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気付かない先輩と気付いてほしい後輩

作者: 榎田 健也

先輩:主人公。鈍感。


後輩:ヒロイン。かわいい。


作者:とある声優さんのファン。

「上田かなぁ……それとも下田かなぁ……」


 文芸部のせっまい教室でラノベを読んでいると、隣で同じく文庫本を読んでいた後輩の女子がとつぜん呟いた。

平和が遠ざかりそうな予感。


「急にどうした……叩けば直るか?」


 たまに言動がおかしい時があるが、ついに壊れてしまったのだろうか。


「叩けば直るとか大昔の価値観ですよ。最近はソフトに、時にハードに揉みしだけば直るんですよ、さあどうぞ!」

「俺が捕まるわ! 尻を突き出すな!」

「安心してください、別に先輩を強制わいせつ罪と準強姦罪で訴えませんよ。慰謝料の準備も必要ありません」

「そうか、ならさっさと席に着いて増田だか森本だかの説明をしてくれ」


 徐々に気になってきてしまったんだが。


「人の名前にはルビを振るのが常識ですよ」

「おめぇが振ってねえからだよ! いつまでボケにおんの!?」


 ボケが積み重なってツモってる。

 というか、メタネタに走るには早いですよ。ん? 東野(ひがしの)かな、それとも西野(にしの)だったか?


「……さっき告白された人の名前について悩んでただけですよ」

 

 告白したのに名前覚えられてないとかかわいそうだなソイツ。

 うわぁ、引っ張ったわりには面白くなさそおおおおおおおおおい!?


「こ、告白されたって何をだ? 性癖? 性癖だよな!?」


 ちなみに俺は元気な年下がタイプだが、今はどうでもいいな。


「告白は告白ですよ。好きだって言われたんです。断りましたけど」


 相手が格闘家でお前に隙があったんじゃねえの?


「先輩、隙です」

「タッコオオオオオオオオオ!」


 悪質なタックルをしてきた。そして心を読みやがった。たまげたなぁ。


「もし、の話だぞ? アイエフ、ちゃんとしたイフの話だ」

「そんなに恐れてるんですか? 私が告白されたこと」


 畏怖じゃねえよ。マジで高校生かお前。ゲームでもなんでもいいから英語に触れとけ。


「……アホの子を見るような目を止めてください」


 アホなんだから仕方ねえだろ。


「ifの意味ぐらいわかってますよ。私の話聞いてどう思ったか聞いてるんです」


 どう思ったか……?


「一発殺っちまおうと思った」


 俺の後輩を毒牙にかけようとしたヤツには死を与える方針だ。

 ……なんか暑いな。気温アガってる? 


「……それが聞けただけで十分です」


 おい、それ録音アプリ……いつの間に――


「殺害予告を録音しやがった!」

「大事に取っておきますよ、先輩」

「裁判の証拠に使われたらドボンなんだけど!」

「大事に……ですよ! 先輩!」




 ぎゃあぎゃあ騒いでいる間、二冊の文庫本は寄り添うように閉じられていた。

元ネタ解説(好きなネタの詰め合わせ)


上田かなぁ:ファンなら、なぜ今日気づいた。


平和:ピンフ。麻雀用語


遠ざかりそう:遠坂りそう。読み方注意。


ソフトに、時にハードに:次ゲームネタ来るよ、という伏線。


強制わいせつ罪~慰謝料の準備:攻略サイトネタ。


増田だか森本だかの説明:ゲーム会社ネタ。


徐々に:攻略サイト繫がり。


「人の名前~:おめぇがルビ、ボケニオン。


ツモってる:自摸。麻雀用語。


メタネタに走るには早いですよ~そおおおおい!?:あら西野君、まだ早いですよ。


東野かな~:漫才も好き。


先輩、隙です:ラグビー。たまげたなぁ。


悪質なタックル:ラグビーではない。


アイエフ、ちゃん:Vがムズい。


高校生かお前~:英語ゲームアプリ。タイトル画面から動けなくなってやめた。


一発:一発。麻雀用語。


方針:ホーシン。当初は「あんな~スタンバイ~」とかあったけど無理くりだから止めた。


アガってる:アガり。麻雀用語。


ドボン:点がマイナスになった時。麻雀用語。


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