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【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
44/56

Tokyo Final ――東京決戦――

 彼も一応でもプロでそれなりの知名度もありファンもついてるが、ギャップ萌えでファンになってる人も少なくないと聞く。

 青空と緑広がる草原区間、木陰と木漏れ日交錯する森林区間。レースだけでなくその美麗なグラフィックも堪能できる。ギャラリーの中には100インチ大型ディスプレイに目を奪われっぱなしの人も少なくなかった。

 タイムを見れば、予選時をやや上回っていた。かなりのペースだ。

 前から後ろへと景色は流れゆき。コースも残り3割ほどになった。

「ああ、やば……」

 ソキョンはぽそっとつぶやき。

「よーしよしよし」

 と、優は不敵な面構えでうなずく。

 試合のウェブ配信は第3者視点で映し出されるが。フィエスタがややリード。i20とミラージュがそれに続くという展開になり。

 そして……。

「Honey Bearがトップでゴール! それからSpiral K、Dragonと続きます!」

 冬月が告げる。

 第1レースは、Honey Bearことヤーナの勝利! Spiral Kことフィチは2位、Dragonこと龍一は3位だった。

 その差こそわずかだが。勝ちは勝ち、負けは負けである。

 ゴールと同時に!

「っしゃあぁー!」

 と、ヤーナはタトゥーの入った左腕を掲げ、雄叫びを上げた。

 フィチは鼻先を指先でつっつき。龍一は、ふうと小さく息を吐き出す。

 参加者わずか3名である。表彰台だ、と喜べない。参加者が少ないからこそ、勝利しか意味をなさなくなり、勝負の厳しさが増す。

 第1レースを終え、レース後インタビュー。マイクを向けられたヤーナは不敵な笑みを見せ、

「残り2レースも勝つよ!」

 とタトゥーの入った左腕を掲げて自信満々に言う。龍一とフィチは、

「次から巻き返したい」

 と応えて。

 インタビュアーの冬月やギャラリーにお辞儀をして、裏へ引っ込んだ。

 レースとレースの間に15分のインターバルがある。

 レッドブレイドはヤーナを拍手で出迎えたのに対しウィングタイガーは、ソキョンおかんむり。

「もっと頑張りなさいよー」

 と頬を膨らませている。

 そんな顔を見せつつ、両手にもつ紙コップを差し出す。レモン水とコーヒーを混ぜたレモン水コーヒーが入っていた。

「カムサハムニダ」

 と応えながらフィチと龍一は紙コップを受け取り、レモン水コーヒーを飲んだ。

 程よいあったかさや甘さで、少し落ち着く。

 椅子に座り、次の夜のスペインのターマックコースをどう走るか話し合う。

 コースの長さは16キロ。その中で得意な区間、苦手な区間はどうしてもある。

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