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魔法少女御子ちゃん(仮)  作者: ミラ・ミス
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プロローグ

タイトルまだ決まってないけどとりあえず投稿していきます

2016年3月、ぼくはやっと終わることができた。はずだった…


1996年生まれのぼくは普通の家庭で普通に育っていた、10歳の時に交通事故に遭い全身麻痺。

首から下が動かなくなり身体機能も著しく低下した。

事故間もなくは一年も生きられないだろうと言われていたが、大好きな仮面ヒーローや伝説のMJが来てくれたりして気力でなんとか回復した。

今思えばあの時終わっていれば10年も無駄に苦しまなくてもよかったのかもしれない。


最初の頃は生きていればまた動けるようになるんじゃないか、元気になれるんじゃないか。

そう思って、希望を持って過ごすことができた。

4年もした頃だろうか、毎日様子を見に来てくれていた母の元気がなくなってきた。


ぼくには3つ上の姉と2つ下の弟がいる。

姉は頭が良くて、父は姉に良い学校に行きたいみたいで、でもぼくの医療費の関係から遠方の大学には通わせてあげられないみたいだった。

父と姉はぼくのことがあまり好きじゃないのか、あまりお見舞いにはきてくれない。


父は母と離婚してぼくと弟を母に押し付けたいみたいだ。

姉はお前が早く死ねば離婚しなくて済むと言いに来た。

でもぼくにはどうすることもできない、動くのは首から上だけ。

耳元でぼくに説明した後少し離れてから満面の笑みを向けられる。

「ごめんね」ぼくもできるだけ頑張って笑顔で呟いた。

でも多分少し困ったような顔になっていたと思う。


だってぼくの言葉を聞いた瞬間姉は一瞬怒った顔をしてそのまま帰ってしまったから。

それから少しして父と母は離婚したらしい。

母が来てくれる頻度が毎日から週一回に減った。

その代わりに弟が毎日来てくれるようになった。


毎日色んな話を聞かせてくれて、毎日笑ってくれる。

友達もたくさん連れてきてくれる。

本当に毎日楽しくて楽しくて、そんな弟も高校生になってからは来てくれる頻度は三日に一回ぐらいに減ってしまった。


勉強も大変だし友達付き合いもある、それにアルバイトも始めたらしい。

俺もちょっとでも働いてお母さんを少しでも楽させてあげるんだ。って言ってた。

ぼくも何かできることがあればいいのに。

この頃からぼくは一人でよく泣くようになった、決まって面会時間が終わると悔しくて毎日毎日泣いてしまう。


母と弟があまり来れなくなってからはよく違う病室の子が遊びに来ては漫画を読ませてくれたり、一緒に流行りの動画を見たりいて過ごす日々が続いた。

いつも一人で泣いているところを見られて心配して見に来てくれているのだ、10歳ぐらいでぼくよりもずっと小さいのにいつも気にかけてくれて、色んな話を教えてくれて、こんな何もできないぼくにも優しくしてくれて。

ぼくは誰にも、何も恩返しができないまま少しずつ衰弱していった。





そしてその時が訪れた。




2040年4月1日

この日ぼくは生まれた。

どうしようもない、何もない前世の記憶も持ったまま。




現在13歳、私の名前は如月御子(きさらぎみこ)なんの不自由もなく元気に中学生をしている。

最初の頃は母と弟を探そうとしたりしたけど、会って何を言っていいのかわからないことに気付いてからはできるだけ考えないようにして生きてきた。

 

「御子~!昨日のミミちゃん見た?もう可愛すぎてヤバかったよなー」

「見たけど、私はアイドルとかやっぱりよくわからないんだよね」


今流行りのネットアイドル。ぼくだった頃はテレビで見てたような存在も私の時代では個人で動画を出したりイベントを執り行ったりしなければならなくなっていた。

素人でも自分で簡単にアイドルになることもできるし、企業からのスカウトでその世界に入る人もいる。

その中でも最も流行っているネットアイドルは少し特殊だったりする。


ひと昔前の、それこそぼくの時に流行っていた漫画の魔女っ娘みたいに空を飛んだり、変な生物と戦ってる動画がメインになっているのだ。

アイドルは歌って踊って握手するイメージがあったけど、この戦うアイドルが生まれてからは色んなアイドルが生まれたらしい。

2020年ぐらいから戦うアイドルが流行り始めて、バーチャルアイドルが生まれて、そこからはなんでもありになっていた。


見た目は女の子の絵だけど声は男のアイドル、女装して本物の女の子みたいな男性アイドル、ゴリラと見間違うほど短足で毛深いけど凄くハンサムなゴリラアイドル。

挙げればきりがないほどの多様なアイドルが存在している。

その中でも戦うアイドル、【魔法で戦うスーパーアイドル】は30年以上経っても人気が衰えない超人気コンテンツになっていた。


そして私はアイドルにはそこまで興味もなく、かといって女性にもそこまで興味がないので友人からはホモなのか?と言われる始末なのである。


前世を含めて30数年生きている。その中で恋愛っていうものを経験したことはない、今世は生まれてすぐぐらいからよく覚えている。

前世は精々5歳ぐらいからだろうか?なので体感的には丁度30歳ぐらいなのだ。

30歳にもなって同年代に恋をするのは難しくないか?それに漫画で見たような恋愛しか知らないのだ、私にはあんなキラキラした出会いもないし、わりと諦めている。


でも30歳になって恋人もいないと魔法使いになると聞いたことはある。

まあ前世含めて30歳超えてる私に何もないんだから与太話もいいところなんだけどね。

本当に魔法使いになれるのならなってみたいものだ。私も空を飛んで魔法を放って、それで、それで困ってる人を助けたい。

前世ではずっと助けられる側だったけど、今世では元気なのだから。




そんなことを考えていた数か月後、14歳の誕生日の日にそれは起こった。

朝起きてトイレに行くと、付いてないのである。

何が?それはもうあれである。

え?おしっこできないんだけど?なんで?


「お母さーん!お〇ん〇んなくなっちゃったんだけど!どうしよう!!」


前世では事故で体が動かなくなったがあれがなくなるなんて経験初めてである。

まあ前世では首から下の感覚はなかったのでもしかしたら前世でもなくなってしまってたのかもしれないけど。


「御子…ついにこの日がきてしまったのね」


母が語りだした、衝撃的な事実を。

私が生まれた日に謎の喋る猫が言ったらしいのだ。

「お前の息子は30歳になった日に女になる、そして強大な敵と戦う使命を背負うことになるだろう」

戦うアイドルが完全に定着して、誰もが知っている、一度は憧れる存在。それが戦うアイドル。

戦うアイドルは決して多くない、多くはないが世代交代も早い。

大体が3年~6年で引退して次世代に力を受け継ぐのだ。

一世代5人が最大数で、最低数になると2人のこともある。

数が少ない時は恐らく…

それも力の受け渡しがない場合は運命にある選ばれし少女が覚醒するらしい。

そう、その戦うアイドルになる宿命にあるのだと言われたのだ。


しかも女の子になって。本来なら女の子から選ばれるはずなのに。

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