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胡桃割革命  作者: 庵地 紋
ヴァルハラへ
24/25

久々の対面

ヴァルハラ防衛部署・女子更衣室

「どうだメイコ、中に着たら暖かいだろ?」

「はい、ありがとうございます、チタニアさん。すごく温かいです、」

 先ほどここに来るまでに寒さで気絶しそうになっていたメイコに、チタニアがヒートテックやらを着せて寒さ対策をさせていた。

「そうか…それならよかった」

「メイコちゃん…よかったね…」

「我々はこの極寒のクリプトン大陸にて、主に屋外での活動をする。だから、ある程度寒さは堪えなければいけない。寒さ対策や体調には気を使え、」

「はい!了解です!」

「わ…わかりました…!」

 メイコが返事をした。それに続くように頑張って返事をするネオン。

「いい返事だ。その調子だぞ」

「ありがとうございます!。にしても…ホントにこの大陸、寒いですね…」

「まぁ、そりゃそうだろうな、なんたってここクリプトン大陸は過酷な環境…その環境と言えば世界一であろう。こんな所、人類が住むことを想定して神は作っていないだろう」

 少し乱れたロッカーを手直ししながらチタニアがそう言う。

「ところで、ネオンはジェリー種だか、寒さには大丈夫なのか?」

「わ…私…は…さ…寒さに…つ…強い…タイプの…じ…ジェリーなの…で…」

 ネオンはメイコや悠帆と初めて会ったときと同じように言葉がタジタジになり、メイコの陰に隠れながらそう言った。

「そうか…なら大丈夫そうだな…よし、お前たちの配属場所は同じ場所…と、今私が決めた。2人はきっと同じ場所にいるほうが仕事がしやすいはずだ」

 チタニアは少し微笑みながらメイコとネオンにそういった。

「さぁついてこ、メイコ、ネオン、外は極寒だ、覚悟はできてるな?」

 メイコは深く頷く。それに続くようにネオンもコクリと頷く。

 

ー地上98m ヴァルハラ屋上ー

「やっぱり寒…」

 警備で配置された現場に行くために、外に出た。屋上はひたすらに見えなくなるまで整然と、ライトと道が続いている。

道はそこの部分だけが雪が積もっておらず、少し暖かい。多分床暖房か何かで溶かしているのだろう。横には雪解け水を排水するためだと思われる小さな側溝がある。

「お前たちが配属される場所はすこし離れてる。少し歩くことになるが、どうか許してくれ」

チタニアが軍人らしく後ろで手を組みながら歩いて行く。

 彼女の美しい髪が、吹雪になびく。大小さまざまな雪が天から降り注ぎ、彼女の髪の毛に立ち寄る、それが吹雪にさらわれ、また旅立つ。

「…そういえばチタニアさん、ここって緯度って何度くらいなんですか?」

 夜空を見上げながらメイコがそう尋ねる。

「ん?ここは南緯71度にあるが…それがどうした?」

「もう午前6時頃なのに日が上がってこないので、もしかしたら極夜なのかな?って…」

「おぉ、よくわかったな、極致であるここには、もうしばらく、日というものは昇ってこない」

「メイコちゃん…きょくやって…なに?…」

「極夜っていうのはね、しばらくの間、一日中太陽が昇ってこない、つまり一日中夜が続く時期のことだよ」

「そうなんだ…面白いね…!…」

 楽しそうに話すネオンを見て、チタニアは微笑んだ。

 

「ここをまっすぐ行くとG−4という看板が立っている区画があるはずだ。その辺りを巡回してくれ」

「はい、わかりました」

「期待してるよ」

 そう言って、チタニアは2人に微笑みを見せて帰っていった。

「G−4だって、ネオンちゃん。行こ」

「うん…行こうか!…」

 2人は冷たい風に吹かれながら頑張って歩いた。

〘チタニアはどっか行ったか?〙

「えぇ、もうさっきの武器庫の方に帰ってきいました」

〘ほんまか、ほな良かったわ。ネオンちゃん、俺いないけど大丈夫か?〙

「大丈夫だよ…メイコちゃんも優しくしてくれてるし…チタニアさんも…いい人だったから…」

〘なら、安心やな。メイコ、ネオンちゃんをお願いな〙

「はい、しっかり守ります…私には運冥うんめいもありますし…」

「運命?…なんやそれ?」

「あれ…?言ってませんでしたっけ?私、刀持ってましたよね?」

「うん…え?運命ってまさか…」

「私の刀は、六異刀ろくいとうへい、『運冥うんめい』なんですって。師匠がヴァルハラへ行くってなった時に、蔵に隠し持ってるこれをくれました。これさお主が持つべきだって、」

〘えぇ…それほんまかいな…夜刀はん…そんなものもってたんかいな…〙

 ヘリウムは驚きすぎてもはや引いてるみたいになっていた。

〘それの扱い方はマスターしたんか?〙

「ええ、だいたいは。能力刀技の出し方などは、箱の中に付属していた、誰かいたかも分からない古文書に書いていた物を師匠と2人で頑張って習得しました。多分300年くらい前の、」

〘別の古文書の年代はええねん…〙

「まぁ、私がしっかり守ってあげるからね、ネオンちゃん…あれ?ネオンちゃん?」

 いつの間にか、後ろにいたはずのネオンがどこかへ消えてしまった。

「あれ?お~い!ネオンちゃ~ん!?あっ!」

〘いないなったんか?いたか?〙

「ええいました…」

 ネオンは一人の警備兵に向かって歩いていっていた。メイコが走って追いかけ、追いつくとネオンばその警備兵に話しかけた。

 その警備兵が振り返った。ヘリウムより少し身長が高い、美しい男性だった。そして、透き通るような青白い髪の持ち主だった。後ろで細く長く結んだ髪が風になびく様子が、チタニアとはまた違った美しさがあるとメイコは思った。

 男性は周辺を確認した。メイコの方を一度見たが、政府の人間ではないと判断したのか、ネオンと話しだした。

 話してる2人を見て、メイコは驚いた。ネオンが、メイコや悠帆、ヘリウム、キセノンなど、親しい人と話すときの顔をしていた。

「久しいな、ネオン」

「お久しぶりです…《《クリプトン》》さん…」

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