第32話:調査隊の結成
◆ 青い魔石の研究
数日後――
ゴードンの工房。
ゴードンが、青い魔石を調べていた。
様々な実験道具。
魔道具の設計図。
真理も、隣で手伝っている。
ゴードンが、青い魔石を回路に組み込む。
魔道具が起動する。
水が出る。
「……やはり、水の魔道具は作れるな」
真理「緑の魔石と同じですね」
「ああ」
ゴードンは、次に火の魔道具を試す。
青い魔石を使って。
魔道具が起動する。
炎が出る。
「……火も出る」
「ということは……」
真理「属性は、やはり回路で決まるんですね」
「ああ」
ゴードンは、少し考えた。
「でも、何か違いがあるはずだ」
「色が違うってことは……」
ゴードンは、出力を測定する。
魔道具の威力を比べる。
緑の魔石で作った火の魔道具。
青い魔石で作った火の魔道具。
同時に起動。
炎が出る。
でも――
青い魔石の方が、炎が大きい。
ゴードン、目を見開く。
「……!」
「どうしたんですか?」
「出力が違う」
「青い魔石の方が、威力が高い」
真理、驚く。
「本当ですか!?」
「ああ」
ゴードンは、何度も実験を繰り返した。
結果は、同じ。
青い魔石は、緑の魔石より約1.5倍の出力。
ゴードンは、興奮している。
「……これは、すごい発見だ」
「色によって、出力が違う」
「青い魔石は、高品質なんだ」
◆ 報告
おっさんの部屋。
ゴードンが、報告に来た。
「康太郎、分かったぞ」
「何が?」
「青い魔石の性質だ」
ゴードンは、実験結果を説明した。
「青い魔石は、緑の魔石より出力が高い」
「約1.5倍だ」
「属性は、やはり回路で決まる」
「でも、威力は魔石の色で変わる」
おっさん、目を輝かせる。
「……つまり……」
「高品質な魔石ってことだ」
「そうか……」
おっさんは、少し考えた。
「ということは、他の色の魔石もあるかもしれない」
「もっと高出力の魔石が」
ゴードン「その可能性は高い」
「赤、黄色、紫……」
「様々な色があるかもしれない」
おっさんは、決意した。
「……調査隊を、すぐに結成する」
「各地を回って、魔石を探す」
◆ 調査隊編成会議
広場。
主要メンバーと、住民たちが集まっていた。
おっさんが、前に出る。
「みんな、聞いてくれ」
「青い魔石の調査結果が出た」
「緑の魔石より、出力が高い」
「約1.5倍だ」
住民たち、驚く。
「すごい……」
「そんなに違うのか……」
おっさんは、続けた。
「他の場所にも、魔石があるはずだ」
「様々な色の魔石が」
「だから、調査隊を結成する」
「各地のスラムを回り、魔石を探す」
「そして、魔道具を広める」
おっさんは、真剣な顔で言った。
「誰か、志願する者はいるか?」
数秒の沈黙。
そして――
一人の男性が、手を挙げた。
元スラムの住民。
30代くらい。
「俺が、行きます」
おっさん「名前は?」
「ダニエルです」
「ダニエル、ありがとう」
次々と、手が挙がる。
「俺も!」
「私も!」
「行きます!」
10人以上が、志願した。
おっさんは、微笑んだ。
「……ありがとう」
「みんな、ありがとう」
◆ チーム編成
おっさんは、調査隊を3つのチームに分けた。
**第1チーム**
- リーダー:ゴードン
- メンバー:真理、ダニエル、他3名
- 担当:北方のスラム
**第2チーム**
- リーダー:リーナ
- メンバー:元スラム住民5名
- 担当:東方のスラム
**第3チーム**
- リーダー:おっさん
- メンバー:元スラム住民5名
- 担当:南方のスラム
おっさんが説明する。
「各チームは、担当地域のスラムを調査する」
「下水道を調べて、魔石を探す」
「見つけたら、採掘する」
「そして、魔道具の作り方を教える」
「スラムの住民を、助ける」
みんな、頷く。
「はい!」
おっさんは、続けた。
「危険な場合は、無理をするな」
「命が、最優先だ」
「何かあったら、すぐにグリーンヘイブンに戻れ」
「分かった」
◆ セシリアとの別れ
出発の前日――
おっさんとセシリアが、部屋にいる。
赤ちゃん・希望が、眠っている。
セシリアが、心配そうに言った。
「コウタロウさん、気をつけてくださいね」
「ああ」
「すぐに帰ってくる」
セシリアは、おっさんに抱きつく。
「……寂しくなります……」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……俺も、寂しい」
「でも、やらないといけない」
「みんなのために」
セシリアは、涙を流した。
「……分かってます……」
「でも……」
おっさんは、セシリアの頭を撫でた。
「希望を、頼む」
「はい」
