魔法の訓練には危険がつきもの
ゴールデンウィーク、私は朝から近所の山まで来ていた。
「この辺なら滅多に人も来ないよね。よーし!頑張るぞ、おー!」
今日は魔法の扱いの特訓に来ている。勿論サクラちゃんも莉子も一緒だ。
まずは昔見たことのあるアニメで制御の練習?にやっていた空き缶に魔力弾を当て続ける訓練をやってみる。
これがなかなかに難しい。
一時間ぐらい練習してやっと上に投げた缶に魔力弾を当てられるようになった。
まだまだ狙って当てるのは難しいのかもしれない。
因みにこの訓練を始めてすぐはサクラちゃんは「なに意味不明なこと始めとるんや?意味あるんかいな」と少し馬鹿にした様子だった。
莉子も莉子で謎の瞑想を始めた。
でも魔力の制御って結構難しいんだよね、だからこの訓練は結構いいかもしれない。
お昼には持ってきていたお弁当を三人…二人と一匹?いや、三人だな、三人で仲良く食べた。
そして今日が初めて一日丸々魔力を使い続けるという行為を取ったからなのか物凄く疲れた。
これが噂に聞く魔力枯渇状態の疲労感…と思ったけど、魔力は全然平気だったりするんだよね。どっちかというと立ちっぱなしで缶を上に投げて落ちた缶を拾って…って作業がしんどかった。
そんなこんなで毎日山に通いゴールデンウィークも終わりに差し掛かった。
「お姉ちゃん!見て!私も魔法使えるようになった!凄い?ねえ凄い?」
「サクラちゃん…あれどういうことなの!?」
「ワイにもわからん。莉子ちゃんはもしかしたら化け物なんかもしれん」
人の可愛い妹を化け物扱いはやめてほしい。
でも本当になんで莉子まで魔法を…。
もしかして兄妹で魔法少女ってことになるのか…?
「でも魔法少女じゃないからワルガキにはダメージは与えられへんやろうなぁ。魔法少女ってのは因果とか摂理とかの次元やから。魔力を持ってて魔法が使える程度やと、目くらましとか逃げたりできる程度やろう。でも素質がありそうやから未契約の精霊見付けたら魔法少女に勧誘やな!まあ野良精霊なんて早々おらんけどな~」
そんな話をしていると視界の端に物凄い違和感を覚える。
莉子が空を自由に飛んでいた。
それはもう魔法少女って感じにふわふわと。
「これ御子ちゃんより才能あるんちゃうか?変身もせずに空飛んどんで。ってかどんどん速度上げてるけど大丈夫なんかいな?それにあの高さから落ちたら流石に怪我するんやない?」
「莉子ーーーーーー!!!!!降りてきなさーーーい!流石に危ないよ!」
「だーーーいじょーーーぶーーーーー!!!気持ちいよーー!!!お姉ちゃんもおいでよーーーー!」
妹をこんな場所まで連れまわして怪我でもさせたら兄の沽券に関わる。
1も2もなく飛行魔法を使う。
だが失敗してしまった。
飛行魔法を使う。
だが不発だった。
私には飛べないんだけど。どうすればいいの?どうすれば…。
そうだ、魔力で足場を作ればいいんだ!これもアニメで魔法少女がやっていた気がする。
飛ぶイメージは全く湧かないけど足場なら何とか…。
飛行魔法(足場生成)を使った。
だが失敗してしまった。
飛行魔法(足場生成)を使った。
だが失敗してしまった。
イメージが不安定で足場が固まらない!ふにゃふにゃで踏み抜いちゃうんだけど!
そうこうしてる間に莉子の魔力が切れたのか悲鳴と共に落ちてくるのが見える。
「きゃあああああああああああああああああああああ」
「このおバカああああああああああああああああああ」
さっきの足場魔法のふにゃふにゃをすごく大きくしてクッションにする。
今度は家あるバランスボールを思い浮かべて…お願い。
莉子を魔力が包み込み柔らかく受け止める。
今度は踏み抜くこともなく成功…と思いきやそのまま勢いよく跳ね返した。
バランスボールって良く跳ねるよね。
「莉子おおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「おおおおおねええええええちゃああああんんんんん」
跳ね返った莉子は最後の魔力を振り絞ったのか再度浮遊する。
そのままふよふよと降りてきてへたり込む。
「このおバカ!もうちょっとで怪我するところだったでしょう!」
「えへへ~でも私もお姉ちゃんの役に立ちたかったんだよぉ」
私の役に立ちたいと言われて怒れるはずもなく、ゴールデンウィーク最終日は終わりを迎える。
でも浮遊魔法でどう私の役に立つつもりだったのだろうか?
勿論撮影時に色んな角度から撮るためである。
御子が結構重度の過保護でシスコンであると同時に、莉子はお兄ちゃん大好きで本当は一緒にお風呂に入ったり、いっぱい甘えたいけど兄妹とはいえ異性なので遠慮していたのだ。
御子も流石にお風呂を一緒に入ったりするのは年頃の女の子に遠慮していた。
だが、女の子になってしまえば関係のない話である。しかも可愛く戦う魔法少女とやらになったのだ。
これはもう記録に残すしかない。
そして戦うアイドルとしてこの可愛さを世界に知らしめなければならない。
なぜって?それが妹の仕事だから。
莉子がそんなことを考えてるとは微塵も考えていない私は妹と一緒にお風呂である。
性転換してからはもう、それはもう毎日莉子と一緒にお風呂に入っている。
何せ莉子が一緒に入りたがるから。
毎日洗いっこをして一緒に湯船に浸かり、そして一緒にアイスを食べる。
幸せというのはこういうことを言うのかもしれない。
「お姉ちゃん今日は一緒に寝ようよ~」
「今日「も」の間違いじゃない?いいけど、そろそろ私が上げたそのシャツを寝巻にするのはやめなさい?今度一緒に買いに行こう」
「え~じゃあ今お姉ちゃんが着てるの頂戴?」
「もう、新しいのやったらね」
本当にいつも私が持っている物を欲しがる子だ。
新しいの買ってあげるよってう言っても「お兄ちゃんが持ってる奴がいい」って…年頃の娘がそれでいいのか?でも本人は喜んでるもんね。
これからは私が莉子に似合いそうな服を着用するようにしよう、そうすれば妹ももっと可愛くなるな。
そんなことを考えながら明日の学校の準備をして床に就く。
明日から3日間宿泊学習だ。
どんな困難が待ち受けているかもわからないので気を付けなければ。
修行パート書くのってすごく難しいよね、長くても読むのだるいし短くても急に強くなるし。
程ほどな安牌ってのがわからぬ!
そして妹は魔法少女になるのか!?因みに御子のことは大大大大好きだけど、別に恋愛対象としては見てないので魔法少女に必要なラブパワーは高くないです。




