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魔法少女御子ちゃん(仮)  作者: ミラ・ミス
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男の子は魔法少女に入りますか?

程よい微睡みの中目覚める。

昨日は酷い悪夢を見たものだ。私が女の子になって関西弁を喋るぬいぐるみに謎言語を語り掛けられる。

非現実過ぎて意識を手放したんだっけ、あはは。

頼むから夢であってくれと思いながら右手を動かそうとするが若干痺れてるし何かに抱きかかえられていた。

そういえば妹と一緒に寝てたんだった。ふふふ、我が妹ながらなんと天使な寝顔なのだろうか。


「なんや幸せそうな中悪いんやけど、そろそろワイの話聞いてくれん?昨日はファーストコンタクトでは投げられるし二回目は気絶するんやもん。お兄さんホンマビックリするわぁ、自分そんなんやと将来とか偉い人になれんで?ほな状況悦明からしたいんやけど、今の状況理解しとる?ワイの名前とか憶えてくれてたら嬉しんやけど。」

「サクラちゃん…だっけ?」

「せやせや!なんや気失っとったけどちゃんと覚えてくれとったんやぁ。偉いやんけ!お兄さん褒めたるわ。ほんでもって本題なんやけど、御子ちゃん、自分には魔法少女になってもらいたいんやけど。自分やる気とかあらんか?まあやる気なくてもやってもらわな困るんやけどな~」


なんか物凄い早口で関西弁を捲し立てるぬいぐるみがいるんだけど。

しかもあまりの勢いに全然相槌も入れられないのに一人でどんどん話すし。

魔法少女って何よ、私は男の子なんですけど?男の子は魔法少女に含まれますか?答えは否でしょ。

魔法少女じゃなくて魔法少年じゃない?ってかやっぱりあれが消えてるんですけど。

今の私ってもしかして正真正銘の魔法少女なの?ニチアサじゃあるまいし、こんなマスコットが…ってかよく見たらこいつ浮いてるじゃん。

マスコットって関西弁で宙に浮いてるのがデフォなの?また理解が追い付かないから気絶してしまいたいんだけど、流石に寝起き一発目でふわっとした声なのに嫌に威圧感のある関西弁で物凄いパワーワードの応酬は朝から堪えるんだけど。


「私は男で魔法少女とやらにはなれないと思うんですけど」

「何言っとるねん!自分からはビンビンに魔法少女パワーを感じるで!元来魔法少女パワー言うんは18歳未満の女の子にしか宿っとらん不思議なパワーでな、男には基本的に発現せぇへんねん。だから自分は正真正銘の魔法少女っちゅうわけなんや。女の子には不思議なパワーがあるんやで、それが神秘ってもんや。まあ清い心を持ってないと魔法少女パワーは無くなってまうんやけどな。最近の子は進んどるから10歳前後で既に結構荒んでるから魔法少女を探すのも大変なんや。ワイも下手に魔法少女には死んでほしくないからあんまり無理強いはしやんねんけどな、でも自分には物凄い才能を感じるんや!普通ならあり得んようなことやけど、30歳前後で清い心を持った処女みたいなレベルの凄いパワーを感じる。ワイと一緒に世界を救おうや!」

「お姉ちゃんうるさぁい」


サクラちゃんが力説いていると莉子が鬱陶しそうにしながら起きてきた。

うん、今日も最高に可愛いぞ、我が妹よ。


「何この不思議生物!飼っていい!?」

「やめときなさい。きっと危ない病気とかもってて触るとキラキラのピカピカにされちゃうよ」

「こんなプリチーなワイを捕まえて病原菌扱いはやめえや!あ、ワイサクラちゃんって言うんやよろしゅうな。御子ちゃんの妹で莉子ちゃんやんな?お姉ちゃんな、今日から魔法少女になるねん。んでもってワイがお姉ちゃんのサポートするマスコットキャラクターってところや。今は封印食らってこんななりやけど、ホンマはめちゃんこかっこええ姿しとるんやで?もっとデカくて羽もずびゃーんって感じでこう…だからワイが御子ちゃんと一緒におったら毎日面白楽しくなるで!だからお姉ちゃん説得してほしいなぁ」

「だってさ?魔法少女になるの?見てみたいなぁ」


妹が物凄くキラキラした目で見てくる。

こんなのって反則では?でも魔法少女ってなんかふわふわキラキラひらひらした服とか着るんじゃない?私にはちょっと荷が重いよ、妹よ。


「魔法少女になるって具体的には何するの?私怖いのとかはちょっと遠慮したいんだけど」

「心配いらんで!先輩魔法少女なんかも今は一人だけおるし、敵って言ってもここ最近はワイぐらいのサイズの小さいのしか出てきてへん。ちょちょちょいってすれば倒せる程度なんや、まあそれでも放っておいたらこの星ごと消滅~なんてこともありえる強敵にかわりはないんやけどなあ。いざとなったら一回ぐらいならワイが封印を解いて戦ったるから安心しい!ってもホンマに一回ぐらいしか封印解かれへんねんけどなぁ」


何やら小型の動物?を倒す作業をこなすのが仕事らしいけど。今の状態のサクラちゃんにはちょっと難しいから代わりに戦ってくれってことだよね。

なんで私なのか。でも放っておいたら地球ごと消滅って相当危ないでしょ。

アニメなんかでは最初の頃はそんな感じで少しずつ戦闘に慣れて、慣れた頃にはどんどん敵が強くなってきて、最終的には世界の危機を救う大規模な戦いに発展する。


「私の働きが世界の命運を分かつなんてそんなのできっこないよぉ」

「なんや誰もそこまで言ってへんやん。ちょこ~っと雑用押し付けとるだけやって。それにある程度浄化してくれたらちゃんとお礼もするで?例えばポイントが貯まったらそのポイントに応じたお願い事とか叶えたるわ!過去に叶えられたお願いの例としては、誰それを生き返らせてほしい。誰それの怪我、病気を治してほしい。若返らせてほしい。とかそんなぐらいなら何とかなるで」


死者蘇生に若返り…それって。


「男に戻りたい…とかでも叶う?」

「男になりたいんか?でも男になられたら魔法少女として活動できやんくなるやん?う~ん。後任を育ててそれなりの活躍をしてくれたらできやんことは無いとは思うで。でもワイとしては男になられるのは困るなぁ」

「ってか私を女の子にしたのってサクラちゃんが原因じゃないの?」

「御子ちゃんは元から女の子やないんか?ワイ5年ぐらい見せてもらってたけど完全に女の子やと思っとったけどなぁ、昨日も急に魔法少女パワーが何倍にも膨れ上がって力が溢れまくってたから説明に来たんやしなぁ。ってか御子ちゃんよく見たらなんかさっきからめっちゃ力の制御熟上手ない?ってかその力どうするつもりなんかな?お兄さんちょっと怖いわぁ、な?一回落ち着いて話し合おうや、な?」


なんか理不尽な出来事にもう耐えられなくなって体にあった「なんか不思議な感覚」を掌に集めて遊んでたらサクラちゃんが狼狽え始めた。あれ?これもしかして魔力的なやつ?ピンク色でほわほわしてて綺麗。

おもむろに掌をサクラちゃんの方に向ける。


「ちょま」どうにでもなれ~って思ってたら魔力が射出されてサクラちゃんに直撃。

丁度窓の方にいたのでそのまま見えなくなるまで彼方に飛んで行ってしまった。

でも私悪くないよね?だってよくわからないんだもん。

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