第16話 サミリムシリーズセミファイナル第2戦
サミリムシリーズの時期になると、森や草原から冒険者たちがいなくなると言われている。誰も彼も、球場に集まっているのだ。それまでの冒険や酒場などの娯楽とは一線を画す、新しいエンターテインメント。国民的行事とも評されるそれは、早ければ今日にもファイナルを戦う2チームが決定する。イママにあるサミリム塔の影が最も短くなったとき、イママとナゴヤの両競技場で同時にプレイボールがコールされた。
イママ・スプリングス vs イマゴム・ブルーソックス
イマゴム |010000010|2
イママ |11000030X|5
スプリングスが1勝1敗に持ち込んだ。1点リードで迎えた7回裏、ノブマサの代打として出場したオリヒカがセンターの頭を超えるヒットを放ち、貴重な追加点を獲得した。敗れたブルーソックスは2番手のヒロトが誤算だった。
チュウニチ・ドラゴンズ vs イソヤガン・アストロズ
イソヤガン |001000011|3
チュウニチ |13031221X|13
ドラゴンズは今季最多安打のヨウヘイがサイクルヒットを達成するなど打線が爆発。守備でも2試合連続の無失策と締まったプレーを見せて大勝し、ファイナル進出を決めた。敗れたアストロズは投打が噛み合わなかった。
先に試合が終わったのはスプリングスとブルーソックスだった。次に勝ったチームがファイナルに進出する。一方で夕暮れまで試合は行われたが、セミファイナルの決着がついたのはドラゴンズとアストロズだ。これまで4シーズン全てでチャンピオンに輝いているドラゴンズ。強き竜の者たちを止められるチームは、サミリムにいるのだろうか。