受験AI活用術
巷間、AI活用が話題を賑わしている。
ご近所の奥様は、「AIが教えてくれるから、〔取説〕読まないけれども、車の運転は、私の方が主人よりも上手…」と言ってるらしい。
妻は、しょっちゅうスマホに日本語で質問している。
私は、孫に受験生が多いので、インターネットで「受験AI活用術」に関する情報を収集した。その結果、次のような情報を得た。
〔大学受験にAIを活用する長短〕
生成AIは正しく活用できれば大変便利なツールになります。
まずは生成AIが得意なことと苦手なことを正しく理解しましょう。
生成AIが得意なこと:検索・要約・アイデア出し
生成AIが苦手なこと:情報の正確性・モチベーション管理、日常理解
生成AIは膨大なデータから瞬時に答えを導き出すのが得意です。
英単語の意味を調べたり、長文を要約させたり、小論文のアイデア出しの壁打ち相手になってもらう場面では、辞書や検索エンジンよりも効率的なことが少なくありません。
一方で、生成AIはハルシネーション(もっともらしい嘘)をつくことがあります。
また、あなたの性格やその日の気分に合わせてやる気を引き出すことや、日常生活や学校での課題などあなたの学習状況に合わせてアドバイスをすることは苦手で、一般論に偏りがちです。
〔受験生が実践していた大学受験へのAI活用法〕
受験生は時間対効果へのこだわりを背景に、「検索」と「AI」の使い分けをしています。
受験生が勉強において最も嫌うこと、それは悩んでいるだけで進まない時間です。
従来、わからない英単語や数学の公式があれば、辞書を引き、参考書の該当ページを探すのに数分かかっていました。
生成AIを使えば、「〇〇という単語の語源と、派生語を3つ挙げて」や「〜〜大学の入試傾向と対策をまとめて」と入力するだけで、数秒で回答が返ってきます。
調べる時間を理解して記憶する時間に変えること。
これこそが、膨大な範囲を短期間で攻略するための生成AI活用法です。
生成AIは、単に検索できて便利なツールではなく、脳のリソースを重要事項に集中させるためのツールとして捉えましょう。
〔大学受験の勉強効率を劇的に上げる生成AI活用法〕
多くの受験生はわからないことを質問するという使い方をしています。
しかし、プロンプトをさらに調整すればもっと活用できるはずです。
受験塾の運営側から見ると生成AIのポテンシャルを最大限引き出せている人は1〜2%程度です。
以下、実際に受験塾でも活用している実践的なAI活用法を伝授します。
〔教材を指定して小テストを作成する〕
いつもの問題集だとなんとなく答えを覚えちゃってるから、本当の意味で身についたか確認するためにテストをしたい
今自分が使っている教材に合わせて、小テストが簡単に作れたらな…
こう思ったことはありませんか?
これ、AIで簡単に作れるんです。
受験塾では、以下のような小テスト作成ツールを使用しています。
教材と範囲を指定すれば、そこの定着度合いを確認するための小テストが一瞬で生成されます。
〔英語(文法解説・英作文添削・和訳)〕
英語は、生成AIと相性のよい科目の一つです。
特に英作文や和訳の添削において有効です。自分が書いた英文を生成AIに入力し、「文法的な間違いを指摘して、より自然な表現に直して」と指示すれば、すぐにフィードバックが得られます。
また、長文読解でどうしても意味が取れない一文があった場合、その文を入力して「文構造(SVOC)を分解して解説して」と聞くのも有効です。
疑問点を次の授業まで持ち越さず、その場で解決できるスピード感が学習効率を高めます。
辞書ではわかりにくい類義語の使い分けこそ、生成AIの得意分野です。たとえば、英作文で「見る」と書きたい時、see, look, watch で迷ったら、以下のように聞いてみましょう。
私は大学受験生です。以下の単語の違いを、中学生でもわかるように解説してください。また、それぞれの単語を使った簡単な例文も作成してください。対象単語:see, look, watch
上記のプロンプトを使うことで、文脈に合った適切な単語選びが可能になります。
単に和訳させるのではなく、「なぜその単語を使うのか?」という背景知識を生成AIから引き出すのがコツです。
〔数学・理科(解法のヒントをもらう)〕
数学や理科においても生成AIを活用できますが、答えをそのまま聞くのはおすすめしません。
問題文を入力した上で、「答えは言わずに、最初の方針だけ教えて」や「解き方のヒントを3段階で出して」と指示するのがよい使い方です。
あるいは、自分が解いた途中式を入力し、「どこで間違えているか指摘して」と頼むこともできます。
解説をただ読むよりも、生成AIと対話しながら思考プロセスを修正していくことで、応用力が身につきます。
この数学の問題が解けずに困っています。答えは教えないでください。代わりに、解き始めるための「最初の方針」や「使うべき公式のヒント」だけを教えてください
