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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第14話:聖女の救出

 ◆ 王との話し合い


 王の執務室。


 おっさん、セシリア、王、側近が話し合っている。


「治療、ありがとうございました」


 王が頭を下げる。


「……」


 セシリアは、複雑な顔。


 おっさんが言った。


「約束は守ってくれるんだろうな」


「ああ。この街を正式に認める」


「税金も免除する」


「それに……」


 王は、少し考えた。


「聖女も、保護する」


「本当に、保護してくれるのか?」


 おっさんが確認する。


「ああ。勇者から、守る」


「もう二度と、聖女を一人で勇者の元に行かせない」


 セシリアが言った。


「……聖女様に、会いたいです」


 王は、頷いた。


「分かった。呼んでこよう」


 側近が、部屋を出る。



 ◆ 勇者の復活


 その頃――


 医務室。


 勇者ケンジが、ベッドから起き上がっていた。


 体が、完全に回復している。


「……おお、すげえ」


「本当に、治ってる」


 ケンジは、体を動かした。


 力が戻っている。


「やっぱり、俺は最強だな」


 ケンジは、部屋を出た。


 廊下を歩く。


(……女が欲しいな)


(治ったし、ちょっと楽しみたい)


 ケンジは、城内を歩き回った。


 侍女を探している。


 でも――


 侍女たちは、ケンジを避けている。


「チッ、逃げやがって」


 ケンジは、苛立った。


(……どこかにいないのか)


(可愛い女……)



 ◆ 聖女の部屋へ


 ケンジは、廊下を歩いていた。


 その時――


 扉の隙間から、声が聞こえた。


 女性の声。


「……はい、分かりました」


「王様のお呼びですね」


「すぐに参ります」


 ケンジは、扉に近づいた。


 そっと覗く。


 そこには――


 聖女がいた。


 17歳。


 清楚な服装。


 幼い顔立ち。


 ケンジは、にやりと笑った。


(……いたいた)


(聖女じゃねえか)


 聖女が、部屋を出ようとする。


 ケンジは、隠れた。


 聖女が、廊下に出る。


 王の執務室へ向かおうとする。


 その瞬間――


 ケンジが、聖女の後ろから近づいた。


「よお」


 聖女、驚いて振り返る。


「ゆ、勇者様……!?」


「久しぶりだな」


 聖女、後ずさる。


「な、なぜ、ここに……」


「治ったんだよ。お前のおかげでな」


「わ、私じゃありません……」


「あ、そうだったな」


 ケンジは、にやりと笑った。


「でも、お礼はしないとな」


 聖女、さらに後ずさる。


「い、いえ、結構です……」


「そう言うなよ」


 ケンジが、聖女に近づく。


 聖女、走ろうとする。


 でも――


 ケンジが、聖女の腕を掴んだ。


「きゃっ!」


「逃げるなよ」


「離してください!!」


 聖女が叫ぶ。


 ケンジは、聖女を近くの部屋に引きずり込んだ。



 ◆ 襲撃


 空き部屋。


 ケンジが、聖女を押し倒した。


「いやああ!!」


 聖女が悲鳴を上げる。


「うるせえ!」


 ケンジが、聖女の口を塞ごうとする。


 聖女、必死に抵抗する。


「いや! やめて!!」


 ケンジが、聖女の服を掴む。


 ビリッ!


 服が破れる。


「いやああああ!!」


 聖女、泣き叫ぶ。


「静かにしろ!」


 ケンジが、聖女を押さえつける。


 聖女、必死に暴れる。


「助けて! 誰か!!」


「誰も来ねえよ」


 ケンジは、にやりと笑った。


「お前、可愛いな」


「やめて! お願い!!」


 聖女、涙を流している。


 ケンジが、聖女の服をさらに引き裂こうとする。


 その瞬間――



 ドアが、勢いよく開いた。


 バンッ!!



 ◆ 救出


 おっさんが、部屋に飛び込んできた。


「何してる!!」


 ケンジ、驚く。


「あ、あのおっさん!?」


 おっさんは、ケンジを殴り飛ばした。


 ドガッ!!