セシリアは、顔を上げた。
「必ず、帰ってきてくださいね」
おっさんは、セシリアにキスをした。
「……約束する」
◆ リリアとエリアスの結婚式
出発の前日――
午後。
広場で、結婚式が行われた。
リリアとエリアスの結婚式。
住民たちが、集まっている。
みんな、笑顔。
リリアは、白いドレス。
花の冠。
美しい。
エリアスは、立派な服。
緊張している。
おっさんが、司式を務める。
「リリアとエリアス」
「二人は、ここに集まったみんなの前で」
「夫婦になることを誓います」
リリアとエリアス、頷く。
おっさんは、続けた。
「エリアス、リリアを妻として」
「一生、大切にすることを誓いますか?」
エリアス「誓います」
「リリア、エリアスを夫として」
「一生、支えることを誓いますか?」
リリア「誓います」
おっさんは、微笑んだ。
「では、誓いのキスを」
エリアスとリリアが、キスをする。
住民たちが、拍手する。
「おめでとうございます!!」
「リリアさん! エリアスさん!!」
拍手が鳴り止まない。
リリアは、幸せそうに微笑んでいる。
エリアスも、笑顔。
セシリアが、リリアに駆け寄る。
「リリアさん、おめでとうございます!」
「ありがとうございます、セシリアさん」
リリアは、セシリアを抱きしめた。
「セシリアさんも、幸せそうですね」
セシリアは、顔を赤くした。
「はい……」
「コウタロウさんと、希望がいて」
「とても幸せです」
ゴードンと真理も、祝福する。
「おめでとう」
「ありがとうございます」
真理が、リリアに微笑む。
「お幸せに」
リリアは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
◆ 出発
翌朝――
調査隊が、出発した。
3つのチーム。
それぞれ、違う方向へ。
住民たちが、見送る。
「気をつけて!」
「頑張ってください!」
「必ず、帰ってきてください!」
おっさんが、手を振る。
「任せろ!」
ゴードンのチームが、北へ。
真理も、一緒。
馬車で出発。
真理が、ゴードンに言った。
「頑張りましょうね」
ゴードンは、頷いた。
「ああ」
リーナのチームが、東へ。
元気に出発。
リーナが、振り返って手を振る。
「行ってくるわ!」
おっさんのチームが、南へ。
おっさんは、セシリアを見た。
セシリアが、赤ちゃんを抱いて手を振っている。
おっさんも、手を振った。
(……必ず、帰る)
◆ 南方のスラム
数日後――
おっさんのチームが、南方のスラムに到着した。
馬車から降りる。
スラムは、ひどい状態だった。
汚い。
臭い。
人々は、痩せている。
子供たちも、元気がない。
おっさんは、胸が痛んだ。
(……グリーンヘイブンも、最初はこうだった)
(でも、今は違う)
(ここも、変えられる)
おっさんが、住民に声をかける。
「俺たちは、グリーンヘイブンから来た」
「魔道具を持ってきた」
「お前たちを、助けに来た」
住民たち、驚く。
「魔道具……?」
「助けに……?」
おっさんは、水の魔道具を見せた。
起動する。
綺麗な水が出る。
住民たち、目を見開く。
「……!」
「水……」
「綺麗な水……」
おっさんは、微笑んだ。
「これを、お前たちに渡す」
「使い方も、教える」
住民たちは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
「本当に、ありがとうございます……」
◆ 下水道の調査
おっさんは、チームメンバーと下水道に入った。
暗い。
臭い。
汚い。
でも、おっさんは慣れている。
「壁を調べろ」
「魔石があるかもしれない」
メンバーたちが、壁を調べる。
魔道具で照らしながら。
奥へ、奥へ。
そして――
一人が、叫んだ。
「リーダー! 見つけました!」
おっさんが、駆けつける。
壁に、光る石。
魔石。
でも、色が違う。
赤い。
おっさん、目を見開く。
「……赤い魔石……!」
メンバーたちも、驚いている。
「赤……」
「また、新しい色だ……」
おっさんは、赤い魔石を取り出した。
手に持つ。
温かい。
少し熱い。
「……これは……」
おっさんは、興奮している。
「持ち帰って、調べよう」
「ゴードンなら、分かるはずだ」
◆ 大量採掘
おっさんたちは、赤い魔石を大量に採掘した。
袋に詰める。
たくさんの魔石。
「……これだけあれば、十分だな」
メンバーたちも、嬉しそう。
「リーダー、すごいです」
「また、新しい魔石を見つけました」
おっさんは、微笑んだ。
「みんなのおかげだ」
「よくやった」
◆ 魔道具の伝授
おっさんたちは、スラムの住民に魔道具の作り方を教えた。
