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怪物迷宮譚  作者: ゆうすぎ
『怪物』たちのお披露目
1/28

始まり


 学校から帰ってきてすぐ、なぜかとても眠くてすぐに寝てしまった。

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 目を開けた。よく眠れたのでぼんやりと微睡んでいたが、その時間は長く続かなかった。見知らぬ場所にいたからだ。




 周りを石壁で囲まれており、天井は低く、背後には豪華な祭壇が存在し、地面には物語に出てくるような魔法陣があった。一瞬では飲み込めない程日常から逸脱した光景だった。


「ここはどこだ?」


 寝ぼけて頭がおかしくなっているのかもしれない。もう少し目を凝らしてみよう。背後の祭壇にある燭台は3つの枝に分かれており周りの燭台は小さかった。魔法陣のようなものは、精密な記号と複雑な図が幾重にも重なりあって神秘的な雰囲気を醸し出していた。前には四角い出口があり。その先の通路が見えた。




 訳がわからなかった。起きたらいつの間にか魔法陣や祭壇らしきものがある変な部屋の中にいる? 理不尽すぎて夢オチに逃げたくなる。だめだ目をつぶってよく考えてみよう。昨日何かあったか? 昨日は学校に行って帰ってきた。終わり。……だめだ、考えてもこの光景に繋がる要素はどこにもない。


 起きたらいつの周りを見たが僕の疑問を解決する答えが見つかることはなかった。そのため僕は思考が空転し始める。なぜこんな場所にいるのかここは一体どこなのか僕は本当に僕現実とはそのまま続くことではなかったのかこの不条理な現実は? グルグル思考が駆け巡ると突然一つの非現実的な仮説が説得力を持って僕の頭を支配した。現実的に考えるなら誘拐や監禁。しかし、この圧倒的に非現実的な光景は仮説の説得力を上げ続けた。


 ()()()()()()()()()()()()()()


 ゲームのやりすぎだと思ってもいい。僕だってこの考えは馬鹿げていると思う。でも、この考えが頭から消えることはなかった。




 一通り考えてみたがここに居続けても仕方ないと気付きこの部屋から出ることに決めた。通路の先は暗かったので光を発する物として燭台を持って行く。そこで気付いたが僕は何も持っていなかった。服は着ていたが、ポケットの中にも何もない。僕を守れるものが何もない事を改めて確認し心細さを感じたが、動くしかないと弱気を振り払い、暗い通路に足を踏み入れた。


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