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怪物迷宮譚  作者: ゆうすぎ
第2階層
27/66

木の槍


 あまりにも急だったため、回避行動も防ぐ事も()は出来なかった。だが、そんな間抜けな主人を嗤ったのか、反射的に肉体は倒れこむ。そこでやっと、意識が戻り、そのままその場から離れるように指令を出した。だが、その愚かな指令であり足が塞がれている。


「グハッ」


 足が塞がれていて避けきれなかったとはいえ、急所を外すことができたようだ。だが、右足と脇腹が貫かれた。さらに、腹を傷つけたせいか口から血が出てきた。今の状況はそんな事を気にしている場合じゃない、また地中から槍が来たらまずい。靴を脱ぎ、根っこの拘束から抜けだして。一目散に逃げだした。


「……っ……っ」


 何があったんだ。いきなりあんな凶悪なものを持ちだしてくるなんて、今までと比べて殺意が違う。森を燃やしたことで怒って本気を出したのか、いやそれも少し違うような気がするこれまでは無機質だったが手加減していたという感じではなかった。むしろ、急激に進化しているような。目的のために改善、改良、研究しているような感じだ。


 全力で逃げているが、足も怪我してあまり速く走れない。このままじゃ追いつかれる。動脈を外れていることが不幸中の幸いかな。怪我をしながら全力で走っていると何かをひっかけたようで前に重心が崩れた瞬間、前から木の槍が飛び出てきた。重心が崩れながらも必死に体をずらして何とか避けることが出来た。そして、すぐさまそこから離れた。すると、そこには木の槍が何本も出ていた。さらに、引っかかったと思っていた場所には根っこの輪っかがあった。やはり、急激に成長していると恐怖を覚えながら。全力で逃げる。




 息が絶え絶えになりながら、走って逃げている。今のペースでは3分ほどだろう。地面を気にしながらいかなきゃいけないからもっと時間がかかるかもしれない。絶体絶命だけど助かる材料があるとしたら、燃やしたおかげで周りを気になくていいという事だな。今の相手に木で囲まれるなんてぞっとするしな。だが──っ。木の槍が前から飛び出してきた。体制が崩れても避けられたんだぞ。こんな単純な攻撃じゃ通用しない。避けたところに根っこが足を掴もうとするがそれも避けた。


 着地したとき、顔を顰めた。木の槍で貫かれた所が痛むな。追い打ちをかけるように、さらに根っこが足を狙ってくる。くそっ、そういう作戦か避けにくい所に攻撃して、否応なしに足を動かし怪我しているところ悪化させる。いい作戦だな、そして狙われる僕にとっては最悪だ。避けても避けても次から次へとくる。


 殺傷力に優れる木の槍じゃなくて、根っこで来るのはこっちのが隙無く攻撃出来るだからだろうか?槍で来るには時間がかかるとかかな。でも、殺傷力がないからといって強引に行きたいけど、足に怪我を負ったから根っこを引きちぎるほどの力がないな。無理しても絡まって拘束されて最後に槍で貫かれて終わりだろう。ずっと避けるしかないのか。足よ持ってくれよ。


 残り3分の1というところまで来たが、左足の感覚がなくなってきた、もう痛みも感じない。それでも、避けたり跳ねたり一生懸命出口に向かっていたが、木と木の間にぴんと張られているジャンプして跳ねると左足が急に止まった。そのまま倒れそうになったが右足で踏ん張った。力を入れても左足が動かなくなった。其処をさらに根っこが襲い掛かってくる。それでも、右足だけで避けた。左足は支えだけにして諦めず出口に向かった。

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