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ちょっとした変化

100話目達成(∩´∀`)∩ワーイ

・・・・・・まだ初投稿から2か月経ってないのに^^;ハイペース過ぎる。

こんな無計画な小説でも、ブックマークしてお待ち頂いている方々、感謝ですm(__)m

いつもお読み頂き有難う御座いますm(__)m

「リリアム王女。お久しぶりで御座います。そしてタケト。元気か?」リリアムに頭を下げた後、顔を上げて笑顔で健人に挨拶するカインツ。リリアムも健人も笑顔で会釈する。


 四人は昼食を終え、ギルド内で待機していた。たった今、ギルドからの要請で兵士が複数やってきたのだ。魔薬絡みという事もあり、隊長であり健人とリリアムと顔見知りであるカインツも同行している。カインツと兵士達は、プレートメールという鉄製の鎧を皆着用していた。兜を首から後ろに下げ、直径30cmほどの丸い盾は背中に背負っている。そして武器は剣を腰に帯剣している者や、槍を背中に背負っている者がいる。カインツは以前健人とヌビル村で会った当時のまま、剣を装備していた。


「そちらが魔族の、情報をくれた方か。この度は情報提供感謝する」カインツがケーラを見て頭を下げる。


「初めまして。ケーラです。ボクも調査してたとこだからちょうど良かったので気にしないで下さい」ニコっと久々に美少女スマイルで会釈するケーラ。カインツについてきた四~五人の兵士達がドギマギしている模様。


「そして私がリシリー。神官見習いです。今回の告発者です」続いて頭を下げるリシリー。リシリーのおしとやかな雰囲気にも、兵士達が小さくため息をついている。そしてリリアムを含め、美女三人に囲まれている健人に、嫉妬のこもった視線を浴びせる兵士達だった。


「私が隊長のカインツです」宜しく、と頭を下げる。


「よし。早速だが向かうぞ。準備はいいな?」健人に声をかけるカインツ。既に準備万端だった四人は即答で承諾した。そしてカインツを先頭にギルドを出る。西部劇に出てくるような扉をキイと開けて皆ゾロゾロと出て行った。


「これで解決すりゃいいんだがなあ」ロックはその様子をギルドの中から見つめ、呟いた。


 ※※※


 ギルドから目的の場所まではそう遠くない。皆馬には乗らず徒歩で移動している。兵士複数と冒険者三人に神官の身なりをした女性が一人。ちょっと珍しい行列に、往来する人々は好奇の目でその行列を見ている。だが、その視線を気にせず進む一行。今回の目的が目的なだけに、皆神妙な面持ちだ。


「タケト。マシロはどうした?」カインツが健人に声をかける。いつも健人と一緒だった猫獣人の姿がない。以前健人の恋路に口出ししてから暫く会っていないのもあって気になっていた。


「あ~。えーと」苦笑いする健人。肩にかけているカバンには白猫が入っているが、説明して信用して貰えるかどうか。


「……そうか」カインツは健人の様子を見て何か誤解した様子だ。告白がうまくいかなかったと思ったらしい。


「まあ、気にするな。お前の周りには美しい女性が沢山いるじゃないか」背中をバンと叩いて励ますカインツ。いきなり背中を叩かれせき込む健人。カインツが何か誤解している事に突っ込もうとする。が、それがままならないうちに目的地に着いた。


 白を基調とした壁の色。四方には同じく白の立派な円柱形の柱がそびえたっている。以前健人が真白と共に訪れた神殿である。目的の場所に到着した事に気づき、ちょっとふざけた様子で健人に絡んでいたカインツの表情が一気に引き締まる。兵士や他の三人も。健人は誤解されたようなままでちょっと複雑な表情だが。


 カインツが他の皆に、待機しておくよう伝え、一人受付に向かう。カインツ以外の面々は、階段になっている神殿の下で待機している。十五段ほどある階段を歩いて上がっていくカインツ。受付には、以前失礼な事を言って、真白にパンチを食らった中年の白服の男がいた。


