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【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
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New Challenge ――新たな挑戦――

 しかしその美しい景色の中に罠があり、個人的にこれをきれいな罠と呼んでいた。

 空には星たちが光る。月も浮かび、月光を下界にそそぐ。

 丘陵地帯の稜線が夜闇の中に、うっすらと浮かび。ポーズボタンを押し、フォトモードでスクリーンショットすれば、絵画のような芸術性が感じられる画像にもなる。これもまたファンタジーゲームを思わせて、優佳は好きだった。

 しかしこれに挑む者にとっては、ぶっとい剣をかついで魔物に挑むダークファンタジーゲームの中にいるような気持ちだった。

 1つ目の町を抜けてからは順調に走る。ミラージュとi20はエキゾーストノートを夜空に響かせてスペインの舗装道路を駆け抜ける。

 コースサイドのギャラリーもところどころにおり、焚かれる発煙筒の赤い煙も夜闇に浮かぶ。

 下り坂。右に左に曲がりくねれば、左のV字カーブ。ハンドブレーキを引き、スピンターンでこれをクリアしてゆく。

 i20がわずかにリードし、ミラージュがやや遅れてV字を駆け抜けてゆく。

 それから少しして、2つ目の町が見えてきた。これも1つ目と同じように、暖色系のレンガやコンクリート造りの家屋や教会、塔が立ち並んで。家屋の窓やベランダ、コースサイドにて多くのギャラリーが駆け抜けるマシンにやんやの喝采を送っている。

 これも途中から石畳の路地裏になり、レンガの壁が両側から迫るようだ。まず左の直角コーナーがあり、減速しサイドブレーキを引き、スピンターンでクリアしてゆけば、しばしは右に左にいやらしく曲がっている。

 やや遅れている龍一は、遅れを取り戻そうとペースを上げようとしたが。あろうことかコントロールをミスって、膨らんでしまった。

「あ、やべ」

 と言うや、ミラージュは膨らみリアがレンガ壁に当たり、体勢を立て直すためにハンドルを回すがそれもしくじり、今度はインに行き過ぎてノーズを壁にぶつけ、タイムロス。これでそのままフィチがぶっちぎりかと思われたが。

 町をもうすぐ出るというところで、ごく短い右から左の路地裏のシケインがある。

 フィチは減速し、短いシケインに突入するが。

「しまった」

 タイミングを誤り、インすぎて横っ腹を角にぶつけてしまった。さらに体勢を立て直せず、次の左もインすぎてテールのイン側をぶつけてしまって、衝撃からリアがスライドしすぎ、速度を落とし、大きくタイムロス。その間に龍一のミラージュも来てシケインに突入する。

 慎重になったおかげか、ミラージュはうまくクリアしてゆく。

 シケインを過ぎれば町を終えるが、すぐにフィニッシュゲートがある。

 i20とミラージュはほぼ同じタイミングでフィニッシュゲートに飛び込んだ。

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