1-1 覚醒
どうしてなの?何が悪かったの?
私を誰だと思っているの!
大国の王女であり、尊い身分、
今まで全て私の思い通りになっていた、
お父様もお母様も、私を可愛がり、
国の為に結婚した私を大事にしてくれた。
そうよ、こんなのおかしいわ、
どうして私は牢にいるの?
夫を殺した?
もちろんそんな事はしていない、
政略結婚で嫁いだのだ、
私の結婚は両国の同盟の為、
私が夫を殺す訳がない、
どうしてそんな事も分からないの?
証拠がある?
そんなの間違いだってどうして分からないの?
この国の官僚は無能ばかりなのかしら?
寒くて、食事も今までからすると考えられない貧相な物。
こんな生活耐えれないわ!
早く私を出しなさい!
何なら、私を生国に送り返して、
そうすれば、優しいお父様が何とかしてくれるはず。
そう思っていると、1人の男が牢にやってきた、
そしてそのまま手にした剣で私を刺す。
考える暇もないあっと言う間の出来事だった。
私は意識を失った・・・・
って、バカじゃない?
そんなのはめられたに決まっているじゃない、
そう別の私が考える。
別の私は女子高生。
高校を卒業して、卒業旅行に行く事を楽しみにしていたのに、
信号無視したトラックにはねられた。
まあ、牢屋の中で死ぬよりはまし?
それより王女様、
自己中心的で、我儘で、
全て自分の思い通りに事が運ぶと考えている、
周りの人の考え、気持ちも考えない、
まあ、そう育てられたのだから仕方ないとは言え、
もっと勉強して世間を知っとけばよかったのに・・・
民がどう生活しているかなんて何も知らない、
私は女子高生だから、市場とか食堂とか、
何となく生活を思い浮かべる事ができるけど、
この王女様は何もない・・・
王宮の中の生活が全て
身分を振りかざし、民を同じ人間とすら思っていない。
そんな王女様の最後。
で、こんな事思い出して、何になるんだろう?
王女様は牢で殺されて、私はトラックではねられて死んだ、
神様は私に何をさせようとしているのですか?