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希望

 第六章


 マドッグが懸案の復讐騎士どもを倒して帰ると、ソフィーはベッドの上に半身を起こしていた。


 まだ顔は青白く、瞳の輝きも弱い。


「ソフィー……」マドッグは彼女を抱きしめる。


「どうしたのマドッグ?」


 ソフィーは突然の抱擁に狼狽しながら、微かに笑った。


「いい知らせがある」


 彼は大きく膨らんだ袋を見せる。


「お前に医療を施せるんだ。英雄的治療法の薬も手に入る」


 ふっとソフィーの表情が暗くなる。


「……そのお金、どうしての? マドッグ……危険な事していない?」


「してないさ、これはちょっとした冒険の結果だよ」


 マドッグは嘘をついた。心の中で、騎士達との戦いもちょっとした冒険だ、と言い訳しながら。


「そう」ソフィーは安堵したように俯いた。


「あした浴場主のムノンの所に行こうぜ、まず治療だ」


「うん……そしてらまた……」


 ソフィーの言葉が詰まる。子供を失ってから日にちも経っていない。彼女はまだ傷ついている。


 マドッグは再び彼女を抱きしめた。


「ああ、考えておいてくれ……俺達の子供の名前を」


「うん」ソフィーが輝くように笑った。




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