上記のプロンプトのように成績を伸ばすためにはヒントだけをもらいましょう。
〔志望理由書・小論文の構成案作成〕
総合型選抜や推薦入試で必要な志望理由書や小論文にも、生成AIを活用できます。
ゼロから書き出すのが難しい場合、自分の強みや興味のある分野、志望校のアドミッション・ポリシーなどをAIに伝えて、「構成案(骨組み)を作って」と指示してみましょう。
また、「この主張に対する反論を挙げて」と壁打ち相手になってもらうことで、論理の弱点を見つけることも可能です。
あくまで自分の言葉で書くための素材集めとして生成AIを利用することで、深みのある文章が書けるようになります。
〔苦手単元のピンポイント解説〕
教科書や参考書の解説を読んでも理解できない場合、生成AIに「中学生でもわかるように説明して」と指示することで、わかりやすい噛み砕いた解説を知ることができます。
たとえば、物理の現象や歴史の背景など、イメージが湧きにくい事柄について、「具体的な例え話を使って解説して」と頼むのも効果的です。
自分にとって理解しやすい説明の仕方を生成AIに探らせることで、苦手意識を克服するきっかけを作れます。
〔学習スケジュールのたたき台作成〕
休みまでに何をすべきかといった大まかなスケジュール案をAIに出力させることも可能です。
「今の偏差値は〇〇で、志望校は△△大学です。入試までの残り期間でやるべき参考書とスケジュールの大枠を教えて」と入力すれば、一定のプランが提示されます。
ただし、生成AIの場合、見栄えはよい勉強計画を出力してくれるのですが、学校行事や学校の課題など、実生活に沿ったものになっていないことが多く、実用レベルではないことも少なくありません。
あくまでもたたき台であり、ここから自分専用に調整する必要があることを忘れてはいけません。
〔大学受験勉強における生成AI活用の注意点〕
生成AIは便利ですが、使い方を誤ると勉強したつもりになるだけで成績が伸びないという事態に陥ります。ポイントは以下の3つです。
答えを写すだけで思考停止にならないようにする
スマホが学習の邪魔にならないようにする
ハルシネーション(もっともらしい嘘)を見抜く批判的視点を持つ
〔答えを写すだけで思考停止にならないようにする〕
AIがすぐに答えを教えてくれるからといって、自分で考えずに答えを写すだけでは思考力は育ちません。
特に数学や物理などの理系科目では、自力で答えにたどり着くまでの試行錯誤が脳を鍛えます。
生成AIに頼りすぎると、見たことのない問題に出会った瞬間に手が止まってしまうことになるでしょう。
あくまでも生成AIは考える補助ツールとして使い、最終的には自分の頭で解けるように再現性を高める必要があります。
〔スマホが学習の邪魔にならないようにする〕
生成AIを使うためにスマホを手に取り、そのままSNSや動画サイトを見てしまう…というのは受験生によくある失敗です。
受験塾では、勉強中はスマホを親に預ける、タイムラプス動画を撮って触れないようにするなど、物理的な制限を推奨しています。
生成AIはパソコンでも利用できるため、集中力を妨げがちなスマホとは距離を取るのがおすすめです。
〔ハルシネーション(もっともらしい嘘)を見抜く批判的視点を持つ〕
生成AIを活用するうえで警戒すべきなのが、「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」です。
生成AIは、膨大なデータを学習していますが、その仕組みは事実を理解しているのではなく、文脈的に次に来る確率の高い言葉をつなげているに過ぎません。
そのため、ときには流暢な日本語で嘘をつくことがあります。
たとえば、以下のようなケースで間違いが起こりやすいです。
日本史・世界史:架空の事件名や、年号のズレ、人物と功績の誤った組み合わせ
数学・理科:計算プロセスの単純ミスや、存在しない謎の公式の適用
英語:文法的には正しいが、実際のネイティブは絶対に使わない不自然な表現
「生成AIが言っているから正しいだろう」と情報を鵜呑みにし、間違った知識をそのまま暗記してしまうことは、1点を争う大学受験において致命傷になりかねません。
そのため、生成AIを使う際は常に批判的視点を持つことが必須です。
具体的には、「生成AIの説明を読んだら、必ず教科書や信頼できる参考書で裏取りをする」というルールを徹底してください。
生成AIはこう言っているけれど、教科書の記述と矛盾していないか?
この用語の定義は本当にこれで合っているか?
このように疑って調べるプロセスそのものが、記憶の定着を助け、本質的な理解を深めることにもつながります。
生成AIはあくまでも検索の手がかりや思考の整理に使い、情報の正確性の担保は必ず自分自身で行うのが、正しいAI活用方法です。
また、自分自身の趣味である小説「今様平家物語」執筆にAIの助けを借りてみた。
https://ncode.syosetu.com/n7073hu/167/




