表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
37/56

Tokyo Final ――東京決戦――

 優とソキョンも顔合わせして、優佳を通訳として、言葉を交わす。フィチはヤーナと火花を散らし合っているが、そうではなく愛想と愛嬌を見せる龍一は、いろんな意味で面白い人材ではあった。

 少し言葉を交えて、それぞれシムリグにスタンバイする。

 ゲーミングPCを、100インチ大型ディスプレイを起動させる。

 まだシークレット扱いなので音は小さめで、外に漏れないようにしているが。それでもくうを震わせ腹にまで響く心地よさを感じた。

「すごいなあ、オレのミラより高いんだなあ」

 シムリグのシートに腰かけ、ポジションの確認をしながら、龍一はぽそっとつぶやき。それを聞いた北条は内心笑いをこらえつつ、微笑ましかった。

 Forza E World GPは、それなりの優勝賞金が出て、チームからもそれなりの給与が支給されているはずだが。それに似合わぬ庶民感覚に好感も覚えた。

 4K8K対応の有機型ディスプレイで、その画質の美しさは言うまでもなかった。特に100インチ大型ディスプレイも、斜めから見ても画質にムラはなく。チームメンバーは思わずそっちに目を向けてしまったりした。

 この画面でどのような試合が展開されるのかと思うと、いちゲーム好きとして胸がわくわくするのも禁じ得なかった。

 シムリグのディスプレイは小さすぎず大きすぎずの丁度の大きさだった。小さすぎるのもよくないのはもちろん、あまり大きすぎても目が余計な動きを強いられプレーに支障が出てしまう。

 パネルの外から、ほかの展示ブースからの音も聞こえてくる。ゲームの爆発音やBGMに、人々の声。それらも気持ちを盛り上げてくれた。

 龍一、フィチ、ヤーナは互いに目配せすると、互いに頷き合い。ゲーム、ラリーマスターズ4を起動し。決勝の3つの課題コースを設定し。

 ひとまず3つのコースをひと通り走ってみることにした。

 100インチ大型ディスプレイにもゲーム画面が映し出される。

 予選でも使用されたウェールズのコース。

 ミラージュが、i20が、フィエスタが、3台一緒に、スプリントのように走っている。

「すごい」

 優佳は目を輝かせて100インチ大型ディスプレイに感歎した。

 もともと美麗なCGで絵画のような芸術性も感じさせるラリーマスターズ4だが、ディスプレイのスペックもあって、まるで幻想世界が映し出されて、その扉が開かれて、この地上に降り立ったようだった。それこそ、ウェールズの国旗にあるようなドラゴンが降り立っても違和感なく、そこからファンタジードラマが紡ぎ出されそうな異世界の雰囲気だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