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胡桃割革命  作者: 庵地 紋
志の始まり、
7/23

料理得意な人って憧れるよな

 山葵の家を出て、悠帆は三神さんの家に帰ってきていた。

「三神さん…良かったんですか?メイコを置いてきちゃって…?」

「いいのいいの。山葵は私が仕事を丸投げしても、なんだかんだうまくさばいてくれるのが山葵だから」

「いいんですかねぇ…」

「さ、お昼にしましょ。おなかが空いたわ」

「お昼…どうするんですか?どこか食べに行くんですか?」

「ん?いや~、私が作るよ〜」

「え?」

 悠帆は驚いた。こんなに部屋が汚い人が料理できるなんで思わなかったからだ。

「まぁ、ちょ〜とだけ待ってて。そこ座ってて」

 そう言って三神さんは台所へ向かった。悠帆は食卓の椅子に座って料理ができるまでスマホをいじっていた。

ジュゥー…

 三神さんが何かを痛めている音が聞こえてきた。悠帆は、食堂のことを思い出して、なんだか懐かしい気持ちになった。

「はーい、おまたせ〜炒飯と回鍋肉。さ、食べて食べて」

「美味しそう…やっぱ独龍の家庭料理は美味しそうですね…」

「まぁ、この中華料理も転移者が伝えてきたらしいんだけどね」

「へ〜、そうなんですか…ハム…!」

 悠帆は炒飯を一口レンゲですくって口に入れた。その時、

「!!…」

 悠帆に電流走る。

「すごいおいしい!…」

「でしょ?」

 悠帆は夢中で料理を頬張った。

ゴホ!…ゴホ…

 夢中で頬張りすぎて、米粒が変なところに入ってむせた。

「おいおい、落ち着いて食べなさいよw」

「すいません…」

「そういえば、ヘリウムが昨日は半減軍の所の客室で1泊したって言ってたんだけど…住むところとかは決まってんの?」

「いつの間に訊いてたんですか…住む所の目星は今のところまだ…」

「なるほどねぇ…ねぇ悠帆、うちに住むかい?」

「え…!?」

 いきなり言われて、悠帆は驚いた。

「いやさ、わざわざうちに毎日来るのはめんどくさいじゃん、だからうちに住んだほうが楽かなぁ?って思ってさ、空き部屋もあるし」

「いいんですか…?」

「いいよ〜ここ持ち家だから、家賃の心配もいらないしね〜」

「じ…じゃあお言葉に甘えさしてもらってもよろしいですか…?」

「はいよ〜これでこの家も3人ぐらしか〜賑やかになるなあ〜」

「ん…?3人ぐらし…?もう1人誰かいるんですか…?」

「ん?あぁ…そういえば言ってなかった。うちにはもう1人住んでる子がいるよ〜しかも、君と同い年」

「え?そうなんですか…」

「あの子、いっつも地下の部屋にこもってるからねぇ〜せっかくだいちょっと会いに行こっか」

「は…はい」

 そう言って三神さんについて行った。地下室の、さっきの射撃訓練場があった部屋のすぐ隣の部屋に入った。開けると、機械の潤滑剤の匂いが鼻に強烈に突き刺さった。

「お~い、ブロミン、いる〜?」

 三神さんが読んだ先には茶髪でウルフヘアの少女がいた。どうやら、銃をいじってるみたいだ。

「ん~?なに?三神さん。今銃の改造で忙しいんだけど…」

「この家に新しく壁ノ実悠帆ってやつが住むようになったよー」

「はあ?何急にわけの分からないこと言ってるんですか」

 その少女が、こちらを向いた。水色のエプロンをかけて、頭には悠帆とは少し違うが、ゴーグルをつけていた。そして、ガムをクチャクチャしていた。

「うちの家にこの悠帆くんを住まわせることになったから〜あんたと同い年だから仲良くやるんだよ〜」

「ちょっと待ってくださいな、話が早いですよ。誰なんですか?そいつ」

「こいつは壁ノ実悠帆。昨日めでたく半減軍の契約者になった子で、私が銃を教えることになったから、うちに住んでもらうことにしたのんだよ〜」

「…相変わらず身勝手ですね、あなたは。まぁ、しょうがないからいいですよ」

「ほんと?ありがと~!!」

「あの…三神さん…この人は…?」

「あぁ…この子は…」

「わたしはブロミン。半減軍技術部隊の一員で、三神さん専属の発明家、改造家だよ。よろしくな悠帆」

「あ、あぁ…よろしく」

 ブロミンはだいぶ馴れ馴れしく話してきた。話し方から、ブロミンの性格はひねくれてるのだろうと悠帆はそう感じだ。

「そういえばブロミンお昼食べた?わたし炒飯と回鍋肉作ったけど食べる?」

「お?いいんですか?では遠慮なくいただきまーすね」

 そう言って3人で昼ごはんを食べに上に上がっていった。



「全く…クミは、相変わらずいい加減じゃな…メイコと言ったか…?」

「は…はい!遠獄メイコです」

「わしが人に刀を教えることはあまりない…本来なら刀を振ってもらって評価に値するか決めるが…まぁ、クミが連れ来し、転移者だというのであれば、多分大丈夫じゃ…」

「ほんとですか…?じゃあ…」

「じゃが…1つ試しておきたい事がある」

「な…なんですか…」

 メイコはドキッとして、身構えた。

「昼食を作ってみよ!」

「…え?」

 メイコは予想外の回答に驚いた。

「作った昼食がうまかったら弟子にしてやる!!台所の物は何でも使っていい!やってみろ!」

「は…はい!」

 メイコは勢いに乗せられ、台所に案内された。

「コンロや電子レンジ、冷蔵庫の中の物、調味料や米も使ってよい。向かいの部屋で待っておるから、好きに作れ」

「は…はい!」

 そう言って山葵は向かいの部屋の襖を開けて消えてった。メイコは勢いに乗せられ、作ることになったが、いざ、何を作ればいいかよく分からなかった。

「と…とりあえず冷蔵庫の中の物…」

 そう思いメイコが、冷蔵庫を開けた。

「えぇ…」

 冷蔵庫の中にはレンチン用の食材と豆腐、少しの野菜、調味料だけが入っていた。

「ここから何か作れと…?」

 メイコは考えに考えた。

「あ!あれなら作れるかも…」

 そう言ってメイコは冷蔵庫の中から食材を取り出した。


「できました…」

 メイコが隣の部屋に入って、料理を山葵の前に置いた。

「うむ…匂いはすごくおいしそうじゃ…」

 メイコが作ったのは豆腐とレンチン用のハンバーグで作った豆腐ハンバーグ、米とサラダが添えられていた。

「どうぞ…」

「では…いだだきます」

 山葵はハンバーグを切り、口に入れた。

「…!なんじゃこれは…すごくうまい!」

「…!」

 メイコの表情がすごく明るくなった。

「これはもうこっちからお願いしたい。てか、ここに住んではくれないか?」

「え!?」

「わしは料理はコメを炊くくらいしかできん。だから食事がレトルト以外で済むのはありがたい」

「だからあんなに冷蔵庫の中何もなかったんですね…わかりました…住むとこのにも困っていたので、よろしくお願いします…」

 そういうことで、悠帆、メイコ共々住むところを見つけるのであった。





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