
セシリアが、心配そうに言った。
「コウタロウさん、大丈夫ですか……?」
「他国のスパイが来るなんて……」
おっさんは、セシリアの手を握った。
「大丈夫だ」
「セキュリティを強化した」
「もう、盗まれない」
セシリアは、少し安心した。
「……そうですか……」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「心配かけたな」
セシリアは、おっさんに抱きつく。
「……でも、無事で良かったです……」
おっさんは、セシリアの頭を撫でた。
「……ああ」
おっさんは、赤ちゃんを見た。
希望が、静かに眠っている。
おっさんは、少し考えた。
(……これから、もっと大変になるかもしれない)
(魔道具が広まれば、様々な問題が起こる)
(でも、諦めない)
(多くの人を、救い続ける)
おっさんは、決意を新たにした。
◆ 翌日
翌朝――
おっさんは、スパイたちを解放した。
牢屋の扉を開ける。
スパイたちが、出てくる。
リーダーが、おっさんに頭を下げた。
「……ありがとうございます」
「必ず、王に伝えます」
「正式に、交渉させていただきます」
おっさんは、頷いた。
「待ってる」
スパイたちは、去っていった。
リーナが、おっさんに声をかけた。
「本当に良かったの?」
「解放して」
おっさんは、微笑んだ。
「……ああ」
「敵を作るより、友を作る方がいい」
「それに、あいつらの国も困っているんだろう」
「魔道具で、助けられるなら……」
「それが、俺たちの目的だ」
リーナは、微笑んだ。
「……あんたらしいわね」
◆ セキュリティ強化
数日後――
グリーンヘイブンのセキュリティが、大幅に強化された。
工房に、頑丈な鍵。
魔道具で作った鍵。
簡単には開かない。
警備も、増えた。
夜間パトロール。
見張り台。
全てが、整備された。
魔石の保管場所も、分散された。
工房、倉庫、おっさんの家。
3箇所に分けて保管。
盗まれても、被害は最小限。
ゴードンが、満足そうに言った。
「これなら、安心だな」
おっさんは、頷いた。
「……ああ」
「でも、油断はするな」
「次は、もっと巧妙に来るかもしれない」
ゴードンは、真剣な顔で頷いた。
「分かってる」
◆ 希望の光
グリーンヘイブン。
街は、今日も平和だった。
市場は、賑わっている。
学校では、子供たちが学んでいる。
公園では、子供たちが遊んでいる。
セキュリティが強化されても、街の雰囲気は変わらない。
温かい。
優しい。
希望に満ちている。
おっさんは、街を見渡した。
(……守らないといけない)
(この街を)
(この平和を)
(みんなの笑顔を)
おっさんは、決意した。
夜。
星空。
美しい星空。
おっさんとセシリアが、窓から見ている。
赤ちゃん・希望が、眠っている。
セシリアが、おっさんに抱きつく。
「コウタロウさん、お疲れ様です」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……ああ」
セシリアは、おっさんを見上げた。
「これからも、頑張りましょうね」
おっさんは、セシリアにキスをした。
「……ああ」
「一緒に、頑張ろう」
セシリアは、幸せそうに微笑んだ。
グリーンヘイブン。
静かな夜。
でも、温かい。
新たな脅威は、去った。
でも、これからも、様々な問題が起こるだろう。
おっさんは、それを乗り越えていく。
みんなと一緒に。
希望を、守り続ける。
(次回:第35話「国際交流」に続く)




