プロローグ
初めまして、@です。
今回しっかりとした投稿は初めてですが頑張っていこうと思います!
40XX年○月✕日、今まで誰も割ることが出来なかった大地を、一筋の稲妻がふたつに分断した。混沌とする雲の中を金の光が時折姿を見せ、それに遅れて大きな音が何処とも知れず響き渡る。
そんな中、そこには似つかない場違いと思われる真っ黒に光り輝く何かが空からゆっくりと降下してきた。その光は確かに黒いはずなのに不快さはなく、ただただ神々しく見える尊い光であった。
その光は、分断されたちょうど間、割れ目にたどり着くと分断された大地の両方に新たな生命を誕生させた。片方に人間、もう片方には魔族。その日、荒地が広がる何も無い台地に初めて生命が誕生した。
それから約4万年後経った今。魔族の生まれた地『フェルナンド』と人間の生まれた地『デオグラフィア』の割れ目は簡単には行き来できないほどに広がっていた。
魔族の地『フェルナンド』には更に七つの国が出来ていた。赤の国『レディスト』、橙の国『オランジスタ』、黄の国『イエリツィア』、緑の国『グリストファ』、青の国『ブルボア』、藍の国『インディゲート』、紫の国『パープリジア』。そして、それぞれを治める魔王もまた存在する。
魔族の地『フェルナンド』では、数年前に大きな戦争が起こった。大陸外にある小さな島国を巡った領土問題から起こった、後に「エルトスの紛争」と呼ばれるこの戦争では、黄の国、青の国、紫の国の三国が争った。最終的にこの島には不干渉だという形で条約を結び終結したこの戦争は、当然被害をもたらさないことなどなかった。どの国も大きく疲弊し、結果三国の国王が全員命を落とす結果となってしまったのだ。
それでは次に誰が国を治めるのか。普通ならば揉めるところであるがしかし、フェルナンド内では起こるはずのない揉め事である。
フェルナンドには決まり事があった。その名も、魔王代替わり制。その決まり事の中に、「いずれか太陽失ひしに、闇より影見付くべし」というものが存在する。つまり、魔王が命を落とす時、その魔王が新たな魔王を選ぶ、ということである。その決まり事があったために、今までも揉めたことは無い。フェルナンドでは魔王が絶対であり、魔王が全てである。そのために反発など起こりえないのである。
その日、エルトスの紛争により青の魔王が命を落とした日、新たな魔王が青の魔王の城に姿を現した。青の魔王『ラゲルト』。それが、前代青が選んだ魔王の名前である。