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正体を明かしてみる。だってダンビルさん良い人なんだもん

読んで頂いている方本当に感謝です。

まだ初投稿から3日目なのに、既にPV200超えました。

ありがたいです(´;ω;`)ウゥゥ

まだ拙いので、誤字脱字その他感想など言って頂けると幸いです。

「おま、お前、パーティも知らないのか?」ダンビルが呆れるような、驚いたような口調で質問する。


「いや、言葉は知ってるんですけど、多分俺が知っているパーティとは違う気がします」そこで涙を拭いながら答える健人。


 健人はゲームを一切しない。小さい頃も外で遊ぶのが好きな元気ッズだった。そして大きくなってからの趣味は音楽と旅行だ。大人になってからは、それ以外の時間、寝食と筋トレ、移動の時間以外はバイトをしている毎日。例えば健人が前の世界でロールプレイングゲームでもやっていれば、意味はすぐ理解出来たのかもしれない。勿論有名なド〇クエなどは、名前程度は知っている。だが、どんなゲームかは全く知らいないのである。興味がないのだから仕方がない。


 パーティってのは、「Yo! Yo! エブリイバディレッツパーリィナーィ!」ってクラブで叫んで踊り狂うアレとか、お見合いパーティみたいな、お互い牽制しつつ相手を見抜く駆け引きがあってとてもしんどいアレとか、そういうのだと思っていたが、ここでダンビルがいうパーティは、どうやら違うなあと思った健人。そして真面目な話してるのに、「Oh、レッツラパーリィっすか、クールっすね」なんて言ったら、きっと健人の人格が疑われるどころか、出ていけ! と言われるだろう。だから自重したようである。でもどうも話の流れで重要なワードな気がしたから質問したのだ。


「……パーティってのは、例えばさっきの話の場合だと、一緒に連れだって魔物退治とかするメンバーの事を言うんだよ。で、パーティは(契約)をするんだ。パーティに入るという契約をすると、パーティメンバー全てに、均等に()()()が入るようになってる」


 この世界では、パーティになるメンバーは、パーティ契約をする必要がある。ダンビルの説明にある通り、経験値が均等に振り分けられる。他のメリットとして、強い魔物を退治する際、その魔物を倒せる強いメンバーと、全く歯が立たない弱いメンバーが、パーティ契約をしている事で、強いメンバー一人で魔物を倒したとしても、弱いメンバーにも経験値が入るようになる。


 これは弱い人からすれば、非常にお得に思えるかもしれないが、実際は強い人間が、弱い人間を連れだって、魔物退治をする事は滅多にない。強い人間には全くうまみがないし、更に弱い人間を守りながら戦わねばならないため、普段より負担が増えるからだ。殆どの強い人間は、弱い人間と共に魔物退治をする事を拒否する。


 逆に弱い人間に合わせて、弱い魔物を倒すため、パーティ契約をしたとしても、同じく強い人間にはうまみはない。獲得できる経験値が少なくなるからだ。弱い魔物なら一人で倒す方がいい。経験値を分ける必要がないので、自分一人で経験値を独占できる。だから弱い人間と強い人間が、パーティ契約をする事は、実際殆ど、というか皆無なのである。

(まあ全くメリットがないわけではないのですが、それはまたの機会に)


 更にダンビルからは経験値について説明があった。この世界にはレベルという概念がある。数値を測る事は出来ないが、ある一定の値を超えると、出来ない事が出来るようになる。例えば剣を武器にしているとすると、経験値を稼いでレベルが上がると、剣のスピードが上がったりする。また、魔法を使える場合は、より強力な魔法が使えるようになる。そのために、経験値を稼ぐのである。ただ、普段生活している人達は、レベルを上げる必要がない場合が多い。冒険者は別だが。


「そういやこの世界って魔法があるらしいですね。魔法ってどうやって使うんでしょうか? 俺にも使えるんでしょうか?」


「……それも知らないのか。というか、(この世界)って。さっきも言ってたな。お前、一体どこのもんだ?」さすがにダンビルも健人について怪訝に思ったようだ。


「そうですね。ダンビルさんが大事な話してくれたんだし、俺も自分自身の話しますね」


 そう言って、健人は自分が別の世界で死んで、この世界にやってきた事、前の世界には魔法はなく、空想の世界でしか存在しない事(小説や漫画ですね)、だからこの世界を全く知らない事、ついさっき、半日前ほどにやってきたばかりだという事などを話した。


 更に真白についても、元は猫だったがこっちに来てから人間(この世界では獣人)になり、理性と知性を得ていっぱしの人間に成り代わった事を話した。


「そうか。お前の無知さ加減を見ていると、納得がいくな」


 もしかしたら()()()()()()()()()()……と呟くが、健人には聞こえなかった。


「とりあえず、お前は前の世界の事は黙っていた方がいい。説明しても怪しまれるだけだからな。記憶をなくしたとか、そういう事にしとけ。そのほうがこの世界ではやりやすいと思う」


 健人も同じように思った。ダンビルさんだからこそ、話を聞いてくれて理解してくれたが、この世界は他にどんな人間がいるか分からない。ダンビルさんみたいに良い人ばかりとは限らない、と注意しておいた方がいい。もめ事の種になりそうな気もしなくもない。今後は記憶喪失で押し通そう。そう思う健人だった。でも、真白はどうしようか悩んでしまう健人。


「マシロは獣人の迷子で、お前が面倒見てるって事にしとけ。ちょっと前なら奴隷だって言えたのかもしれないがな。今はその制度自体廃止になってるからな。またはお前の恋人とか。男女のペアならそれで怪しまれる事はないと思うぞ」


 真白を恋人とか。それは色んな意味で無理だ。それと奴隷か。そういう制度が過去この世界であったのか。


「あと、魔法だが……」


 ダンビルはおもむろにランプを手に取った。


「この下に赤い小さい石がついてるだろ?これは(クリスタル)というんだ」そう言ってダンビルはその赤い小さな三角形をした石に手をかざす。するとボッとランプに火がともった。健人がそれを見て「おお!」と驚いた。


「こいつは(火)の魔法だ」


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