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怪物迷宮譚  作者: ゆうすぎ
第2階層
13/66

振り返り


 外に出る準備が終わり部屋を見渡す。たった5日間だったが少し愛着が生まれつつあるな。ほとんど寝たきりだったがその分よく考えた。




 ある程度思考ができるようになり最初に考えたのは、僕が何をすべきかという事だった。無作為に考えても仕方ないので何があったかを思い返してみる。何で僕はここにいるんだろう? 普通の日常を送っていたはずで狙われる理由はない。だけど、時空の歪みや何やらな超自然的なことではないだろう。それにしては居た場所がおかしすぎる。人為的なものがあったと考えていいはずだ。


 ただ、その理由が思いつかないな。僕に特別な素質があるか、誰でも良かったのか…………分からないしこの思考に発展性は無さそうだな。ただ。気になるのはほったらかしにされてる感じがあるという事だ。部屋は適当だったし、それ以上にモンスター達が自由すぎる。もっと言えば現実に生きている。黒幕の手が離れている可能性があるという事は気に留めておくか。




 次にモンスター達のことだ、ゴブリン達は軍隊のようで規律がはっきりしていた。ただ背丈が小さいようで身体能力は僕より弱い。それでも奇襲を掛けなきゃ倒せないほど強い。それが数え切れないほどいるんだから危険度は高いな。罠を掛けたことから知能もあるんだろう。逃げきれたの奇跡に近いな。


 スライムたちは自我は薄そうだが、何回切っても分裂する不死性と剣をも溶かす酸性、これは推測だが群れに対する情報伝達能力。さらに、あの血に対する執着。その執着がある限り諦めることなく追い続けてくるだろう。


 そして、あの『()()()()()()』あれは他のスライムと別物だ。戦闘能力から凶暴性まで、ゲーム的に考えればあれは進化体なのだろうか? だが進化すれば自動的にあれになるなんて事は信じられない…………いつか戦いたいな。


 さてどうするか? もう一度ゴブリンやスライムの巣に向かうのは時期尚早すぎる。餌になるのがオチだろう。武器もない。だがこのままここにいるなんてのは論外だ。死ぬのと変わらない。怪我が治ったらもう一つの巣に行こう……僕はそういうのを望んでいたんだから。




「……そろそろ行くか」


 服がないから包帯姿でいかなければならない、何か手にいれられればいいが……そう考えながら笑みを浮かべて安全が保障されているだろう部屋から一歩間違えれば死ぬ戦場へ出ていった。


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