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【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
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New Challenge ――新たな挑戦――

 それを見て、考えさせられる。

 公表されている情報よれば、本名はヤーナ・アリスタルホヴナ・リュビーモヴァで、ロシアのウラジオストク出身。だから、ロシアの国旗のはずなのだが。

 そうではなかった。

 彼女は母国ロシアがウクライナに侵攻したことに抗議し、ロシア国旗を使うのをやめ、その他の国地域の地球マークを使用することにしたのだった。

 ゲーム内での国旗は好きなのを選ぶことができる。その気になれば龍一が韓国国旗、フィチが日本国旗を使用することもできる。

 だが、酔狂か、よほどの理由がない限りは、母国の国旗が使用される。ヤーナの場合はよほどの理由によるものなのは言うまでもない。

 ちなみに龍一のハンドルネームはDragon、フィチのハンドルネームはSpiral Kだった。

 しかし、ヤーナのことは見かけただけで話をしたことはないので、そんな人もいたね、というくらいの記憶しかない。

 それが、いつの間にか日本のeスポーツチームに移籍して、日本に在住していた。

 彼女のSNSも開いてみる。まだ日本語は得意ではないようで、英語でつぶやいているが。今は便利になったもので、翻訳もできるので投稿の内容も知ることが出来た。

「日本の生活を楽しんでいるみたいだね」

「うん」

 彼女のSNSのアイコンは真正面から撮った自分の顔。燃えるような赤毛で、碧い瞳の鋭い眼差しを見る者に向けている。

 投稿画像を見れば、シムリグに身を預けて、ファイヤーパターンのタトゥーほとばしる左腕の親指を立てて、得意げな笑顔を向けている写真もあった。

 ロシア語ではなく、英語で、ラリーマスターズ4・ジャパンカップに勝つ! と、みなぎる決意を投稿している。

 母国語でなく英語を使用しているのも、侵攻に抗議してのことだった。

 使用するマシンはフォード・フィエスタだ。

「残念だけど、ヤーナさんは3位だ。オレが1位でフィチが2位」

「何を言ってるんだい。僕が1位で君が2位だろ」

「ふふふ、Forza Eのリベンジはさせないぜ」

「いいや、させてもらうよ」

 などなど、好きなことを言い合う。

 ウィングタイガーにはチームオーダーはないので、龍一とフィチはチームメイトであると同時にライバルでもあった。

「う、寒」

 ふと、龍一はぶるっと震え、リモコンでエアコンの暖房温度を上げた。

 季節は冬になって、寒くなった。朝は冷え込み、車のボディやウィンドウに薄氷が張り付く。

 走り込みをしている時は体温も上がってか、寒さはさほど気にならなかったが。走り込みを終えて落ち着くと、寒さを感じ出す。

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