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それからぐっすり寝た私は、完全に回復していた。
そうなると、気になるのは今の私の現状。
フローティアと言う名前で呼ばれ、
王女の部屋で寝ている、
そして、王と王妃が来た・・・となると・・・・。
信じたくない気持ちもあるが、やはり確認しないと。
「そこのあなた」
「はい」
壁に控えていた侍女が私の元に来る。
「鏡を持ってきて頂戴」
「かしこまりました」
そう行って、手鏡を持ってきてくれる、
おーこれは凄い、手鏡1つ、緻密な彫刻が施され、
芸術品の域に達している、これ売ったら高そうだな・・・
そう思いながら、私の顔を見る。
鏡に映ったのは。
やはりというか、牢で死んだはずの王女。
金の髪にエメラルドグリーンの瞳、
かなりの美人にテンションが上がる、
でもどうして生きてるの?
「今何年?」
侍女が驚いた顔をして言う。
「ドラグテル歴356年でございます」
「私は何歳?」
「14歳でございます」
私は溜息をつく
「分かったは、まだ少し休みたいの、下がって頂戴」
「かしこまりました」
私は布団に入り込み考える。
布団の中で考えるのは、女子高生だった時のクセだ。
えっと。
王女様は16歳で結婚し、夫の王の殺害容疑をかけられ、
そのまま殺されてしまったから、
王女様殺害の2年前に戻ってきている事になる。
しかも、女子高生の記憶も追加して・・・
王女様が殺され、女子高生に転生、
そして王女様の殺された2年前にまた転生と言う事なのだろうか?
考え、思考は女子高生の時に近い、
しかし、言葉遣いや立ち振る舞いは王女様のまま、
知識は両方ともある・・・
なぜこんな事になったのかは分からない、
ただ分かるのは、もう一度王女として生きる事になった以上、
牢で殺される運命だけは避けたいと言う事だ。
それ以外においては、
王、王妃にべたべたに甘やかされ、
豪華な空間で食べる物にも困らず、
次期国王には兄がいるので、プレッシャーもない、
とても良い王女ライフが待っている。
まあ、いっか。
唯一の心残りは卒業旅行で行く予定だったディ〇ニーランドに
行けなかった事だけど、
街に出ればヨーロッパ旅行気分は味わえそうだし。
あっさり気分を切り替えた。