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レイチェル
愕然としているマドッグの顔を見て、レイチェルは吹き出した。
驚くだろうとは思っていたが予想以上の反応で、彼女の自尊心は満足する。
「何のつもりだレイチェル?」
一歩下がるマドッグに、レイチェルはすまして答える。
「あら、忘れた? あたしも勇士決闘に挙げられた一人よ」
気配を感じたのか、マドッグも剣を抜く、
「やめろレイチェル、俺達は……」
「仲間……でしょ? でもねマドッグ、こうして決闘が始まっちゃうと、あたしも欲しくなっちゃうのよ」
レイチェルはレイピアを構える。
「お金と領地!」
素早く踏み込んで、マドッグの胸めがけてレイピアを突き出した。
戦士レイチェルVSローグ・マドッグ。