「これはこれは。珍しいお方が来られましたな」ニヤニヤとにやけながら、カインツを見る中年の白服の男。さすがアクー兵隊の隊長だけあって、神官達にも多少顔は知られているようである。


「アヴァンという神官に会いたいのだが」その表情を気にも止めず、アヴァンという名の神官を所在を確認するカインツ。


「どういった御用件で?」ニヤニヤした表情が一転、何か心当たりがあるのか、鋭い目つきになり、座ったまま上目遣いで、確認する白服の男。


「とある犯罪に加担している疑いがある。それを確かめるためだ」


「……少々お待ち願いますかな」そう言って立ち上がり、神殿の奥に消えていく中年の白服の男。そして階下にいる皆に手のひらを向け、待つよう指示する。


 何か嫌な予感がする。健人がカインツと中年の白服の男を見ていて不吉な予感を感じていた。そんな健人の予感が的中する。


 ドゴーーーーン!!


 神殿に隣接している孤児院から、大音響と共に爆発が起こった。


「な、なんだ!」「隣の孤児院からだ!」兵達がその爆音に驚き、たじろいでいる。


 健人達も驚いて爆音がした孤児院を見る。孤児院は木造の二階建てになっており、屋根がとがっていて教会のような見た目だが、その屋根の後ろ側からモクモクと煙が上がっている。


「タケト様! ここは孤児院です! ですから子ども達が!」そう叫ぶリシリー。中にいる子ども達が危険だ。


「リシリーさん! 子ども達の数は分かりますか?」


「確か十人くらいだったかと」どうしようもできないリシリーがおろおろしながら答える。


「よし! ケーラ! リリアム! 子ども達を助けに行くぞ! 兵の皆さんはカインツさんを待ってて下さい!」緊急事態だ。皆に声をかけ、孤児院に駆けだす健人。ケーラとリリアムも走ってついていく。


 入り口の木製の扉を乱暴に蹴って開ける。万が一木造の屋根や柱が落ちてきたら危険だと思った健人は、大剣でそれらを裁こうと武器を持っていたのだ。


 だが、中は思っていたより静かだった。まるで何事もなかったかのようにシーンと静まり返っている。


 火災で木材が落ちてきたり、子ども達が泣き叫んでいるかと思ったが、それさえもない。緊急を要すると思った健人達は肩透かしを食らった。


「何も燃えてないね?」「ええ。子ども達も見当たらないわ」


 ケーラとリリアムも不思議そうに中を覗く。


「とりあえず中に入るか」健人の言葉に二人とも頷く。


 入り口から入った孤児院の中は、教会の礼拝堂のように、木製の長椅子が規則正しく等間隔に、左右対称に並べられていた。そして前の世界なら正面に十字架に磔られた有名な男性像があっただろうが、当然ながらそれはなく、代わりに若い女性の像が設置されていた。


「静かね」リリアムが呟く。さっきの爆音の後からは一切音が聞こえない。寧ろ音がなさ過ぎて不気味だ。


「ん?」女性像の左横の奥に、健人が扉を見つけた。健人が後ろからついてくる二人に目配せする。二人とも頷く。そして今度はゆっくり木製の扉を開ける健人。キイと扉が軋む。そこは下に続く階段になっていた。


 健人を先頭にリリアム、ケーラと階段を降りていく。酸えた臭いと沈黙が不気味だ。それらが3人の緊張感を高める。階段を降り切ると、またも木製の扉があった。


 そこに辿り着いたところで、突然、健人が肩から下げているカバンに入っていた白猫が、首をひょっこり出して、いきなり「にゃー!」と大きな声で鳴いた。


「「「え?」」」びっくりする三人。そして扉の中から白猫の鳴き声に反応したのか、「誰かいるのか?」と男の声が聞こえた。


 扉の外側にいるのがバレてしまい、仕方なく普通にキイと扉を開ける健人達。


 そこには、血まみれになったグレゴーと、紫の玉を持った白服の男。そして奥には十人ほどの子ども達が、息を潜めて蹲っていた。




感想・レビューなどで稚拙な文章ご指摘頂ければ有難いです。

評価も頂けると励みになります。

宜しくお願い致しますm(__)m

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