第24話:新しい出会い
◆ 新しい訪問者
新しい街。
ある日――
ボロボロの馬車が到着した。
痩せた人々が降りてくる。
10人くらい。
おっさんが、出迎える。
「……どちら様だ?」
一人の男性が、前に出た。
30代くらい。
疲れた顔。
「私たちは……別のスラムから来ました……」
「スラムから?」
「はい……」
「助けを求めて……」
男性は、馬車を指差した。
「この人を……助けてください……」
おっさんが、馬車を見る。
中には――
若い男性が横たわっていた。
20代前半。
茶色の髪。
顔色が最悪。
意識が朦朧としている。
「……はぁ……はぁ……」
おっさん、驚く。
「……これは」
「お願いします……!」
「この人を、助けてください……!」
◆ 診療所へ
おっさんは、すぐに若い男性を診療所に運んだ。
セシリアとリリアが、駆けつける。
「どうしたんですか!?」
「分からない」
「急いで診てくれ」
セシリアとリリアが、診察する。
顔色を見る。
脈を測る。
魔力を感じる。
リリアの顔が、青ざめた。
「……これは……」
「どうした?」
「魔力中毒です……」
セシリア、驚く。
「魔力中毒……!?」
「はい」
「かなり進行しています……」
リリアは、真剣な顔で言った。
「でも、まだ回復できます」
「勇者ほど、酷くはありません」
おっさんは、頷いた。
「分かった」
「治療してくれ」
「はい!」
セシリアとリリアが、治療を始めた。
治療の魔道具を使う。
光が走る。
若い男性の体が、少しずつ回復していく。
でも――
「……効きが悪いですね……」
セシリアが呟く。
「かなり進行していますから……」
リリアが言った。
「時間をかけて、治療します」
◆ 事情を聞く
おっさんは、スラムの住民たちから事情を聞いた。
「この人は、誰なんだ?」
男性が答えた。
「エリアスさんです……」
「私たちの、命の恩人です……」
「命の恩人?」
「はい……」
男性は、涙を流した。
「エリアスさんは……元王都の聖者でした……」
おっさん、驚く。
「聖者……!?」
「はい」
「でも、王都から……追放されました……」
「追放……?」
男性は、頷いた。
「勇者様の治療を……」
「拒否されたそうです……」
「『女じゃないから出ていけ』と……」
おっさんは、顔をしかめた。
「……あの屑が……」
男性は、続けた。
「エリアスさんは、私たちのスラムに流れ着きました」
「そして……」
「病気や怪我の人を、治療してくれました……」
「自分の体を顧みず……」
「ずっと……ずっと……」
男性は、泣き崩れた。
「……私たちを、助けてくれました……」
「でも、エリアスさんは……」
「倒れてしまいました……」
他の住民たちも、涙を流している。
「エリアスさんを、助けてください……!」
「お願いします……!」
おっさんは、住民たちを見た。
「……分かった」
「必ず、助ける」
◆ リリアの看病
リリアは、エリアスの看病を始めた。
毎日、診療所に通う。
治療の魔道具を使う。
額に濡れタオルを置く。
水を飲ませる。
食事を食べさせる。
献身的に看病する。
「……頑張ってください……」
「あなたは、多くの人を助けました……」
「今度は、私があなたを助けます……」
リリアは、真剣な顔で看病を続けた。
セシリアが、リリアを見て微笑む。
「リリアさん、頑張ってますね」
リリア、顔を赤くする。
「だ、だって……」
「この人、多くの人を助けたんです……」
「放っておけません……」
セシリアは、優しく言った。
「あらあら」
「リリアさん、優しいですね」
リリア、さらに顔を赤くする。
「そ、そういうわけじゃ……」
セシリアは、微笑んだ。
「ふふ」
◆ エリアスの回復
数日後――
エリアスが、目を覚ました。
「……ここは……?」
リリアが、駆けつける。
「目が覚めましたか!」
エリアスは、リリアを見た。
「……あなたは……?」
「私は、リリアです」
「治療をしていました」
エリアスは、少し考えた。
「……治療……?」
「はい」
「あなたは、魔力中毒でした」
エリアス、はっとする。
「……そうか……」
「倒れたのか……」
「はい」
リリアは、真剣な顔で言った。
「でも、大丈夫です」
「治療は順調です」
「もう少しで、完全に回復します」
エリアスは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
「私なんかを……助けてくれて……」
リリアは、首を振った。
「あなたなんか、じゃありません」
「あなたは、多くの人を助けました」
「スラムの人たちから、聞きました」
「あなたは、素晴らしい人です」
エリアスは、顔を赤くした。
「……いえ……」
「私は……ただ……」
リリアは、微笑んだ。
「とにかく、ゆっくり休んでください」
「はい……ありがとうございます……」
◆ 回復していくエリアス
数週間後――
エリアスは、順調に回復していた。
もう、歩けるようになった。
診療所の中を、歩いている。
リリアが、サポートする。
「大丈夫ですか?」
「はい……ありがとうございます……」
エリアスは、リリアを見た。
「リリアさんは……」
「元聖女なんですよね?」
「はい」
「すごいですね……」
「治療が、とても上手です……」
リリア、照れる。
「そ、そんなことないです……」
「でも、私は本当にそう思います」
エリアスは、真剣な顔で言った。
「リリアさんの治療のおかげで」
