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なんか短いやつ、まとめてます。  作者: うちの生活。


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うちの家庭を紹介します。

「ただいまぁ」


 仕事から帰宅して、声をかけてみても応答がない。家には誰もいないようだ。


 近藤勝也、48才。中小企業で働いている。妻と2人の子供がいる4人家族だ。

 

 妻は近藤明美、48才。近くのスーパーで働いている。

明美とは大学の頃に知り合って、26才の時に結婚した。新婚旅行は海外には行かず、国内で長めの日程にした。その時に見た北海道の知床半島の自然が忘れられない。とても印象に残っている。機会があればぜひまた行きたいものだ。


 ⋯おっと、少し思い出に浸りそうになってしまった。


 他の家庭もそうかもしれないが、我が家の家計は妻が完全に握っている。給料が入ったり、何かを支払ったりする口座やカード類は基本的には妻の許可がないと使えない。俺の名義なのに、だ。だから基本的には毎月渡される現金3万円でなんとかやりくりしている。世間ではいろいろ値上げされてもこの金額のままで変わらない。飲みに行ったりしようものならすぐになくなってしまう。


 そんな力関係を高校生の子供たちもわかっているんだろう。小さい頃は二人とも、お父さんお父さんって懐いてくれてたけど、今は必要最低限の会話しかない。あんなに可愛かった笑顔を向けてくれることはもうないだろう。


 子供たちが小さい頃にはこんな事になるなんて思ってもいなかった。もっと幸せな結婚生活を想像していた。⋯まぁ、なにをもって幸せだと感じるかは人それぞれだから、人によってはこんな現状でも充分幸せだと思われるかもしれない。今の自分にはそう思えないけれど⋯。


 今日は誰もいないから応答がなかったけど、誰かがいたとしても応答はなかっただろう。普段からほぼ無視といった状況だ。そんな状態でなんとか認識されている事の確認方法としては、妻は食事の支度をしてくれる。子供たちはすれ違った時に舌打ちをしてくる。会話はないけど、それらがあるからなんとか生きている。


 ⋯機会があれば、また一緒に知床半島に行きたいって思っていたけど多分もう無理な願いだろう。旅行どころか、一緒に出かけることすら出来ていないんだから。


 ⋯⋯夫、父親としてではなく、ATMとしてしか見られていないんだろうな。子供たちが就職するようなタイミングで離婚届を出されるかもしれないな。⋯⋯それはそれで、今の生活が終わると考えれば悪くないのかもしれない。



 借金なんてない。

 浮気をしたこともない。

 30代の頃に一軒家を建てた。

 普段の家事も可能な限りやっている。

 子供達の学校行事には可能な限り参加した。

 休日は可能な限り家族で過ごした。


 ⋯⋯こうならないように日々頑張ってきたつもりだ。


 それなのに、なんで今こんな事になっているんだろうか。何が悪かったんだろうか?



 ⋯これから家族が帰ってきても、いつもと変わらず相手にされない時間が始まる。


 ⋯⋯⋯


 ⋯⋯⋯


 ⋯⋯⋯


 ⋯⋯⋯


 まぁいろいろ書いてしまったけど、わかっている重要なことは⋯⋯⋯⋯。


 ⋯⋯⋯


 そんな家族は存在しない。


 ⋯⋯⋯


 近藤勝也、50才、アルバイトによる妄想だ。


 もちろん結婚なんてしてないし、子供もいるわけがない。一軒家?実家だから親が建てた家だけど?


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