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【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
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Tokyo Final ――東京決戦――

「私が勝つよ」

「勝つのは僕です」

「……。うん、まあ、お互い頑張りましょう」

 とかなんとか少しだけ言いながら、がっつりハンバーグ弁当を食して。食後のお茶やコーヒーで気持ちをほどよく落ち着かせた。

 落ち着かせながら龍一は、

(ん? いいのかな、こんなんで)

 とかなんとか考えた。

 試合時間は1秒1分と近づいてくる。

 パネルはすでに撤去されて、ラリーマスターズ4のオープニングムービーがシムリグや100インチ大型ディスプレイに映し出され。

 一足先にブースに出た北条らスタッフと司会の冬月のり子は、これからラリーマスターズ4のeスポーツの試合が開催される旨を会場に伝えていた。

 それとともに、試合で使用されるシムリグや100インチ大型ディスプレイの説明もする。そもそもの目的が展示で、実際に試合に使用することが強力なPRになるから、試合を開催しようとしたのだった。

 お、やるか、とギャラリーも徐々に集まってくる。プレス証を首から下げたプレスもいた。

 批判覚悟の参加者全落ち前提の予選。伝説のシムレーサー、ケニー・ブレイクをオマージュした超厳しい予選を通過した3人には、eスポーツ界隈から注目が集まっているのは言うまでもなかった。

 北条たち主催スタッフは、ひやひやものだったが。よくぞ通ってくれたと、選手やチームに感謝しきりだった。

「スタンバイお願いします!」

 とのスタッフの声に。緊張と高揚は一気に高まった。

 時間になった。

「これより、ラリーマスターズ4・ジャパンカップを、開催いたします!」

 司会の声が高らかに響く。続いて拍手も響く。

「選手入場です!」

 との声とともに、スタッフの指示で、龍一とフィチ、ヤーナ、ハンドルネームにしてDragonとSpiral K、Honey Bearがブースに出る。

 それぞれチームユニフォームもキメて。その顔はeスポーツプレーヤーであり、アスリートでもあった。

(考えてみたら、オレ、有観客試合初めてじゃん!)

 デビューとなった試合のForza E World GPは無観客試合。以後はオンラインでの試合参加。こうして観客がいる状態で試合に臨むのは初めてのことだった。

 フィチとヤーナはキャリアもそれなりに長いから、慣れたものだった。むしろ観客があることで、

(戻ってきた)

 と思ったほどだった。 

(観客がいるって、すげーことなんだな!)

 無観客の時と違い、明らかに雰囲気は違う。

 色々あるけど、やるっきゃねえ、と自分に言い聞かせる。

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