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【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
28/56

Chase the mirage! ――彼方を追え!――

「……」

 どうしたのドラゴン! あなたらしくない。と、ヴァイオレットガール。

 ショーンも見てるわよ。友達が勝つところを見せてあげて! と、レインボー・アイリーン。

 そんな英語メッセージのメールが届けられていたのだ。

「観てくれていたんだ……」

 龍一はメールを読んで、忸怩たる思いに駆られた。もう新人じゃないのに。なんという無様さだろう。

 ヴァイオレットガールとレインボー・アイリーンが、そんな龍一を見かねて叱咤激励のメールを送ってくれたのだ。

 がばっと上半身を起こし。

 ごめんよ。次こそ勝つよ。と英語で返信し。

 腕を組んで目を閉じ瞑想し。ソキョンの言う通りに勝てるよう、イメージトレーニングをする。

 ピロリんとスマホが鳴る。返信に対しての返信だろうが、今はイメトレに専念して。メールを見るのは走り終わってからにしよう。

 時間になった。

 シムリグにスタンバイする。

「あと2回あるなんて気楽な考えは、なしよ」

 と、ソキョンは鋭い目をして言い。優佳も、同じように真剣なまなざしでうなずく。

「はい」

 龍一とフィチも、同じく真剣なまなざしで言う。

 スタートするを押し、スタート画面になる。

 ミラージュのボンネット、i20のボンネットの視点。

 スタートゲート越しに、ウェールズの青空と緑の草原が広がるのが見える。

「3、2、1、Go!」

 AI音声のコ・ドライバー、フランシス・シェイクスピアの指示の声。

 ミラージュとi20は4つのタイヤを回転させ、砂利をまき散らす音をさせながらスタートした。

 マシンの咆哮とコ・ドライバーの指示の声をヘッドセットで耳にし。ディスプレイを見据え。

 ゲームに没入する。

 クラッシュした5つ目のコーナーも、教訓を生かしクリアしてゆく。

 草原を突っ走り、森林区間に入る。木陰が日をさえぎり視界を悪くする。

 承知していたことでも、目は変化の違いに対応するのにどうしてもある程度の時間はかかる。そこをコ・ドライバーの指示と記憶力でカバーする。

 KBカーは、うっすらと見える。

 だが慌てず落ち着き、今は置いて行かれないようついてゆくことに専念する。

「ふうー」

 と龍一は大きく息を吐き出す。

 KBのミラージュカーを追いかけつつ、ふと、

(そうか、KBカーと同じラインで走ればいいんだ)

 などと考え。うっすらと見えるKBカーをより凝視する。

「……」

 口を少し開けたまま、無言。

(おやおや)

 ソキョンは龍一のミラージュがKBカーと同じライン取りの走りをしようと試みているのを見て、少し感心する。

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