 ケンジが、吹っ飛ぶ。


 壁に激突。


「がはっ!!」


 おっさんは、聖女に駆け寄った。


「大丈夫か!?」


 聖女、泣いている。


 服が破れている。


 怯えている。


 セシリアも、部屋に入ってくる。


「聖女様!!」


 セシリアが、自分の上着を脱いで、聖女にかける。


「大丈夫ですか!?」


 聖女、セシリアに抱きつく。


「こわかった……こわかった……!」


 泣きじゃくっている。


 セシリアが、聖女を抱きしめる。


「もう大丈夫です……」


「大丈夫ですよ……」



 おっさんは、ケンジを見た。


 ケンジが、起き上がろうとする。


「くそ……あのおっさん……!」


 おっさんは、ケンジに近づいた。


「お前……」


 おっさんの目が、本気で怒っている。


「17歳の少女に、何してる」


「う、うるせえ! 俺は勇者だぞ!」


「勇者だろうと関係ない」


 おっさんは、ケンジの襟首を掴んだ。


「人として、最低だ」


 そして――


 おっさんは、ケンジを再び殴った。


 ドガッ!


 ケンジが倒れる。


「がはっ……」


 おっさんは、ケンジを睨んだ。


「二度と、聖女に近づくな」


「……くそ……」


 ケンジは、起き上がれない。



 ◆ 衛兵到着


 衛兵たちが、部屋に飛び込んできた。


「何事ですか!?」


 おっさんが言った。


「勇者が、聖女を襲った」


 衛兵たち、驚愕。


「ゆ、勇者様が……!?」


「見ろ。聖女の服が破れている」


 衛兵たちは、聖女を見た。


 服が破れている。


 泣いている。


 怯えている。


 衛兵たちは、ケンジを見た。


「……勇者様」


「な、何だよ……」


 ケンジが、起き上がろうとする。


 衛兵たちは、顔を見合わせた。


 そして――


「勇者様を、拘束します」


「は!? ふざけんな!!」


 ケンジが叫ぶ。


「俺は勇者だぞ!!」


「それでも、聖女様を襲うことは許されません」


 衛兵たちが、ケンジを押さえつける。


「離せ! 離せええ!!」


 ケンジが暴れる。


 でも、衛兵たちが無理やり拘束する。


「地下牢に連れて行け」


「はい」


 ケンジは、引きずられていく。


「くそ! くそ!! 離せ!!」


「あのおっさん! 絶対に許さねえ!!」


「覚えてろ!!」


 ケンジの叫び声が、遠ざかっていく。



 ◆ 王の謝罪


 王が、部屋に駆けつけた。


「聖女!!」


 聖女は、セシリアに抱きしめられたまま、泣いている。


 王は、聖女を見て、顔を青ざめた。


「……すまない」


「すまない……」


 王は、深く頭を下げた。


「守ると約束したのに……」


「守れなかった……」


 おっさんが言った。


「勇者を、野放しにするな」


「分かっている……」


 王は、拳を握りしめた。


「もう、二度と……」


「二度と、こんなことは起こさせない……」


 王は、衛兵に命じた。


「勇者を、厳重に監禁しろ」


「魔物退治の時以外、絶対に出すな」


「はい」


「それに……」


 王は、聖女を見た。


「聖女には、必ず護衛をつけろ」


「勇者が近づけないように」


「承知いたしました」



 ◆ 聖女のケア


 セシリアが、聖女を別室に連れて行った。


 ベッドに座らせる。


「……大丈夫ですか?」


 聖女は、まだ震えている。


「……こわかった……」


「もう、大丈夫です」


 セシリアが、聖女の手を握る。


「私が、ついています」


 聖女は、セシリアを見た。


「あなたは……?」


「セシリアです。元聖女です」


「元聖女……?」


「はい。私も、昔、聖女でした」


 聖女は、少し驚いた。


「そうなんですか……」


 セシリアは、優しく微笑んだ。


「あなたは、一人じゃありません」


「私が、守ります」


 聖女は、涙を流した。


「……ありがとうございます……」



 ◆ おっさんと王の会話


 廊下で、おっさんと王が話していた。


「……すまなかった」


 王が言った。


「約束したのに、守れなかった」


 おっさんは、ため息をついた。


「今度こそ、守れよ」


「ああ」


 王は、真剣な顔で言った。


