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あ、これゼミでやったところだ
4年生か5年生だったろうか、昼休みの図書室で本を漁っていた。いつもの900番代(小説)ではなく、400番代(科学)の棚を。
そこで昔の数学者の業績とかエピソード集みたいなのを多分読んだのだと思う。「1から100までの数字をすべて足すと5050になる、計算式は〜」、ってやつとか。この等差数列の和を求める式は古代から知られ、レオナルド・フィボナッチ「算盤の書」(1202)年にも載っている有名な式で、かのカール・フリードリッヒ・ガウスが小学校3年生の時に「再発見」したというエピソードがある。
私は「へえ〜」と感心しながら、チャイムが鳴ったので本を戻した。
午後、算数の時間。余談だったのか先生が、「1から100までの数をすべて足すといくつになりますか」と言い出した。「あ、これゼミでやったところだ」状態だったのだが、いつまでたっても誰も答えない。仕方ないから手を挙げて答えたら、先生びっくりしていた。「なんで分かった!」というから本を読んだことを話したら、先生、テンションだだ下がっていた。
「ガウスとは違うのだよ、ガウスとは!」