表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女御子ちゃん(仮)  作者: ミラ・ミス
6/25

ぬいぐるみの振りは必修科目です

魔法少女の朝は早い。

4時に起きて朝食とお弁当の仕込みをする、そして4時半にはおかずをお弁当にセットし粗熱をとっていいる間にランニングに出掛ける。

毎朝30分程度一定の速度で走り帰宅。

普段なら少しの時間で読書をしたりちょっとしたお菓子なんかを作る時間なのだが、最近はもっぱら魔法の練習に充てている。


まずは私の必殺技パート1、魔法のステッキの先端に魔力の刃を作る。

この刃を相手に突き刺しステッキを捻ると相手の体内で魔力爆発を起こし爆散させるのだ。

完璧だ。完璧すぎて私は自分の才能が恐ろしい。

だが油断は禁物なのだ、なぜなら虫相手ではこの技は封印せざるを得ない。

なぜ?それは超至近距離で爆散するからなのだ。


では私の必殺技パート2をご紹介しよう。

この必殺技も私の最高傑作にして、対虫用決戦扇でもあるのだ。

胸のブローチを取り外しステッキの窪みに嵌め込む、するとステッキにトリガーが出現する。

ステッキに魔力を大量に流し込みトリガーを引き絞る。

ステッキを向けている方向に超高濃度魔力砲が射出されるのだ。

名付けて「ライトアンドデストロイ」相手は死ぬ。


私はまたつまらぬものを生み出してしまったみたいだ。

マスクももう少しかっこよくしよう、今のままでも最高にかっこいいけどまだ足りない。

羽を付けよう。赤を基調に白い羽を装飾して、真ん中に緑の宝石…は無いので駄菓子屋で買ってきた緑のキラキラを嵌め込もう。


「完璧だ!」

「お姉ちゃんそろそろご飯食べないと遅れちゃうよ~」


つい熱中していて時間を忘れてしまっていた。

ってもう7時過ぎてる!急げ急げ~。


私はご飯を急いで食べて7時40分頃に家を出た。

学校までは役20分、8時には着くかどうかというところである。

そこにサクラちゃんが颯爽と現れて私のカバンで首つり自殺を図る。

否、知ってる者にはまるで自殺の様な光景ではあるが、これはストラップのつもりのようだ。

こんなデカいストラップを付けてたら普通に邪魔だしカバンを机に引っ掛けたときに地面に接してしまうので当然汚れるだろう。


でもサクラちゃんはストラップであることに謎の喜びを覚えてしまったのだ。

「ワイより擬態の上手いやつはおらんねん」とは彼の言葉である。

因みにここ数日私は女子のお友達が結構増えた。

というよりも、元々仲は良かったのだが距離が凄く近くなったのだ。

去年までは勝手に髪を弄られて玩具にされたり、メイクの練習台にされたり、ショッピングに男手が欲しいのなんて言われて着せ替え人形にされたりだったのが、今では一緒にお菓子を食べながら談笑して、抱き着かれてはシャンプー何使ってるの?とか御子ちゃんはいい匂い~っていいながらクンカクンカされる日々を過ごしていた。


「御子ちゃん!ワルガキや、魔法少女出動やで!」


ストラップの擬態している意味。


「キャー何この子!それに御子くん魔法少女ってなに?」

「ちょー離してぇや!今世界の危機が迫っとるんやで!御子ちゃん、変身や!はよ終わらせな授業始まるでぇ」


どうしてこうなってしまったのか、これが分からない。

どうして私はクラスメイト全員の前で公開早着替えを強要されているのか。


「さ、サンライトパワー!ウェイクアップ!」


いつもの変身バンクが今日はいつもよりキラキラピカピカしていた気がする。

変身が終わった瞬間今朝完成した出来立てほやほやの超かっこいいマスクを装着する。

顔が隠れてるとなんか少し恥ずかしくないかもしれない。

いややっぱり恥ずかしい。だって目の前で変身してマスク装着してるし。


「仮面ヒーローコミギラ!貴方の運命は私が決めます!」


半ば無理やり教室を飛び出しワルガキの元に向かう。

今回は絶対に手加減しないよ、今の私は赤く燃えている!!!


ワルガキを確認した瞬間に魔法のステッキを取り出す。

相手は狸型、今回の私に不可能はない。

必殺ボンバーステッキを突き刺しステッキを捻る。

ワルガキの体が膨張し体から一瞬光が漏れだした後に爆散。

私の体は魔力壁を展開し守られるのであとは振り向きポーズを決める。


「決まった…」

「せやけど今回登場時のセリフ無しに不意打ちで仕留めてよかったん?なんやどっちが悪者かわからん勢いで無残に瞬殺するからお兄さんちょっと怖かったんやけど。でも御子ちゃん初めてのワルガキ討伐やなぁ、なんやちょっと感動してもうたわ。この調子でバンバン活躍してワイの封印を解いてくれ!」


完全い忘れていた。クラスメイトの前でどや顔で決めポーズに決めセリフを決めたのにこっちは完全にわすれてしまっていた。御子、一生の不覚である。


「お姉ちゃん!戦うんなら私も呼んでくれなきゃ!私はカメラ役なんだからねーーー!!」


莉子よ、お兄ちゃんはあまり撮られたくはないんだよ。

でも可愛い妹の自主性は尊重したいので否定はしない。

少し私が恥ずかしい目に遭うだけで妹が楽しいなら私は甘んじて受け入れよう。

でももしかしたら私が妹離れするのはそう遠くない未来なのかもしれない。

ぶっちゃけ動画を残すだけならいいけど、ネットに投稿されたら流石に怒っちゃう。


「授業が始まるから戻るんだよ、次からはちゃんと読んであげるから。ね?」

「わーい!お姉ちゃん大好き!」


熱烈なハグを後に変身を解除して何食わぬ顔で教室に戻る。

それはもう何も聞くな、話しかけるなってオーラをバンバン出してすまし顔で自分の席に座った。

そして胸元に抱きかかえていたサクラちゃんを何食わぬ顔で机の上に置き。


「悪は滅びた!この学校は御子ちゃんのおかげで平和や!」


私は精一杯の腹話術を披露してサクラちゃんをカバンに付けなおした。

だが、この際少しの仕返しとして紐をキツめに縛ったのはご愛敬だろう。


次の休み時間は珍しく孤独な時間を過ごした。

先ほどの変身騒動はなかったものになったのはよかったが、やはり唐突に教室で腹話術をし始めるのは相当に痛い奴だったのだろう。

遠巻きにひそひそとこちらを見るクラスメイトに胃が痛い思いをするのだった。


サクラちゃんには某黄色いカエル(カエルじゃない)と緑の怪物みたいな感じのコミカルさを求めている。

関西弁の理由は名前がサクラちゃんなことが主な理由だけど、求めてるのは緑の怪物の中の人だったりするんだけど。

でもギャグみ出すのは難しいんですよね、あと一度喋りだすと早口で一生喋り続けちゃうのでうるさいです()

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