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体調が戻り、今の現状が分かり、
落ち着いた私は王女としての普通の生活に戻りつつある。
侍女3人にドレスを着つけてもらい、
また髪も専門の人に結い上げてもらう。
元女子高校生としては、ありえない!
と叫びそうだが、
あくまで今は王女、いきなり日本の常識を出しても、
周りが戸惑い、また医者を呼ばれてしまう。
それに、侍女にも生活がある、
王族がこうして侍女を雇っている事で、
侍女にも給料がいくのだ、
そう思って、侍女達のしたいままに任せている。
ただ、腰をぎゅうぎゅうに絞る事だけはやめて欲しいが・・・
コルセットはないものの、
ぼっきゅんぼんがいいとされるこの世界、
腰は細く!らしい。
これはおいおい侍女に伝え、修正していこう。
うん、ドレッサーに映った私に満足する。
あー今日も綺麗、
王と王妃が溺愛するのも頷けるわ~
そう満足していると、私専属の侍女の、
侍女頭が話しかけてくる。
「王女様、気分は悪くございませんか?」
「ええ、もう問題ないわ」
「では、午後1時に王と王妃がお待ちです」
「そう、分かったわ」
「今日の勉行はダンスですが、病み上がりなので、
まだ休まれた方がいいとの事です、
午前中はゆっくりなさってください」
「分かったわ」
勉強といっても、16歳までの王女教育、
そして女子高生の時の記憶もある、
かなり余裕だろう。
王女教育は
1にマナーとダンス 2に語学 3に歴史と地理 と言った所、
正直、貴族の名前を覚えるのは大変なので、
この辺りの知識があるのはありがたい。
ちなみに、女子高生の時の名前は水城ありさ、
ありさは平仮名。
元々漢字もあったんだけど、産まれた時、
生命診断をしてもらって平仮名にしたって、
それでトラックでひかれて、早くに死んじゃったら、
占いも信じられなくなりそうだけど・・・
それは元より、今はフローティアな訳で、
王女様の知識は偏りがすごい。
これでおバカ傲慢王女が誕生しちゃったのね。
王女に転生して分かった事だが、
ありさが、我儘でしょう!て思う事が、
この世界では普通で、誰も注意もしない。
王族の言う事を聞くのが当然と考えていて、
侍女も王女付きとなると貴族で、
民を見下している・・・・
うーん、せめて民を見下す所は修正できればいいけど・・・
ありさはばっちし平民だしね。
そんな事を考えていると、午後の1時になった。