エピローグ
高2の春。自分の中に色がついた。
キーンコーンカーンコーン
放課後を告げるチャイムが鳴りみんな一目散に教室から出ていく。
家に帰る人、部活に行く人、それぞれだ。
そんな中、部活に向かう颯汰と別れ図書室に向かう。
放課後の静かなこの場所で過ごすのが最近の日課だ。
今日は何を読もうかと手にとっては棚に戻していた。
「よし、これにしよ」
今日は推理ものにした。
今回はどんな事件なんだろう……
気づいたら午後5時をまわっていた
「そう言えば、今日は俺が当番だっけ。」
うちは父と俺の2人暮らし。
幼い頃に母を病気で亡くし、男手一つで育ててくれた。
そんな父に代わって晩御飯を作る当番になっていた。
家に帰ろうと図書室を出て、下駄箱に向かい
だいぶ履き潰したスニーカーを履いて校門に向かって真っ直ぐ………
歩いていたはずの足が途中で止まった。
なんて綺麗なんだろう。。
校内に咲く桜の木のしたで一人の女子が絵を描いている。
俺は普段そんな周りに興味があるわけでなくただ本の世界に入り込むことが好きだった。
けど、今は違った。
確かに満開に咲いている桜も綺麗なんだが
なぜかその下にいる女子に目が向いてしまったのだ。
自分の中でよくわからない何かに浸っていると、ふと時間を思い出し、再び急ぎ足で家に向かった。
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