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VS『生ける血』2
前に戦ったスライムは水っぽく、簡単に破裂させられた。だが、他と違って弾力性がありながら硬い。まるで鋼で練り上げられた筋肉のようだ。完璧に芯を突かないとやれない……僕は心を鎮める。
スライムは同じように突っ込んできた。しかし、なぜかさっきより少し遅い。甘いなと油断しそうになったが本当にそれだけなのかという疑問が沸く。その直感に従い、体を伏せた。スライムはほどけ液体状になる。そして、地面が煙を出しながら溶けている。
なるほど、もしさっきと同じようにつこうとしていたら地面と同じように溶けていたな。酸性も上がっている。どうやって対処するか、そんなふうに悩んでいたがスライムはさらに変化した。
まるで抑えられていたものがあふれ出したように膨張していく、それは不定形で異次元じみていた。血の色をしていることも相まって化け物そのものだった。
あの勇猛だった周りのゴブリン達も怯えているのが見える。さらによくみると、床が溶けて煙が出ている。大きさも酸性もスライムの洞窟で見たボススライムと比べ物にならないだろう。
物語から出て来たような非現実的な光景を前にして僕はこう思う。
「綺麗だ」
こんな相手にかっこ悪いところは見せられない。この化物に勝てるように、さらに精神を深く深く沈めた。




