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魔法少女御子ちゃん(仮)  作者: ミラ・ミス
2/25

マスコットは関西弁ってお決まりでもあるんですか?

信じられない。私が女の子になって、しかも魔法少女として戦う使命?夢に違いない。

私はただでさえ女顔でからかわれてきたのに、本当に女の子に?でも確かに母が知っていたのなら、一人称で口うるさく言われたり、服もなんかちょっと女の子っぽいものを着せられているとは生越思っていた。思ってはいたけど。


現実を受け入れられなくてそのままふて寝。

起きたら布団が大洪水に…なぜ?この年でおねしょ…。

しかもあれは戻ってはいなかった。

寝たのに、夢から覚めたのにあれは戻ってこなかった。

とりあえず証拠隠滅を図ろうと起き上がった時、それに気付いた。


「ぬいぐるみ…?」


なんかもっふもふの猫っぽいのが足に捕まって寝ていた。

もしかしてマスコット的なやつか?こいつが私のあれを無くした元凶…?

視界に捉えた瞬間頭を鷲掴んで窓を開ける。


「あれを返せぇぇぇぇぇえええええええ!!!」


スッキリした。

でも声に気付いた母におねしょがバレてしまい無事死亡。


「中学生にもなっておねしょなんて」


涙目になりながら車に揺られる。女の子になってしまったので学校に何やら申請?をしなくてはならないらしい。

性転換症なんて対応しているのか?まあ別にいいんだけどさ。

ふと窓に反射した自分が見えた。


「あれ?あれ以外何も変わって無くない?」


下半身の一部以外に特に変わってる部分がない?あれ?顔そのまんまなんだけど?これじゃ女になりました~なんて言っても誰も信じてもらえない気がするんだけど。

顔をむにむにしていた手を少し下にズラして胸を触る。

心なしか柔らかい気がする。

あとなんかちょっと乳首が痛いかもしれない。


「着いたわよ~」


学校に着いたら私は軽く校長先生に挨拶をして暇をつぶして来いと追い出されてしまった。

今日は部活なんかもやってないだろうから人もいないしどうすればいいんだ?

当てもなく廊下を歩いているとクラスメイトの加賀美さんが歩いてきた。

こちらに気付くと笑顔で手を振ってくれる。


「こんにちは、奇遇ね。こんな日にどうしたの?」


軽く事情を説明すると少し驚いて考え込む加賀美さん。

加賀美美代(かがみみよ)さん

長い髪を後ろで束ねて眼鏡をかけている美人さんだ。

友人が一度告白して玉砕したことがあった。あの時は慰めるのに苦労したかな。


加賀美さんは少し考えた後、「本当なの?」と呟いた後後ろに回り込み胸を触ってきた。


「あっ!ちょっと何するのさ!」

「御子くんって仕草とかそれっぽいからそういう人なのかな?って思ってたんだよね」


なにそれめっちゃ心外なんだけど。

もしかしてもしかしなくても他の人にもそんな認識されているのかな?


「確かめるのに下を触るのは少し憚れるのだけど。一応確認するけど、本当に女の子になっちゃったの?」

「不本意ながら本当だよ、あと下は絶対触らないでね?っていやん!」


わりと躊躇なく触ってきた。

それもあれがある前提の手つきで触ってきた。

でも無くなってしまっているので変な具合に指が当たって変な声が出てしまう。


「あれ?本当にない…?御子ちゃん?」

「…」


だから言ったのに!でもちゃん付けで呼ばれるのは結構精神的に辛いものがあるのでやめていただきたい。

赤面して無言で俯いていると母に呼ばれた。


「じゃ、じゃあまた学校でね」

「ええ、さようなら」


その後制服の採寸をしたりブラジャーを買うことになったり、下着も女性ものに変換したり、服をとっかえひっかえで大量に買われたりと大変だった。

服、下着、靴、小物、そして何に使うかわからないオムツみたいなやつ。

何も持っていなかったみたいに大量に購入して帰宅する。


私はこれからどうすればいいのだろうか、精神的には30代の男なのに、今は体は女の子になってしまった。

でも本来ならハードボイルドに吠えている様な精神年齢のはずなのに。


「お兄ちゃん今日はなんか可愛いね!どうしたの?」


帰ってきたら女の恰好をしている私を妹が不思議そうに問いてくる。

妹の如月莉子(きさらぎりこ)一つ下でいつも私の服や物をねだってくるちょっと困った兄妹だ。

いや、今は姉妹になってしまうのか?


「お兄ちゃんは今日からお姉ちゃんになるのよ~」

「お兄姉ちゃん!?」


人をオカマみたいに言うのはやめなさい!って言おうと思ったけど今日はもう疲れてしまったから休みたい。


「今日はもうお風呂入って寝るよ、ご飯は要らない」


お風呂。

お風呂…。

お風呂!?


女の子ってどうやって体を洗えばいいんだ!どうしよう?どうしよぉぉぉぉぉぉおおおおおおお。


「莉子~ちょっといい~?」

「お姉ちゃん!どうしたの!」


尻尾が付いてたらはち切れんばかりにブンブンと振ってそうな勢いで妹が入ってくる。


「女の子ってどうやって洗ったらいいのかなぁ」


涙目で上目遣い。

決して狙ったわけではなかったが妹にはクリティカルヒットだったらしい。

「本当におち〇ち〇無くなってるんだね~」なんて言いながら一緒にお風呂に入ってくれる妹。

髪のケアの仕方は同じみたいだ。体も概ね一緒。

ただあれのあった場所はデリケートらしくてあまり触らないように丁寧に洗えとのことだった。


おしっこの出る穴とその周辺を綺麗に流して殆ど触らずに洗う。

おしっこの後も強く擦らないように何度も注意を受けてしまった。

少しの油断が命取りになると言われたのだ。

女の人は美容だのメイクだの大変だとは思っていたけれど、トイレやお風呂にもこれほどまでに気を遣うとは思わなかった。


「莉子~ありがとぉ、助かったよ」

「お姉ちゃんのためだからね!お礼代わりに今日は一緒に寝ちゃダメ?」


快く承諾して先に部屋に行く。

妹はご飯を食べてからくるみたいだ、私はもう寝たい。まだ夢だと信じている。


部屋のドアを開けると何もない真白な空間だった。

呆然と立ち尽くしていると声が聞こえる。


「お前ワイのこと投げ飛ばしたやろ?なんもわからんやろうから色々説明したろう思てスタンバってたら寝てもうただけやんけ!こんなプリチーでイケイケなぎゃんかわ猫ちゃん投げ飛ばすって自分ホンマ人の心はないんか?あ、因みにワイの名前は桜ノ道春ノ歌っちゅうんや。気軽にサクラちゃんって呼んでくれてもええんやで。ほんで本題なんやけど…」


私はもう何も考えずにその場で気絶した。だって理解が追い付かないんだもん。

マスコットキャラって関西弁で早口ってイメージ持ってるのは私だけでしょうか?

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