表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女御子ちゃん(仮)  作者: ミラ・ミス
7/25

魔法少女らんらん

突然だが、皆さんは魔法少女の日常を知っているだろうか。

これは魔法少女歴20年のベテラン少女?の日常である。


「なぜ太陽は毎朝律義に昇るのだろう」


私の名前は早乙女蘭子、10年ぐらい前までは魔法少女らんらんとして活動していたのでそっとの方が馴染みがあるかもしれません。

らんらんは黒歴史です。現在はOLをしていますが、一応魔法少女が本業です。

朝はしないとうるさく言われるメイクを施し、一応ご飯を食べて7時に出勤する。

正直ご飯の味なんてここ数年感じていない。これが魔法少女になった者の運命なのだろうか。


同期だった魔法少女は10年前には結婚して引退。後輩たちも大体結婚して引退。

魔法少女は結構モテるのだ。私?私は結婚しないだけ。

別にモテない訳ではない、仕事を優先しているだけなのだ。

別に結婚できなくても悔しくなんてないもん、だって私は花の魔法少女なのだから。


朝8時、会社に出勤してからは大体パソコンに張り付き、上司にお茶を汲み、上司に怒られ、部下に舐められ、お昼は抜いて残業し、23時頃に帰宅する。


この間に私のパートナーの祭ノ舞夏ノ空が偵察、ワルガキを見付け次第私が駆けつけて討伐し会社に戻る。

会社は魔法少女の理解が少しあるので、私が少し仕事を抜けることは特に咎められたりはしない。

なぜなら昔社長の娘さんをワルガキから救い出したのが当時入社1年目だった私なのだから。

でもそれで仕事が楽になるわけでもなく、まず社長は普段会社には居ないので他の者にとっては全然関係ないので、たまに小言を言われたりもする。

それでも表立って何も言われないのは社長の計らいなのだ。

部下にも2日に一回は30分程度仕事中に抜ける私に対していい感情を持っていないのか完全に舐められている。


ここ最近は会社にテロリストが現れて私が魔法でちょちょいと撃退してやる妄想とぶちギレて魔法でぶっ飛ばす妄想で一日を凌いでいる。

ってかぶっちゃけ休みが月3回は少ないと思う。

時間も9時~17時なのに大体は上司の世話の為に8時には出社して、謎の残業で帰るのは23時頃。

正直辞めたいけど、魔法少女だけでは食べてはいけない。

ってかワルガキ退治したら金をくれ!私は謎のポイントよりもお金が欲しい。

マツリにお金をお願いしたら「これっぽっちのポイントではお金は出せないのよ、でもポイントが貯まれば一生遊んで暮らせるだけ出せるのよ」なんて言い出す。

一生遊んで暮らせるだけのお金より明日を生きれるだけでもいいから小分けにして出してほしい。


魔法少女もそう楽なものではない。20年で過去に私の後輩は2人死んでいる。それ以上に純潔や清純さが無くなり魔法が使えなくなり引退した者の方が多いが。

それでも知っている限りでは2人亡くなっている。内一人は私の目の前で、私を庇い亡くなったのだ。

私は彼女の為にも魔法少女を辞めることはできない。だから会社は辞めたいのだ。


多分もうすぐポイントが貯まる。あれから15年も経ったのだ、これだけの年月頑張ったんだ。

サキ、待っててね。




魔法少女早乙女の魔法はファンシーなものが多い。

らんらんハートブレイク。

らんらんプリティーアロー。

らんらんキラキラシャワー。

らんらんミスティックプリズム。


だが、これらの技はもう10年ほど使ってはいない。

黒歴史だと完全に封印してしまったのだ。

あの禿げ絶対〇すビーム。

お前にだけは言われたくねぇよ砲。

私だって〇〇〇(自主規制)。

くぁwせdrftgyふじゅいこlp;@:「」(精神崩壊中)。


決して言葉にはしないが、心の内ではもう必殺技の名前は完全に変わり果てている。

これだけ荒んでいても清純さも純潔も失われない。それだけの意志を早乙女は持っている。

だが仕事は辞めたい。もういっそのことニートがしたい。

ぶっちゃけ数年生きていけるだけお金はあるのだ。でもそれは自分一人ならの話である。

確実に養わなければならない人間が増えるのが分かりきっているので仕事は辞めるに辞められない。

でも辞めたいのである。


「御子ちゃんだっけ、ワルガキ初討伐できたらしいね。なかなか有望そうな新人さんで私は嬉しいな」

「でもあのサクラがパートナーなのよ?貴女がちゃんと教えてあげないときっと何もわからないのよ。あの子お喋りは好きなくせに重要なことはすぐ忘れるのよ」


新人教育は基本。でも教育係って報われないのよね。

会社ではすぐに部下に舐められるし、魔法少女はすぐに結婚する。

ってか高校生ぐらいで確実に処女じゃなくなって「魔法が使えなくなっちゃった~」とか言い始める。

正直勘弁してほしいものだ。パートナーから説明を受けるでしょう。

私も最初に一度説明するのだけれど、ほとんどの子は聞いていないのだ。


でもそれもしょうがないのかもしれない。

魔法少女とは、恋をすればするほど強くなる。

そして年を重ねれば重ねるほど強くなる。

10年も魔法少女を続けるのは難しいだろう。私以外に見たことがないから。

過去にも私ほど長く勤めている人は居なかったとマツリも言っている。


そして私の片思いの対象はもうこの世にはいないのだ。

別に無理に故人を好きになっているわけではない。彼以外に考えられなかったのだ。

後にも先にも私にあそこまで優しくしてくれて私に関わってくれる人は彼だけだろう。

私は生きている時間の半分以上は彼を思い続けている。これだけの想いと年齢で勝てないワルガキはそういないであろう。


いつかまた三人で。

不穏な雰囲気を出すだけ出しておこうと思った。

あと早乙女でらん〇だからって水を被ると女の子になっちゃうんです(コテン)とはならないです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