《一端休憩》
巫は言う。
「いや、結局よくわからないよ庵内さん」
「だーかーらー神に触れかけちまったんだって…ていうか聞いてたのかよ」
「僕に言ってたんじゃなかったのかよ」
「…そうだね、もっと簡単にすると…」
「うん」
「生徒と教師がいます」
「うん」
「ある生徒はめっちゃ賢いです」
「うん」
「その生徒は先生に言うのです」
「うん」
「将来の夢は先生になることです!」
「…」
「しかし先生は知っているわけです。教師という職業のブラックさを。めちゃくちゃ残業するのに残業代は出ないし、そうでなくとも労働時間は10時間に近いし、何の部活の顧問をするかは選ばせてもらえず、休日出勤したとしても同じ分だけバイトしたほうが下手したら5倍は稼げるぐらいの雀の涙みたいな値しか金は貰えないし、まず兼業が許されてないし、休みはあるようで無いし、っていうか夏休みが無いし、子供の世話は大変だし、それ以上に親が大変な場合もあるし、まあ他にも色々あるけど、とにかく先生はこう言うわけだ。『いいね。でも、先生は大変だよ?』しかし本音はこうだ。『将来の夢で先生って答える奴はなぁ!よっぽど高尚な奴か!よっぽどアホな奴か!その二種類に分けられる!そして大体が後者だ!そんな後者たちに前者たちは埋もれていく!いいか!君は先生になるべきじゃない!教師ってのは、神経が強い人間か、図太い人間にしかできないんだ!あと給料もよく減る!減るぞ!こないだの給与明細見るか!?ひっでえぞ!公務員の闇がそこにはある!』」
「何の話だっけ?」