表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
6/56

New Challenge ――新たな挑戦――

 自己ベスト更新だ、そしてワールドレコードも更新だ。

 ひゅー、と口笛を吹き。拍手する。

「よおーっし、いいぞ、マジでいい感じだ」

 と言う優は、目つきも鋭く、36歳のアラフォーらしい豊富な人生経験もありそうな不敵さが醸し出される。

 レッドブレイドはチーム名がしめすとおり、チームカラーは赤。赤いTシャツの左胸には日本刀がプリントされている。

 赤毛で赤いファイヤーパターンのタトゥーがあるヤーナは、チームのイメージにぴったりなプレーヤーだった。

「うん、ありがとう」

 ヤーナは得意げな笑顔で、日本語で礼を言う。

「日本語も上手くなってきたな」

「みんなが上手に教えてくれるから」

「うん、うん。いいぞ、いいぞ」

 フィニッシュしてから、ランク表を出す。1番は、ヤーナことHoney Bearでその他の国地域の地球マークだ。2番には、Spiral Kで韓国国旗。3番にはDragonで日本国旗。

 差は1秒少々。

「Forza E World GPの1位と3位に1秒以上も差をつけてるな。……ってゆーか、いつの間にかここまで来やがった」

 ヤーナはぽかんとしている。まだまだ完全には日本語はわからない。スタッフが通訳して、そこで得心してうなずく。

 たしか昨日まではSpiral Kが4番手でDragonが7番手だったが。もう背後まで迫ってきているとは。

 さすが優勝候補の一角だ。

 ちなみに大会は現地開催で、東京のとあるアリーナにて開催される。

「次の日曜の予選は、まあ問題ないだろうが。本番は、やっぱり一筋縄じゃいかねえな」

「DragonもSpiral Kも、速い。Dragonなんて、予選10位から勝った」

「そうだな、オレも観てたが、よく勝ったもんだと驚かされたぜ」

 Dragonは、無名の新人だったのが、この勝利により一躍有名人になった。

「だけどなあ、うぶな性格でSNSやってねーときたもんだから、敵情視察できねえのがなあ」

「まあ、そこは、こじ、こじ……」

「個人の自由、って言いたいのか」

「そう、それ」

「そうだな、強制されたSNSもつまんねえしな」

 Spiral Kことフィチは各SNSに自分のアカウントを持っているが。龍一は持っていない、というわけではなく、持ってはいるが非公開にしてごく親しい者としかやりとりをしない。そのうえメディアにもあまり出ない。

 そのため、知名度はあるが影が薄い印象があった。

 優はそんなDragonを諧謔を込めて伏せる龍、伏龍と言ったりした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