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怪物迷宮譚  作者: ゆうすぎ
『怪物』たちのお披露目
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憧れ


 ”何か”は目や耳から中に侵入し、ゴブリンはビクッと震えてそのまま動かなくなった。


 そんな異常な光景にも周りのゴブリンは動揺せず盾を構えてじっくりと観察していた。しかし、地面から”何か”が飛び出し周りのゴブリンをまとめて溶かした。多分、体内に隠れたふりをして地面を掘っていたのだろう。しかし、ゴブリンは恐れず周りと連携をとって”何か”に対抗する。


 そんな凄惨な戦場を見て僕は……憧れた。”何か”(粘体だから『スライム』と名付けよう)は苛烈なまでの攻撃性を持っている。スライムが最初にゴブリンを全て溶かさなかったのは多分わざとだろう。体内に潜んでいるふりをして地面から急襲する作戦だ。そして、ゴブリンは個体としては負けていても連携を上手くして耐え忍び、隙を狙う姿はまるで歴戦の戦士のようだ。


 なんて僕は馬鹿だったんだろう。罠にはめられたからと言って勝手に絶望し諦めるなんて……今からでも遅くない。せっかくのチャンスを生かしてみせる! 


 入り口を塞いでいる岩は動かせないか? ……いや、短期間で動かすことは難しい。恐らくゴブリン達は複数でかつ道具を使ったんだろう。いっそ穴に入るというのはどうだろうか? ……袋小路に入り込むだけか。 ……いや、本当にそうか? ”何か”とゴブリン達はあまりにも風貌が違いすぎる。もしかして、モンスターの巣は繋がっているんじゃないか? それなら、別の巣を通って3つの道があった部屋に戻れるかもしれない。


 ……問題点がいっぱいあるな。先ず他の入り口につながる巣につながっているかわからないし、繋がっていたとしてもどの穴が繋がっているか分からない。何よりあの巣の中はモンスターがたくさんいる。控えめに言って自殺行為だろう。


 どうする。時間はあまりない。ゴブリンとスライムは今はお互いに注意がいっているがいつこっちに向くか分からない。




 俺がとった手段は───。

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