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なんか無人島に放り込まれたらしい。

 飛行機事故。生存者は三人。


 一人目は文系の少年。十歳。低身長。ショタ。むっつり。顔は良いし子供の癖にかなり腹黒い。釣りは好き。スポーツは野球しか存在しない。ツッコミ肌だけどボケにも行く。名前は四恩(シオン)


「僕らはこの世界でどうやって生きていくのだろう……」


 二人目は理系の女。二十二歳大人。黒髪の長髪で束ねたりしていないサラサラの髪。眼鏡。肌は今のところ白い。目付きはきつい。美人だが自覚はない。自分では根暗だと思っているが存外ツッコミ肌。胸がでかいのだが運動時に非効率なので嫌い。意外と落語とか好き。スポーツは全部科学する。名前は立花(りっか)


「とりあえず飲料水を確保する」


 三人目、二十五歳、体育会系の男。髪型も体型も控えめに言ってゴリラ。本当に控えめに言ってもゴリラ。控えめに言わなかったらターミネーター。脳筋。熊に勝ったことがある。乗りが良い。世界最強生物でスポーツは持ち前の運動能力で何でも制覇できるけどルールとか理解してないので勝てない。格闘技知識はある。名前は(ジョー)


「ウッホウッホ! ちょっと待てさすがに脳筋でもドラミングとかしねえわ!」




 この三人を無人島に放り込んでみた。




「協力して生き残ろうね。僕シオン」


「効率的に生存に有利な状況を確立したいので異存はない。リッカと呼べ」


「堅いぞおおお! 俺は」


「ゴリラだな」


「ゴリさん」


「お前ら。ジョーな。ジョーさんと呼んでな、せめて」


「ゴリラが喋ったぞシオン!」


「貴重なゴリラだねリッカお姉ちゃん!」


「うおおおおおん!!」


 こんな三人を無人島に放り込んでみた。


「リッカお姉ちゃん、どうしたら生き残れると思う?」


「サバイバルで大切なのは水、塩、糖質、熱源の確保が最有力だが熊、狼などの野生の生物による襲撃は看過できない。奴らは自身の生存圏が犯されると感じれば満腹であっても容赦なく襲ってくる。毒蛇、毒虫、寄生虫等はこの状況で気にしても回避が難しい。できるだけ避けろ」


「返り討ちにしてやる!」


「……できそうなのが怖いよなこのゴリラ」


「ジョーさんって無意識に周りを威圧するタイプだよね」


「俺が死ぬ時はお前たちに精神的に殺された時な気がする」


「文系みたいな分析されると僕の立つ瀬が無いなあ」


「体育会系は空気が読めないのだ、仕方ない」


「理系なのに空気が読めるリッカお姉さんは凄いや!」


「そ、そんなことはないがな」


 リッカは空気読めてないしシオンも分かっててリッカをほめている。リッカはチョロい。てかシオン腹黒い。リッカに抱きついておっぱいを楽しんでいる。リッカはシオンを性的対象に見ていないので不快感どころか可愛い子供だなと好感を抱いている。シオン腹黒い。


 ジョーは筋肉を鍛えたくなったのでその辺りで腕立て伏せを始めた。何故か泣きながら。無駄な体力を使うな。……散歩程度にしか感じてなさそうだが。


「とりあえず海岸線、砂浜にいるのは良くない。日中の海岸線は灼熱地獄だ。水源を確保できていないのではあっという間に熱中症になってしまう」


「流石。じゃあまずは海岸沿いの森に避難だね」


「防風林などが作られている現代日本と違うからな、森が遠い可能性もあるぞ」


「あ、そっかあ。森ってどこにでもあると日本人は思うけど海岸線から直に砂漠の地形なんかいくらでもあるよね」


「文系が地理とか詳しいのってセーフなの? 地理系とか歴史系とか分類増やすのもあれだけど」


「って言うか地理だの歴史だの社会の知識が無いと文系の僕は役に立たないよ」


「精神的には救われるんだがな、文系がいてくれると。理系は近視眼的なところはあるし」


「リッカお姉ちゃんなら大丈夫さ」


「そういうところが文系だよな」


「俺も話に混ざりたい……」


「ジョーお兄さん、森の中は何が出るか分からないから気を付けてよ」


「森に入る前に入り江を探すべきだぞ。河口を発見して上流に向かうべきだ」


「塩とか作っておく?」


「季節は五月だが砂浜にいると焼け死ぬ。準備的に天日塩の準備をしても良いが、まずは水源の確保だ。海水が持っていけるなら持っていきたい」


「ガチで頼りになるよねリッカお姉ちゃん。なんか袋になるものがあるなら塩水は欲しいよね」


 ここは素直に腹黒いシオンもリッカを認めてしまう。まあリッカはちょっと異常なくらいの科学知識を持っているのだが。

 ただ話になかなか加われないけどここぞと言うところではいないと困るはずのジョーが空気なのは問題な気がする。

 たまたまジョーが持っていた缶コーヒーを三人で飲み干して空き缶に海水を汲んで濃縮するためにとりあえず砂浜に埋めておく。


 海岸線をできるだけ森沿いに歩く。直射日光は悪魔だ。普通に焼け死ぬぞ。


「お姉ちゃんのど乾いた」


「……」


「どうしたのリッカお姉ちゃん」


「いや、私が妊娠して乳を出すと効率的に植物栄養源をタンパク質に変えることができるのかと一瞬脳裏を過ってしまった」


「お姉ちゃんって天才だけど馬鹿だよね! そんなの望むわけないでしょ!!」


「さすがに俺も引いたぞ今の発言は」


 理系には情緒は無いんだよ。効率しか考えていない。いや、恥ずかしいことは恥ずかしいんだけどね。


 理系女子が少ないのも仕方がないのかもしれない。科学的に考えると恋愛もモラルもぶっ壊れるしね。


「とりあえず河口を発見したぞ」


「これからが僕らの物語なんだね」


「俺も活躍できるんだろうか……」


「普通に肉体労働力はサバイバルには必須だぞ」


「これからこれから~」


 川を発見した三人。シオンは美しい景色を堪能している。うわー、潮の満ち引きは綺麗な景色を構築するよね。潮が引ききった川は乾期のようだ。生物が必死に乾いた河口から逃げていく。


 リッカは、ゴカイを取れば魚も釣れるし森生活時に釣具の構想を進めねば、と思い、ジョーは浅い水辺なんて格好の水遊びポイントじゃねえか、と、思った。


 考えが読めるならジョーはリッカに殴られただろう。ただでさえ水分不足なのに海水で運動とか死ぬ気か!






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