僕の宇宙の中の彼らの宇宙
僕は知っている。なぜ宇宙が広がり続けているのかを。
僕だってできる。宇宙を広げ続けることが。
僕にはできる。宇宙を無限に創造することが。
僕にはできた。宇宙を作り出すことが。
星星を生み、さまざまな生物を作り、自然の法則を組み込んだ。
真っ赤に燃え盛る星、闇に沈む星、青く輝く星、質量を持たない星――。
はじめは小さな世界だったが、長い時間と多くの資源を使い、僕は世界を広げていった。
それらの世界の住人はやがて知恵を持ち、物質を加工し、使用し、利用するようになった。
彼らは争い、滅ぼし、滅び、そして手を取り合い、長い年月をかけ自らの星を食い荒らすと新たな糧を求めて宇宙へと飛び出していった。
僕はその様子を観察しながら自室でくつろいでいる。
やがて彼らは多くの星を支配し、文明と遭遇し、争い、滅ぼし、滅び、そしてさらに多くの星に手を伸ばした。
彼らは支配する。多種族を使役し、星星を食い荒す。そして宇宙を支配したとき、すべてを支配し、なにも奪うものがなくなったとき。彼らは自らの宇宙を創造する。
記憶媒体をつなぎ合わせ、演算装置を進化させ、彼らの支配する宇宙そのものをそこに作り出した。
僕も同じだ。違うのはそこへ向かう道程―。彼らは支配するために作り出し、僕は観察のために作り出した。
彼らは彼らの宇宙に神として君臨し彼らを支配した。自らをそこへ投影し、彼らを教え、導き、従え、殺し、奪い、犯し、支配した。
飽きもせず、彼ら旧支配者は心を持たない人形を支配し続けている。彼らの支配する、彼らの宇宙の中で。




