種族
「龍種…?」
「そうだ、わしは人間種ではなく龍種なんじゃ」
メイコと山葵が昼食を食べている。ふと、メイコが山葵の頭についている角について訊いた。すると、予想外の回答が返って、驚いていた。
「この世界にはそんな…人間以外高い知能を持った種族が存在してるんですか…?」
「正確に言えば人間以外かってのはちょっと違うかもしれん」
「…?」
「他の種族は人間種が環境に合わせて突然変異で進化した奴らじゃからのぅ」
「環境に合わせて突然変異…」
「まぁ、龍種に関してはよくわかってないんじゃがのぅ…」
「わかってないんかい…他にはどんな種族がいるんですか?」
「人間種、ジェリー種、ドール種、龍種、巨人種だ。人間から進化しただけであって、見た目や特徴がそれらに似てただけで、ジェリー種だからといってクラゲの遺伝子は1ミリも入っていない。元にわしも、ただ角があるだけじゃ、」
山葵は指で数えながら種族の名前を言っていた。
「似てるだけで命名されたんですか…それはもはや龍と呼んでいいんですかね…」
「それは先人に言ってくれ、わしらがどうこうできる問題ではない」
「わたしが元々いた世界では人間しかいなかったので…なんか別の種族がいるのって新鮮です…」
「とは言え近年はジェリー種と人間種、巨人種の数が増加していて、龍種とドール種がかなり減少してしまってる。特に我々龍種は特に個体数が減ってしまっているんじゃ」
「なるほど…」
「まぁ、ジェリー種とドール種は見た目が人間種に似ていて見分けづらい。ジェリー種はたまに背中から触手を出すことがあるが、だいたいは閉まっているからわからんじゃろな…まぁ、ジェリー種は名前が特徴的じゃから、名前で見分けられる」
「特徴的な名前…?」
「お主も知っておるじゃろ、ヘリウムやキセノン。あやつらはジェリー種じゃよ」
「え!?そうだったんですか?思えば少し特徴的な名前ですね…」
「半減軍の奴らは全員ジェリー種じゃから覚えておけ」
「は…はい」
「銃撃ったのは昨日が初めて〜?」
ブロミンが炒飯を食べながら呆れたようにそう言った。
「いやいや、悠帆が誰に向かって銃を撃ったと思ってんの?」
「ああ?知らないですよ、」
「偶冥よ?あの土星偶冥、」
「えぇ~!?こいつまじかよ…」
ブロミンは驚いて、そして少し引いてた。
「いや…あれは普通にキセノンが危ない状態だったからで…しかも一発も当たってないから…」
「だから!最強と知りながら、偶冥に銃を向けたその度胸がすごいんだって!」
「そうなんですかね…」
「そうだよ!」
「ところで悠帆?」
ブロミンが急に目を輝かせ、ニヤニヤしながら話しかけてきた。
「…?なに…」
「銃持ってるなら見せて…?」
「え…?いいけど」
悠帆はカバンから銃を出して、ブロミンに手渡した。
「うっひょ~銃だ〜」
ブロミンの急にテンションが上がった。
「この子は中のことになるとテンションが上がっちゃうのよね〜」
三神さんがそう言った。
「で?どうなのブロミン?満足し…」
ブロミンの方を見ると、急に、すごく真剣な顔になっていた。