「勇者を、厳重に監禁する」


「聖女には、護衛をつける」


「もう二度と、こんなことは起こさせない」


 おっさんは、頷いた。


「……頼むぞ」


 王は、少し考えた。


「あなたに、頼みがある」


「何だ?」


「聖女を……あなたの街に、連れて行ってくれないか」


 おっさんは、驚いた。


「……は?」


「ここにいる限り、聖女は危険だ」


「勇者が、また何をするか分からない」


「だから……」


 王は、深く頭を下げた。


「聖女を、守ってほしい」


「あなたの街で、保護してほしい」


 おっさんは、しばらく考えた。


 そして――


「……セシリアに聞いてみる」


「ありがとう」



 ◆ セシリアの決断


 別室。


 おっさんが、セシリアと聖女に話した。


「王が、聖女をうちの街に連れて行ってほしいと」


 聖女は、驚いた。


「わ、私を……?」


「ああ。ここにいると、危険だからだ」


 セシリアが、聖女の手を握った。


「一緒に来ませんか?」


「私たちの街は、安全です」


「勇者もいません」


 聖女は、少し考えた。


「……でも、私は聖女です」


「王都を離れるわけには……」


 セシリアは、優しく言った。


「あなたの命の方が、大事です」


「……」


「それに、私たちの街にも、人がいます」


「あなたの力を、必要としている人が」


 聖女は、涙を流した。


「……本当に、いいんですか?」


「はい」


 セシリアは、微笑んだ。


「私と、一緒に行きましょう」


 聖女は、頷いた。


「……ありがとうございます……」


「お願いします……」



 ◆ 出発の準備


 翌日――


 おっさん、セシリア、聖女は、王都を出発する準備をしていた。


 聖女は、荷物をまとめている。


「本当に、いいんですか……?」


「ああ。お前を守る」


 おっさんが言った。


「もう二度と、あんな目には遭わせない」


 聖女は、涙を流した。


「……ありがとうございます……」


 セシリアが、聖女の肩を抱く。


「大丈夫です」


「私たちの街は、温かいです」


「みんな、優しいです」


 聖女は、微笑んだ。


「……楽しみです」



 ◆ 王都を出発


 自走式カート。


 おっさん、セシリア、聖女が乗っている。


 王が、見送りに来た。


「聖女よ、すまなかった」


「いえ……」


 聖女は、頭を下げた。


「お世話になりました」


 王は、深く頭を下げた。


「あなたの安全を、祈っている」


 おっさんが言った。


「約束は守れよ」


「ああ。この街を正式に認める」


「税金も免除する」


 王は、真剣な顔で言った。


「あなたには、感謝している」


「聖女を、よろしく頼む」


 おっさんは、頷いた。


「任せろ」



 自走式カートが、動き出す。


 おっさん、セシリア、聖女は、王都を後にした。


 聖女は、振り返った。


 王都の城が、遠ざかっていく。


「……さようなら……」


 セシリアが、聖女の手を握った。


「大丈夫です」


「新しい生活が、始まります」


 聖女は、微笑んだ。


「……はい」



 ◆ 道中


 道を進む。


 聖女が、セシリアに聞いた。


「セシリアさん、名前を教えてください」


「私の名前ですか?」


「いえ、私の名前も、教えていませんでした」


 聖女は、微笑んだ。


「私は、リリアと言います」


 セシリアは、嬉しそうに言った。


「リリアさんですね」


「私は、セシリアです」


「よろしくお願いします、セシリアさん」


「こちらこそ」


 二人は、微笑み合った。


 おっさんは、前を向いて言った。


「俺は、康太郎だ」


「コウタロウさん、ですね」


 リリアは、頭を下げた。


「助けていただいて、ありがとうございました」


「気にするな」


 おっさんは、笑った。


「これから、よろしくな」


「はい!」



 自走式カートは、新しい街へ向かった。


 おっさん、セシリア、リリア。


 3人の新しい生活が、始まろうとしていた。



(次回:第15話「新しい仲間」に続く)

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