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グレースに話を聞いて、

市場なら、お忍びでいけるかもしれないという話になった。


外国から船が来る日と夕方は人が多くなるので避け、

朝の11時から、昼の2時ぐらいの間なら、

何とかなるだろうと話がついたのだ。


「うふふ、平民ってこんな格好なのね」


お忍びの為の服を作ってもらい、

その出来栄えの確認に着てみて、鏡に映った自分を見る。


ワンピースよりは豪華で、ドレスよりは質素、

その中間といった服は、

日本で平日に着ると確実に浮く装いだった。


ジーンズとTシャツでいいんだけどなと思うが、

この世界では女性がズボンを履く習慣すらない。


「この格好で、畑仕事や商品の販売はしずらいのじゃ

 ないかしら?」


「平民の服とはいえ、あまりな服をお召し頂く訳には

 いきません、

 あくまで、貴族令嬢がお忍びで出かける姿です」


えーっと、おもいっきりツッコミたくなった、


お忍びの服って、それってお忍びです!って

周りに宣伝しているようなモノじゃないの?

バレバレだって・・・


「私は、平民が生活している時に着るような服を

 着てみたいのだけど」


「それはなりません」


意外な事にグレースからも止められる。


「この国には身分がございます、

 身分を超える振舞は国の基盤を揺るがします」


うーん、元日本人としてはいまいちピンとこないけど、

皇族が公式の場でジーンズとか履いてたら、

顰蹙を買うようなものかな?


もしくは高級レストランではドレスコードがあるみたいな。


お忍び初心者の私としては、

グレースの意見に従っておいた方がいいのは分かっている、

無理は言わず、言われるままにした。


「この服に合うかしら?」


「もちろんお似合いです」


「お美しいです」


次々に侍女に褒められ、いい気分になる。


まあ、王宮御用達のデザイナーが、

お忍びの為にわざわざ私に合わせてデザインしてくれた物だから、

似合って当然だけど、やはり褒められると嬉しい。


「この服気に入ったわ、このまま仕上げて頂戴」


「かしこまりました」


やはり平民服にしては豪華よね~

日本ならコスプレの域かな~


とか思いながら、お忍びに思いを馳せていた。

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