関係あるのかどうなのか
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これからの展開、ちょっとマッタリしますが、重要人物複数出てくるので、あれこれ想像しながら読んで頂けると幸いです
「ふーむ。オーガロードとゴブリンチャンピオンの事を聞いてきたのか」
「ええ。一応差し障りない程度に説明しておきましたが」
ロックとファルは、二人が帰った後、バッツからの紹介と言われた二人の冒険者? の事を話していた。
「タケトってやつによると、ベルアートの旦那の、あの高級宿に泊まれる理由ってのが、いい素材を売ったからって言ってたよな?」
「そうですね。もしかしたら、オーガロードの素材でしょうか?」
「バカ言え。オーガロードなんざおいそれと倒せる魔物じゃねぇ。だが、もしそうだとしたら、どっかで死体を見つけて素材だけ獲ったとか、そういう事か?」
「ただ、あの二人、バッツの故郷から来たんですよね? ヌビル村みたいな辺鄙な村辺りに、死体だったとしても、そんな大物いますかね?」
「……」ロックは少し黙って考え込んだ。最近、魔物が増えてきた事とも何か関係があるのか? 色々勘ぐってしまう。
ロックはあの二人がどうも気になって仕方がなかった。タケトという黒髪に黒い瞳の細身の男。それは約5年前、同じくここに来たカオルという、後に勇者と呼ばれる女の冒険者、特に黒髪黒い瞳というところ、の特徴が同じだ。そして、その女も魔物の事をあれこれ聞いたり、水晶を試してみたい、と言った。そんな事までも同じだったのだ。当時ロックはまだ冒険者だったが、その事は有名なので知っていた。
そしてマシロという獣人。かなりの別嬪だ。獣人であそこまで綺麗な獣人は、ロックも顔が広いとは言え、見た事も聞いた事もない。もしくは獣人と人族の混血かも知れない。それも聞いた事ないが。一体何処で生まれたのか。
「ま、あれこれ考えても分かりそうはねえか。どうやらあの二人、暫くここにいるみたいだし、そのうち探ってみるか」
「そうですね。冒険者として魔物討伐をやるみたいですし。ここにもそのうち頻繁に訪れるようになるかと」
※※※
健人と真白は二人、ギルドを出て宿泊する予定もベルアートの宿に向かって歩いていた。そろそろ日が傾いてきて夕暮れ時だ。軒を連ねていた店も徐々に店じまいに取り掛かっている。屋台も皆閉まっていた。健人は肉串の味付けを聞く事が出来なさそうだ。
二人はゴブリンの価値の低さを知って、複雑な表情で並んで歩いていた。ゴブリン300匹で6金貨。しかも当時、それを用意するお金が、ヌビル村にはなかった、という事も、この時初めて気づいたのだった。ヌビル村は思っていたより相当貧しい村だったのかと。ただ、旅に出る前、素材をベルアートに売って、結構な金貨にしてダンビルに渡す事が出来たのは良かった、とも思っていた。
「ま、あれこれ考えても仕方ないか」と急に健人がうーん、と伸びをする。
「そうですにゃ。明日も忙しいにゃ。今日はゆっくり休むにゃ」と、真白も同じく猫っぽく背筋を反らして伸びをした。
同じ事をして笑い合う二人。夕日がその二人を優しく照らしていた。もうカップルっぽいですね。
そうしてベルアートの宿にたどり着いた頃には、夕日もほぼ沈んでいて、辺りは暗くなっていた。宿に入っていくと、入り口で使用人が出迎えた。「受付に旦那様がお待ちで御座います」と、恭しく頭を下げ、二人を案内する使用人。
「こんばんわ。ギルドでは問題ありませんでしたか?」笑顔で迎えるベルアート。
「まあ、ちょっとしたトラブルがありましたけど、大丈夫です」と、同じく笑顔で返す健人。真白もベルアートに挨拶をする。
トラブル? その言葉が少し気になったが、とりあえず伝言を伝える。
「明日、午前中に伯爵様ご夫妻と、ご面会のお時間を頂戴する事が出来ました。タケトさんの話をすると、是非にでも会いたいと仰られておられます。明日は馬車でお二人を迎えに上がりますので、宜しくお願いします」と、明日の予定を話した。
こちらこそ宜しくお願いします、と健人も返事した。俺も是非会いたい。前の世界にいた勇者カオルについて、出来るだけ色々聞いてみたい。この世界で生きていくのに、何か手掛かりがあるかもしれないし。
「それと、これが200白金貨です」と、麻で出来たような袋をドサっと机の上に置いた。日本円で2000万円がそんな無造作に置かれていいのだろうか? 若干緊張しながらそれを受け取り、そしてポケットから小銭入れを出して、500円玉をベルアートに渡す。
「では、これ。約束の物です」と、健人も無造作に机に置く。おお、とベルアートが焦って丁寧に綺麗な布で500円玉を包み、大事そうに金箔が施された、明らかに高級な箱の中にそっと大事そうに収める。そんなに丁寧に扱われているのを見ると、ちょっと可笑しく思える健人。
「と、とうとう手に入りました。これほど嬉しい事はない」と、感無量の様子で、500円玉が入った箱を両手で持ち、上に掲げながら、若干目に涙を溜めているベルアート。大袈裟にしか見えないが、感極まってらっしゃるので、何も言わず生暖かい目でベルアートを見つめる健人。
「この200白金貨くらいで、例えば家が買えたりするんでしょうか?」唐突にベルアートに質問する健人。
「へ? ああ、家ですか? グレードにもよりますが、例えばタケトさんとマシロさん、お二人だけとして、部屋数が2、3くらいでいいなら、20白金貨くらいで購入出来ると思いますよ」
今は座って、箱の中の500円玉をウットリ眺めていたベルアートは、健人の唐突の質問に驚いて、平均的な家の価格を伝えた。てか安い! 健人はその安さに驚いた。
「勿論ピンキリですから、家を購入されるなら、物件をあれこれ見て回る方がいいでしょう。良ければ私が仲介しますよ」営業スマイルで説明するベルアート。まあ、もし必要だと思ったらお願いするか。
「あと、こんな大金持ち歩くのは怖いので、どこか預けるところがあれば有難いのですが」銀行みたいなのはないのだろうか?
「ああ、ならギルドで預かってくれますよ。登録料さえ払えば、中身は何か、ギルドにも知られず、預ける事は可能ですから」
おお、貸金庫みたいな事をやってるのか。それは助かる。明日は伯爵夫妻に会った後、もっかいギルドに行くか。
「お腹減ったにゃ~」真白が夕食の催促をする。そうだな。そろそろそんな時間か。
「そうですね。では夕食の準備をさせましょう」と言って、この日は解散し、健人と真白は一旦それぞれの部屋に、ベルアートは自宅に戻った。
夕方頃また投稿します