設計図を渡す。
魔石も渡す。
工具も渡す。
「これで、お前たちも作れる」
「自分たちで、魔道具を作れ」
「そして、みんなを救え」
住民たちは、深く頭を下げた。
「……ありがとうございます……」
「あなたは、神様です……」
おっさんは、首を振った。
「いや、俺はただのおっさんだ」
「でも、お前たちなら、できる」
「自分たちで、街を作れ」
住民たちは、涙を流した。
「……はい……!」
「頑張ります……!」
◆ 他のチームの報告
数週間後――
3つのチームが、グリーンヘイブンに戻った。
広場で、報告会。
まず、ゴードンのチーム。
「北方のスラムで、黄色い魔石を見つけました」
黄色い魔石を見せる。
住民たち、驚く。
「黄色……」
ゴードン「こちらも、採掘してきました」
「後で、調査します」
おっさんは、頷いた。
「よくやった」
次に、リーナのチーム。
「東方のスラムで、魔道具を広めてきました」
「魔石は……残念ながら、見つかりませんでした」
おっさん「そうか」
「でも、魔道具は広められたんだな」
リーナ「ええ」
「住民たちも、喜んでいたわ」
おっさんは、微笑んだ。
「ありがとう」
最後に、おっさんのチーム。
「南方のスラムで、赤い魔石を見つけました」
赤い魔石を見せる。
住民たち、驚愕。
「赤……!」
「また、新しい色……」
おっさん「これも、後で調査する」
「色と出力の関係を調べる」
◆ 研究の開始
数日後――
ゴードンの工房。
ゴードンが、赤い魔石と黄色い魔石を調べていた。
おっさんも、一緒。
真理も、手伝っている。
ゴードンが、赤い魔石を回路に組み込む。
火の魔道具を作る。
起動。
炎が出る。
でも――
炎が、すごく大きい。
ゴードン、驚く。
「……!」
「すごい出力だ……」
おっさんも、驚いている。
「青い魔石より、さらに強力か……」
ゴードンは、測定する。
結果――
赤い魔石は、緑の魔石の約1.8倍の出力。
ゴードン「……これは、すごい」
「赤い魔石は、かなりの高品質だ」
次に、黄色い魔石。
同じように実験。
結果――
黄色い魔石は、緑の魔石の約1.3倍の出力。
青い魔石より、少し弱い。
ゴードンは、まとめた。
「緑:1倍(普通品質)」
「黄色:1.3倍(やや高品質)」
「青:1.5倍(高品質)」
「赤:1.8倍(かなりの高品質)」
おっさんは、目を輝かせた。
「……つまり、色によって品質が違う」
「赤が一番高品質か……」
でも――
おっさんは、ふと思い出した。
「……待てよ」
ゴードン「どうした?」
「最初に、俺が見つけた魔石……」
「グリーンヘイブンの下水道で見つけたやつだな」
「ああ」
おっさんは、考えた。
「あれは、色が……」
「キラキラしていた」
「もしかして、あれは……」
ゴードンも、はっとした。
「……もっと高品質だったのかもしれない」
「今回見つけたのは、どれも下水道の比較的浅い場所だった」
おっさんは、頷いた。
「……そうだな」
「最初の魔石は、下水道の最深部で見つけた」
「もしかして……」
ゴードン「下水道の深さで、品質が変わるのかもしれない」
「奥深くほど、高品質な魔石が眠っている」
おっさんは、興奮した。
「……じゃあ、もっと深く潜れば……」
「さらに高品質な魔石が見つかるかもしれない」
ゴードンは、頷いた。
「ああ」
「次の調査では、下水道の最深部まで探る必要があるな」
◆ 夜の報告
夜。
おっさんとセシリアが、部屋にいる。
赤ちゃん・希望が、眠っている。
おっさんが、セシリアに報告する。
「赤い魔石と黄色い魔石を見つけた」
「色によって、出力が違うことが分かった」
セシリアは、嬉しそうに微笑む。
「すごいですね」
「コウタロウさん、よく頑張りました」
おっさんは、照れくさそうに笑った。
「……みんなのおかげだ」
セシリアは、おっさんに抱きつく。
「でも、無事に帰ってきてくれて」
「嬉しいです」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……ただいま」
セシリアは、顔をすりすりする。
「おかえりなさい」
おっさんは、赤ちゃんを見た。
希望が、静かに眠っている。
おっさんは、赤ちゃんの頭を撫でた。
「……父ちゃん、頑張るからな」
「お前のためにも」
「みんなのためにも」
セシリアは、幸せそうに微笑んだ。
星空。
美しい星空。
グリーンヘイブンは、今日も平和だった。
調査隊が、活躍している。
魔石の研究が、進んでいる。
魔道具が、各地に広まっている。
希望が、どんどん広がっていく。
(次回:第33話「新たな挑戦」に続く)