「私は、回復しました」
「本当に、ありがとうございます」
リリアは、顔を赤くした。
「……どういたしまして……」
◆ エリアスの決意
エリアスは、完全に回復した。
診療所で、おっさん、セシリア、リリアと話している。
「エリアス、体調はどうだ?」
おっさんが聞く。
「はい。完全に回復しました」
「康太郎さん、セシリアさん、リリアさん」
「本当に、ありがとうございました」
エリアスは、深く頭を下げた。
おっさんは、笑った。
「気にするな」
セシリアも微笑む。
「良かったですね」
エリアスは、真剣な顔で言った。
「お願いがあります」
「何だ?」
「この街で……働かせていただけないでしょうか……」
おっさん、驚く。
「……この街で?」
「はい」
エリアスは、続けた。
「私は、元聖者です」
「治療ができます」
「この街の人々を、助けたいです」
「それに……」
エリアスは、リリアを見た。
「リリアさんから、もっと学びたいです」
「治療の技術を」
リリア、驚く。
「……え?」
「リリアさんは、素晴らしい聖女です」
「私なんかより、ずっと上手です」
「だから、教えてほしいんです」
リリアは、顔を真っ赤にした。
「そ、そんな……」
「私、そんなに上手じゃ……」
セシリアが、微笑む。
「あらあら」
「リリアさん、頼られてますね」
リリア、さらに顔を赤くする。
「セ、セシリアさん……」
おっさんは、笑った。
「いいだろう」
「この街で、働け」
「診療所は、人手が欲しかったところだ」
エリアスは、嬉しそうに頭を下げた。
「ありがとうございます!」
「頑張ります!」
◆ リリアとエリアスの共同作業
その日から――
リリアとエリアスは、一緒に働き始めた。
診療所で、患者を治療する。
リリアが、治療の魔道具を使う。
エリアスが、サポートする。
「ここを、こう押すんです」
「はい……分かりました……」
二人は、息がぴったり。
患者たちも、喜んでいる。
「二人とも、上手ですね……」
「本当に、助かります……」
休憩時間――
リリアとエリアスが、お茶を飲んでいる。
「エリアスさん、頑張ってますね」
「リリアさんのおかげです」
「教えてくれて、ありがとうございます」
リリア、照れる。
「いえ……」
エリアスは、リリアを見た。
「リリアさんは……」
「本当に、優しいですね……」
リリア、顔を赤くする。
「そ、そんなことないです……」
「でも、私は本当にそう思います」
「患者さんに、とても優しいです」
「献身的に、治療されています」
エリアスは、微笑んだ。
「私も、リリアさんみたいになりたいです」
リリアは、心臓がドキドキしていた。
(……この人……)
(優しい……)
(それに、真面目で……)
(……私……)
◆ セシリアの観察
セシリアは、リリアとエリアスの様子を見ていた。
おっさんの隣で、微笑んでいる。
「コウタロウさん」
「ん?」
「リリアさん、良い感じですね」
おっさんは、リリアとエリアスを見た。
二人は、楽しそうに話している。
「……ああ」
「良かった」
セシリアは、嬉しそうに言った。
「リリアさんにも、幸せになってほしいです」
「エリアスさんも、良い人そうです」
おっさんは、頷いた。
「ああ」
「真面目で、優しそうだ」
「リリアに、ぴったりだな」
セシリアは、おっさんに抱きつく。
「あらあら」
「コウタロウさん、キューピッドですね」
おっさん、苦笑い。
「……俺は何もしてないぞ」
「でも、この街があったから」
「二人は出会えたんです」
セシリアは、顔をすりすりする。
「コウタロウさんのおかげです」
おっさんは、セシリアの頭に手を置いた。
「……まあ、な」
◆ 夜の会話
夜。
リリアは、自分の部屋で考えていた。
(……エリアスさん……)
(優しくて、真面目で……)
(患者さんにも、献身的で……)
リリアは、顔を赤くした。
(……私、エリアスさんのこと……)
(気になってる……?)
リリアは、枕に顔を埋めた。
(……どうしよう……)
(こんな気持ち、初めて……)
一方――
エリアスも、自分の部屋で考えていた。
(……リリアさん……)
(優しくて、美しくて……)
(治療も上手で……)
エリアスは、顔を赤くした。
(……でも、俺なんかが……)
(リリアさんみたいな素晴らしい人に……)
(……釣り合わない……)
エリアスは、ため息をついた。
(……でも、一緒に働けるだけで……)
(幸せだ……)
◆ スラムの住民たちの定住
エリアスを連れてきたスラムの住民たちも、新しい街に定住することになった。
「本当に、いいんですか……?」
おっさんが言った。
「ああ」
「この街は、困っている人のための街だ」
「お前たちも、仲間だ」
住民たちは、涙を流した。
「ありがとうございます……!」
「私たちも、働きます……!」
「街のために、頑張ります……!」
おっさんは、笑った。
「よろしくな」
街は、さらに人口が増えた。
さらに賑やかになった。
診療所も、忙しくなった。
でも――
リリアとエリアスが、協力して働いている。
二人の息が、ぴったり。
患者たちも、喜んでいる。
セシリアは、二人を見て微笑んだ。
「あらあら」
「いい感じですね」
おっさんも、温かく見守っている。
「……ああ」
「リリアも、幸せになるといいな」
街は、どんどん発展していく。
希望が、広がっていく。
そして――
新しい恋も、芽生え始めていた。
(次回:第25話「それぞれの幸せ」に続く)




