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胡桃割革命  作者: 庵地 紋
志の始まり、
9/23

銃の違和感

「おかしい…」

 ブロミンが悠帆の拳銃を不審がった見ていた。

「どこかおかしいんだ…?」

「わたし、ほとんどの中を見て来たけど…こんな銃見たことない…」

「ほえ~そんなことわかるんだ〜」

「まず、銃には製造会社のマークとか…銃の名前とか品番とか…そういうものが刻印されてるはずなんだけど…そういったものが一切ない…銃は多くの会社が作っているようなスタンダードな形だけれども…」

「そんな事がわかるんだな…」

「悠帆、マガジンには弾は入ってるか?」

「5発くらいしか撃ってないから…まだ入ってるはずだよ…」

「どれどれ…」

 ブロミンは銃のマガジンを取り出し、マガジンから一発玉を取り出した。

「…軽い…」

「…え?」

「これは45口径だ。だけど、他の45口径に比べて軽い…すごい怪しい…しょうがない…見てみるか…」

「見てみる?」

 悠帆が不思議に思うと、その時、ブロミンの目が燃えた。能力を発動し、悠帆は驚いた。

 すると、ブロミンは舌を出した。舌の上に、第三の目が現れていた。その目は普通の目とは違って、瞳孔が縦に細長く、猫のようだった。

     『 《超電子顕微鏡》

      〔ミクロウォッチ〕 』 

 舌の瞳孔が急に二重丸のようになって、大きくなったり小さくなったりした。まるで、カメラのレンズのようだった。その目でブロミンは弾丸を見た。

「へ?…」

 弾丸を見て、ブロミンは驚いた。

「どうしたの…?」

「ほほたま、はまりのほうひんしゃなふて、へふてへきへる、ひはほ…ふふうのへふしゃなひ、はんは…わはんはいへほへん」

「うん…舌をしまってから喋りなさいよ…」

「この弾、鉛の合金じゃないくて、鉄でできてる…しかも、普通の鉄じゃない。なんか…わかんないけど変…」

 ブロミンがこっちを見た、両目には『鮮明』と浮かび上がっていた。

「ブロミン…その目…」

 悠帆が、驚きながらブロミンに訊いた。

「あぁ、これ?私は『鮮明者(せんめいしゃ)』。この、舌の目で物を拡大してみることができるんだよ。この拡大は虫眼鏡レベルから電子顕微鏡、はたまた、宇宙望遠鏡レベルまでいける。さっきは最大まで拡大して、原子レベルが見えるくらいまで拡大して弾を見たんだよ。そしたら、弾丸ってものは、普通は鉛の合金、鉛と銅の合金とかが使われるんだけど…」

「だけど…?」

「これはこの金属は鉄100%、不従物の何も入っていない。しかも1ミリも酸化していない…こんなの完全に普通の鉄じゃない…悠帆、これ手に入れたのはいつだ?」

「ええっと…ちょうど10日前だな…船に乗る前にスズ姉がくれた…」

「スズ姉?って誰なの?悠帆」

「スズ姉ってのは、"スズー・ラン"さん、愛称はスズさん。俺の育ての親で、母大陸のヘリウムって街で食堂を営んでる人だ…」

「スズー・ラン…なんか引っかかるような名前だな…なんかジェリー種っぽい名前でもあるし…でも人間種っぽい名前でもある…なんだか偽名みたいなだね…おまけに名前に"鸞孕教(らんはらきょう"の最高神、『(らん』の名も冠している…なんかすごい気になるんだよね…」

「悠帆…その人は本当にただの食堂の店主なのか?」

「そのはずなんだけどな…一緒にいた12年間、特におかしなこともなかったけど…」

「まぁ、そのスズさんって人が、どのようにこの銃を手に入れたかは3択だね」

 三神さんがそういった。

「3択…?」

「①会社に特注で作ってもらった。

 ②自分で銃を秘密裏に製造した。

 ③その他

 …って感じだと私は思うな〜」

「うぅん…どうしたんだろ…」

「わたし的には①は薄い気がする」

「なんでですか…?」

「悠帆って、ハホ大陸出身ってさっき言ったでしょ?独龍大陸出身のわたしより、ハホ大陸出身の悠帆のほうがよくわかると思うけど、ハホ大陸は銃がかなり厳しく制限されてるでしょ?」

「あー…確かに…」

「だから、ハホ大陸には銃の会社なんてほとんどない。持ち込むのも容易ではないはずだよ」

「…ん?そういえば、船に乗ってきって言ってたよな?」

「ん?そうだけど…」

「どうやって手荷物検査を通過した…?」

「…あ、そういえばそうだよ、手荷物検査ってことは、X線とか、金属探知機とかに反応するんじゃなの?」

「…そういえば、X線検索と金属探知機にそうされたけど…何も反応なくて普通に船に乗れたわ…」

「ち…ちょっと待って、」

 三神さんが棚から何かを取り出した。

「小型金属探知機だよ、これ近づけてみて?」

「わかりました…」

 そう言われたブロミンは金属探知機を銃と弾に近づけた。

「…え?」

 するとおもろく結果となった。銃自体も、銃弾も金属探知機は反応しなかった。

「反応しない…!?」

「弾丸は鉄でできてるんだよな?」

「おかしいわね…そんなの世界の法則に反しているわ…」

「ん~~まぁ、多分45口径を使えば撃てると思うからこのまま使い続ければいいと思うぞ」

 ブロミンがそう言って悠帆に銃を返した。

「あ…ありがとう…」

 その時、3人は同じことを思っていた。

    『スズさんは何者なんだ』

…と、


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